2020/10/06

コラム

現場で真価を発揮する“真の軽さ”と“究極の操作性 【イカ先生がSephia LIMITEDメタルスッテを実釣インプレ】

シマノ最高峰のメタルスッテロッドとしてデビューしたSephia LIMITEDメタルスッテ。目指したのは、既存のアイテムとは一線を画する“真の軽さ”と“究極の操作性”だ。「それがどういうことかは、現場に出てはじめてわかります」というイカ先生こと富所潤さんが、実釣をとおして“LIMITED”たるゆえんを紹介する。

実釣フィールド/玄界灘(福岡県)

玄界灘は九州北西部に広がる海域で、対馬暖流が流れ、日本屈指の漁場として知られている。オフショアゲームでは大型のヒラマサ、真鯛の高実績地で、近年はケンサキイカを狙うメタルスッテゲームも盛り上がりをみせる。実釣は博多湾伊崎漁港(福岡県福岡市)から出船。

デイゲームでSephia LIMITEDメタルスッテを実釣見分

– 実釣は初日、ナイトゲームの予定だったが強風のため出船中止。2日目早朝から昼すぎまでの短時間戦となってしまった。
「メタルスッテゲームは、デイゲームでも問題なく釣れます。日中のほうがSephia LIMITEDメタルスッテの“真の軽さ”や“究極の操作性”の部分が、画像や映像をとおしてお見せしやすいので、かえって良かったかもしれませんね」


– 富所さんが手にするロッドは、今秋リリースされたばかりのSephia メタルスッテロッドの最高峰モデルだ。
「“真の軽さ”と“究極の操作性”。あともう一つ、この二つの特性に付随する優れた感度。これらの性能を大幅に向上させるために先進のテクノロジーの数々が注ぎ込まれ、バランス良く仕上げられた、リミテッドの名にふさわしいロッドです」

Sephia LIMITEDメタルスッテ

現場で感動すら覚える軽さ、操作性、感度が体感できる

– Sephia LIMITEDメタルスッテの“真の軽さ”、“究極の操作性”というのは?
「自重そのものや、ショップで手にした瞬間の軽さはもちろんですが、現場でスッテを海に入れて操作したときの軽さ。軽い力でジャークやシェイクが意のままにコントーロールでき、ステイでアタリを待つときも軽いのに安定感のあるバランスの良さ。現場で釣りをして操作感が軽い。持ち軽い、振り軽いと感じるのが“真の軽さ”です。さらにアングラーの意図をきっちりスッテに伝えることができる操作性。僕の感覚では、ミリ単位の繊細な操作ができるくらい極められています。そして、今までは感じることすらできなかった違和感を、イカの接近やアタリとして認識できる感度。感動すら覚える軽さ、操作性、感度です。これらは現場に出てはじめて体感できます。細部に関しては、実際に釣りをしながら紹介しましょう」

革新的なグリップ周りが今までにない軽さ、操作性、感度を感じさせる

– 実釣で最初に入ったエリアは水深70m前後。メタルスッテゲームでは深場だ。
「日中のメタルスッテゲームはボトム狙いが基本。探っても底から上5mまで。誘い方はナイトゲームと一緒です。水深があって重めのスッテを使いたいので、ロッドはB65MH-S。Sephia LIMITEDメタルスッテで一番パワーのあるモデルです」


– スッテはコロコロスッテ20号。ドロッパーにフワフワスッテⅡ Mラトルモデルをセレクト。
「スッテは水深に対して軽めですが、ナチュラルに落としたほうが喰いが良い。リグの操作感が得やすいロッドが有利になります。B65MH-Sなら水深70mでもキュキュキュッと切れの良いシェイクで誘えます。深場でも的確に操作できるのは、Xシートフロントトリガーと専用形状のカーボンモノコックグリップが大きく寄与していますね」


– Sephia LIMITEDメタルスッテの外見上、一番目を引く進化点がトリガーの位置だ。
「トリガーがリールシートの前側に設けられています。ロッドの操作方法や手の大きさによって、人差し指や中指をかけてグリップできる。操作性が上がり、疲労を軽減します」

実釣時のメインリグ
アシストリーダー

「水深70m前後をメインに狙うので、スッテは20号を軸に潮の流れによって号数を調整。誘った後に水平姿勢気味のよりスローなフォールで見せたいときはノリノリスッテⅡを使います」

