2015/07/08
コラム
山本太郎直伝 黒鯛流儀 私の考える黒鯛という魚
私の考える黒鯛という魚
専門書等では黒鯛(今後はチヌ)はスズキ目タイ科に属し・・・・、
となるが、これは我々釣り人側からするとあまりピンとくるものではない。
要はチヌという魚は、日本人に最も人気が高い鯛科の魚であるということだ。
古くから祝い事や行事等で、めで鯛!として活躍してきたいわゆる真鯛と形こそは似ているが、
色や生息エリア、習性等に大きな違いがある。
チヌには真鯛より更に近い種類があり、汽水域に多いキチヌ、ヘダイ、その他南西諸島周辺から以南に生息するミナミクロダイや南洋チヌ、オキナワキチヌがあるが、後者の3種は本土では釣れることがなく、また生息域に限りがあるので省きたい。
話を戻すが、最も近縁とされるキチヌは、ヘダイと同様やや南方系で、北、東日本ではあまり馴染みがなく、西日本で圧倒的に多い。
河口付近や河川の流れ込みがある湾でもよく釣れるが、アタリはチヌに比べて激しく、しかもよくファイトして面白い。
問題のヘダイだが、キチヌよりも一見するとチヌによく似ていて間違え易いが、微妙に違う顔付きや性格の激しさからか、釣り人からはどちらかというと嫌われ者扱い。食べるとチヌより美味しいらしいが…。
釣りに関わるチヌの生態
さて、釣りにおいて重要とされるチヌの生態だが、数えあげればキリがないほど項目は多い。
だが中でも釣り人が常に頭に置いておかなければいけないことは、同じ魚種でありながら地域やフィールド、地形的な条件が変わると、「これが同じチヌ?」と思える程、行動や摂餌のパターンも変わってしまうこと。
さらにチヌは我々人間と同じで、何でも食べる雑食性の魚であるということ。何でも食べる代わりに、気に入らなければ一つの餌ばかりに固執し易い。
自分がどこの釣場でどの釣法を用いて狙うのか?その上でそこでのチヌの行動パターンをよく観察することが重要。
そして今チヌがどの餌を最も欲しているのか?どの餌なら口にしてくれ易いか?を考え、自分のペースではなくチヌのペースに徹底して合わせてやることに尽きる。これらの項目を特に重要視すれば、チヌ釣りはそう難しいものではない。
チヌ釣りは決して難しくはない!
頭がいい!目がいい!神経質で警戒心が非常に強い!等々さまざまなイメージがあるチヌ。たとえるとキリがないほど難しい釣りになってしまう。
だが所詮は魚!食さなければ生きてはいけないし、我々釣り人の方がはるかに賢い!
行動パターンや釣りの観点から見えてくる習性等はそれぞれの釣法解説でも詳しく述べていくが、まずは「チヌ釣りは決して難しくない」ということを念頭に置いていただきたい。では次回は様々な釣法の解説に入ろう。
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