2019/12/31
コラム
城ヶ島沖のライトヤリイカ
数年前まで、ヤリイカは専用タックルがなくては楽しめない釣りだった。しかし現在は深場のマルイカ、あるいはアマダイ、タチウオなどに使うタックルでも、楽しめる乗合船がある。
それは春の浅場ではなく、150m以上の深さを狙う、冬の城ヶ島沖での話だ。
三浦半島小網代出船
「ぼくはいつもこの道具でヤリイカを釣っています」
初冬の三浦半島小網代、ヤリイカ乗合に富所潤さんが持ってきたのは、マルイカ用のタックルだった。
ロッドは「ベイゲームX マルイカ 82 140」。リールは「フォースマスター300DH」。ミチイトはPE1号300m。
釣り場は城ヶ島沖、ポイントの水深は150m前後。いわゆる本格的なヤリイカフィールドで、ノーマルタックルはオモリ120号だ。
富所さんが持参した仕掛けはプラヅノ11cmの直結4本とブランコ5本。同行のヤリイカ釣り初挑戦の友人はブランコ、富所さんは直結から始めた。
シンプルな仕掛けで味わうスリル
仕掛けの上には中オモリやリング類は一切付けず、リーダーに直結する。せっかくライトにしているのだから、仕掛け周りはシンプルが一番。信じがたいかもしれないが、150mを超える深さになると、ツノ数が1本増えるだけで抵抗がかなり大きくなる。
そこでライトはツノ数が少ない仕掛けになるのだが、短い仕掛けは探る幅が狭くなる弱点がある。
その一方で、タックルとオモリが軽く、潮の抵抗が少ないため、イカのシグナル=乗りが明確に伝わってくるというメリットがある。
整理するとこうなる。
多点掛けなど、豪快にイカ釣りを楽しむならツノ数は“多く”素早く着底させるためにオモリは“重く”ヨリを防ぐためリングなどを“装着”する。
つまり「沖イカ」スタイル。
逆に、1杯ずつアタリを見て掛けて、巻き上げて楽しみたいのなら、ミチイトは“細く”ツノ数は“少なく”オモリは“軽く”できるだけ“シンプル”に。
これが「ライト」。
特筆すべきは、沖イカとライト、どちらも楽しいということ。この2つの遊び方、面白さ、つまり価値観を、同じ船上で追求、実現できる。これこそ沖釣りの進歩であり成熟だ。
その中で、富所さんはできるだけシンプルに、軽く、無駄をそぎ落とし、1杯のイカをより大切に楽しむ「ライトヤリイカ」を追求している。
「ブランコ仕掛けは縦に動くアタリ、直結は横に動くようなアタリに掛けていきます。同じイカでも、ヤリイカは激しく掛けにいかないほうがいい傾向が見られます」
竿先に出るアタリひとつとっても、掛け方も、ライトは多彩で面白い。そして引きも、バレたときの感触もよく分かるから、スリルもある。
とはいえこの日は、少々スリルがありすぎた。ヤリイカを掛けるたび、ワラサやマダイとおぼしきハモノたちに取られてしまうのだ。
「これだけ途中で取られると、よく無事でいてくれたなあと感動しますね!」
30杯近く掛けながら無傷で上がってきたイカは三分の一ほど。同じライトでも、いつも以上にヤリイカに愛おしさを感じる富所さんであった。
FISHING TACKLE
ROD
ベイゲームX マルイカ 82 140
全長 1.40m
継数 2本
仕舞寸法 97.8cm
自重 75g
オモリ負荷 20~100号
ライトゲームリミテッド TYPE82 H190
全長 1.91m
継数 2本
仕舞寸法 125.4cm
自重 134g
オモリ負荷 40~200号
REEL
フォースマスター300DH
ギア比 5.1
最大ドラグ力 5.0kg
自重 410g
糸巻量PE[タナトル8] 0.8号400m
1号 300m
1.5号 200m
2号 150m
ハンドル長 51mm
フォースマスター600DH
ギア比 5.1
最大ドラグ力 8.0kg
自重 500g
糸巻量PE[タナトル8] 2号300m
3号200m
ハンドル長 55mm
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タナトル 8[TANATORU 8]
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