ドロッパー

001 アカミドリ

ドロッパー

007 Fキンアジ

スッテ

207 赤黄

スッテ

004 アカミドブルーG

Xシートフロントトリガー
操作性と快適性を高めるエポックメーキングなトリガー

「メタルスッテゲームは、タイラバ などの巻く釣りとは違い、ロッドを繊細に、ときにはジャークで力強くと様々な操作をします。このとき通常のトリガーは指の間に挟みます。解剖学的にみても指の両脇は神経が走り、鍛えられない部分なので長時間釣りをすると痛みや痺れが出ます。Xシートフロントトリガーは、日頃から良く使う人差し指や中指の腹をかけるので、指の違和感を気にせずに長時間、釣りに集中できます。小指側のグラマラスなグリップ形状は実釣テスト中に肉を盛ったり、削ったりして心地良いグリップ感を求めました。僕は細かくシェイクするときは人差し指をかけ、ロッドを立てるようにジャークしたり、イカをかけてやりとりするときは中指をかけます。実際は状況に応じて無意識に握り方を変えています。それくらい自然に、心地良くグリップできます」

カーボンモノコックグリップ
専用設計の多面体形状で釣り逃していたイカが獲れる

「軽さ、操作性、感度の部分で重要な働きをします。中空硬質のカーボン一体成型で、成型技術の進歩により可能となった、縦扁平の多面体形状を採用しています。上から見ると薄いので脇に挟んだときのフィット感が良く、ロッドが安定してファイトや回収時のリーリングが非常に楽です。シェイクするときはフラットな側面をヒジに添えて、繊細なタッチで操作できます。そして感度。アタリはティップの変化でとるのが基本ですが、実釣中、隣の人が釣ったり、探見丸を見たり、ティップから目線をそらすことは多い。よそ見した瞬間にイカがフッと触っても、アタリがリアグリップまで響き渡って反射的にアワせることができます。つまり、今までは釣り逃していたイカが獲れます」

「細くて曲がるけどパワフル」なブランクスの特性を総重量1kg超の獲物で証明

– 実釣ではボトム付近を探り、順調に釣果を伸ばす。2杯がけも珍しくない状況だ。
「感度が良いと2杯目がのったのがわかります。また、2杯きましたね。んっ!? これは両方サイズが良さそうです」


– Sephia LIMITEDメタルスッテの中で一番パワーのあるB65MH-Sだが、ファイト中はきれいな弧を描く。
「Sephia LIMITEDメタルスッテのブランクスは、細くてもパワーがあって、曲がるけどタメが利く。ファイトが非常に楽です」

– 水面付近に姿を見せたのは、2杯で1kgを軽く超える良型ケンサキイカだ。
「このサイズのダブルなら余裕で抜き上げることができます」


– 圧巻のパワーで難なくランディングに成功。
「一番しなやかなB65ML-Sでも胴長40cmオーバーのケンサキやスルメを抜き上げるパワーを備えています。Sephia LIMITEDメタルスッテは、操作性や感度など繊細な部分だけがブラッシュアップされているわけじゃないんです」

スパイラルXコア+高弾性・高強度素材
高弾性できれいに曲がるブランクスが新たなステージに導く

– ブランクスはスパイラルXコアに高強度素材のトレカ® T1100Gと高弾性・高強度素材のM40Xをプラス。
「ブランクスの特長を一言で表せば、軽くて細くて曲がるのに強い。初めてテストサンプルを見たときは、あまりの細さに、折れないか? と心配しましたが、細くて持ち軽いからこそタクトを振るようにスッテを意のままにコントロールしやすい。高弾性ならでは高感度で水中の情報量が増え、ティップには出にくいイカの触腕パンチをカンッと金属的なアタリとしてとらえることができます。そして、イカをかけて曲がってほしいときは曲がる。曲がっても復元力があるから、身切れを防いで寄せることができます。通常、高弾性のブランクスできれいに曲がるロッドを作るのは非常に難しい。それをこの細さで曲がってトルクフルなロッドに仕上げられているのは、ひとえにシマノの技術の進歩が成し得たというほかにありません。新設計のブランクスが、メタルスッテゲームを新たなステージに引き上げます」

アタリをとってかける・・・メタルスッテの醍醐味が増幅

– 富所さんは水深や潮の状況に応じて、スッテやドロッパーを交換。潮が緩くなるとノリノリスッテⅡ15号をB65M-Sで操作。
「B65M-Sは、繊細さとパワーをバランス良く兼ね備えたモデルで、幅広い状況に対応しやすい。オールラウンドな一本、というならこれですね」


