2020/08/31
コラム
只松雄司 ファイアブラッド オナガで挑む 長崎県上五島「倉島のマンジュウ」
初夏の上五島で主役となるのは大型の尾長。戦闘モードに入った只松雄司さんが手にしたロッドはファイアブラッド オナガだった。
好天の磯は満員御礼
梅雨に入って荒れた天気が続いていたが、前日までのウネリが取れるという情報を得た只松さんは長崎県平戸宮ノ浦の丸銀釣センターに向かった。
目指す釣り場は良型の尾長を期待できる上五島エリア。午後10時の出船で大本命エリアの白瀬に到着すると、上がれる場所にはキャップライトの光が並んでいて、みんな考えることは同じらしい。今回は尾長しか眼中にないということで船長が選んでくれたのは、倉島のマンジュウだった。
持ち重りしない竿
倉島での釣りをイメージして只松さんがチョイスした竿はファイアブラッド オナガゲイルバード1.7号 530。この竿はスペック表の数字を見る限り「やや重たいのでは?」と想像されるのだが、ぜひともリールを取り付けて持って欲しい。グリップとグリップエンドまでの長さと全体のバランスが絶妙で、まったく持ち重りしない軽さに仕上がっているのだ。郷に入れば郷に従えというように、五島には五島の魚が獲れるタックルが必要。尾長にに特化したタックルを使うことで五島の愉しさを満喫できるということだ。
朝まづめの一発は…
スタートフィッシングは午前5時。本命の釣り座は磯の先端部だが、満潮が近づいていたため船着けから竿を出す。状況を探る意味で全遊動の仕掛けで攻めると、ゆっくりと右流れの上げ潮が残っていた。
魚影の濃さでは定評がある上五島だけに、開始から30分足らずで不意にゲイルバードが弧を描いた。瞬時に大物と対峙できる仕様の恩恵で1mmもラインを出すことなく耐えると、タモに収まったのは狙いの尾長ではなく45cmの口太。本命が尾長でなければこの1枚で大満足というナイスプロポーションだった。
その後は0号ウキの全遊動仕掛けを駆使して40cm級の口太を連発。竿の曲がり方を見ただけでは魚の大きさが伝わってきにくいが「よく引くけど尾長じゃないね」と、只松さんは余裕の表情だ。「尾長用の竿というと強さがクローズアップされますが、3番までの入りが速いので細糸を使っても安心してアワセを入れられますよ」とのことで、快調に釣果を伸ばしていく。
ラストを締めくくったのは…
やがて潮が引いてくるとウネリも収まり先端に出ることができたので、最後はオーソドックスに3Bの半遊動仕掛けで攻める。レインウェアを着るほどでもない雨がポツリポツリ降ってきたが、上げ潮は帆揚瀬に向かって流れ出るチャンスタイムだ。ラスト1時間を切ったところでラインが走る待望のアタリが出たが、竿でタメると感触は尾長の引きではない。「これはマダイでしょう」。
難なくタモへと導いたのは60cm級のマダイで、ゲイルバード1.7号 530の敵ではない。尾長との激闘は次回に持ち越しだ。
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