– 潮の流れが速くなると、リグ自体を変更。
「オモリグです。オモリの代わりにコロコロスッテ20号を使う変則的なリグです。今日はメタルスッテにも反応が良いので」

– エギはオモリグ対応のスイスイドロッパー2.5号を使用。
「ロッドはB65ML-Sを使います。一番軟らかいタイプです。オモリグは、エギをカンカンッと切れ良く動かすというよりナチュラルに吹き流したいので、ティップからベリーが少しもたれるくらいのほうが良い。B65ML-SのソリッドティップはM、MHより長めで、リグを潮になじませやすい。でも、単に軟らかくてダルいロッドとはまったく違います」


– それを証明するかのように、水深47mのボトム付近でかわいいケンサキイカがバイト。
「このサイズのイカのアタリもとれます。舞い落ちる木の葉がそっとラインに触れるかのようなアタリがティップに出て、手元にも伝わる。ソリッドティップの進化も釣果アップにつながっています」

変則的オモリグ
アシストリーダー

「オモリグはオモリで強制的にエギを沈めて、長めのリーダーに付けたエギをナチュラルに潮に馴染ませて誘うことができます。この日はメタルスッテにもイカの反応が良かったので、オモリの代わりにコロコロスッテを装着。スッと落ちるコロコロスッテの沈下を止めると、後からフワッとエギがフォールしてイカを誘います」

スッテ

207 赤黄

エギ

202 赤緑

エギ

007 Fキンアジ

タフテック∞
最高峰のカーボンソリッドティップが目感度と手感度を高める

「メタルスッテゲームは、ティップの変化を見る目感度でアタリをとるのが基本です。そのためメタルスッテロッドは、しなやかなソリッドティップを採用しますが、Sephia LIMITEDメタルスッテは、現時点でシマノ史上最高峰のカーボンソリッドティップのタフテック∞を搭載。しなやかで高感度なソリッドティップで、仮にアタリを見逃しても高弾性のブランクスを介して手感度として伝達してくれます。強さも魅力で、巻き込み強度は一般的なソリッドの3倍あり、誤って巻き込みすぎたり、同船者との仕掛けがらみで、不意にティップが強く引き込まれても破損を防ぎます。また、ティップ部のガイドは一体構造フレームのXガイドで、糸ガラミしにくく、糸抜けもスムーズ。ゴールドのI.P.処理で高級感があり、実は現場で見やすく目感度を高めてくれます。ソリッドティップは着脱式でコンパクトになり、携行時や家での保管が便利。ティップをぶつけたり、挟んだりといった破損のトラブルも軽減します」

実釣中はイカとの対話を楽しみ実釣後は愉悦に浸る

– 現場で自重以上に軽快な操作感を感じさせる真の軽さ。ミリ単位のロッドワークを可能にする究極の操作性。そして水中の情報量を増やし、今まではとらえることができなかった信号をアタリとして表現する感度。Sephia LIMITEDメタルスッテの優れた特性は、実釣で釣果として現れた。
「今回の実釣も状況に応じて誘い方やリグを使い分け、多くのイカと対話することができました。Sephia LIMITEDメタルスッテの軽さ、操作性、感度は、アングラーのスキルアップをサポートします。それにより状況対応力の幅が広がり、ゲーム性が高まる。これがイカと対話するということで、メタルスッテゲームがより楽しくなります。さらに釣りを終えて家に帰る道中で、あれ? 今日は疲れていないとか、手がどこも痛くないぞという、今まで使っていたロッドとの違いを感じてほしいですね。Sephia LIMITEDメタルスッテの“真の軽さ”と“究極の操作性”は、釣り終えてからも実感できます。改めて、良いロッドだなぁと愉悦に浸れるはずです」

タックルデータ

ロッド:Sephia LIMITEDメタルスッテB65ML-S、B65M-S、B65MH-S
リール:バルケッタFカスタム150DH
ライン:Sephia 8+ 0.4号 200m
リーダー:Sephia マスターフロロリーダー 3号

プロフィール

富所 潤 (とみどころ じゅん)

[インストラクター]

アオリイカをはじめ、その他のツツイカ系を含めたライトタックルゲームに没頭。アングラーが楽しい・面白いと思えるような釣り情報を発信し続けている。整形外科医の顔を持つため"イカ先生"と呼ばれる。

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※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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この記事で使用している製品

ロッド

セフィア リミテッド メタルスッテ

リール

バルケッタ Fカスタム

ルアー

セフィア フワフワスッテⅡ

ルアー

セフィア ノリノリスッテⅡ

ルアー

セフィア コロコロスッテ

ルアー

セフィア クリンチ 2.5号/3.0号 フラッシュブースト

ルアー

セフィア スイスイドロッパ―

仕掛け

セフイア アシストリーダー

ライン

セフィア フロロリーダー 30m

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