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2020/04/30

コラム

茨城県鹿島のライトヤリイカ

春から初夏にかけて、南房~茨城の沿岸でヤリイカが盛期を迎える。その中にあって水温の低い茨城県海域は浅い場所で、年によってはGW以降も釣れ続く。今年もライトヤリイカの面白い季節がやってきた。
※記事は2020年3月の取材を元にしたものです。

鹿島港出船

「これは全部付いたかな?ああ、1つ外れたかも!」
小雨交じりの鹿島沖。片手で竿を持ち、上体で波をかわしながら巻上げる。
全長1.45mの「ベイゲームX マルイカ 73 145」が絞り込まれつつも元でしっかり耐える。波で船が持ち上がり、竿と腕ではこれ以上引きをかわせない……というところで、手の中で「フォースマスター300DH」のドラグが作動する。
海底から70m、重量感を楽しんだ後は、常磐らしい濃い色の潮の中からヤリイカを抜き上げていく。
1つ、2つ、3つ……。
「5本ヅノ仕掛けで4杯!やっぱり1つバレていましたね~」
ヤリイカはどれも胴長30cm以上、マルイカ竿で釣り上げると、その重量感たるやハンパではない。
茨城県のヤリイカ釣りの基本スタイルはオモリ100~120号だが、多くの船宿で「ライト」および「メタルスッテゲーム」の同船が可能。とくに日中のライトヤリイカ発祥の地・鹿島港はライトに柔軟な船宿が多い。
そもそも、茨城県のヤリイカ釣りは春先の一時、ヒラメ船でイワシにイカが乗ってくるのを皮切りに、ヒラメ竿にイカ仕掛けを付けて浅場で狙う程度の限定的なものだった。それが東日本大震災翌年のヤリイカ豊漁を機に、冬~初夏の釣り物として定着した。
つまり、まだ歴史は浅い。そして2012年のヤリイカフィーバーのとき、従来のヤリイカ釣りのスタイルと同時に、ライトヤリイカやメタルスッテ、オモリグなどを試す釣り人が訪れた。
このとき、茨城のライトヤリイカに可能性を見出し、鹿島港に通い情報を発信したのが富所潤さんだった。
そして、まだ奇異の目で見られることも多かった各種のライトヤリイカ釣法を積極的に受け入れてくれた船長の1人が、不動丸の加瀬秀和船長だ。

狙い通りの多点掛け

「水深70m以内ですから、オモリ50~60号でも十分に可能ですが、今日はあえて80号を使っています」
その理由は、波による上下動の中、仕掛けを落ち着かせるため。
ヤリイカの反応はほとんど底周辺で、上へ誘っても追ってこない。それならと底からオモリを1mも離さず竿を上下させて誘ってみると、アタリは出るものの乗りが悪い。
オモリを着底させて船の動きを確認すると、潮は緩い……。
波で仕掛けが動き過ぎて、ヤリイカが乗り切れないのではないか?
そう考えた富所さんは、仕掛けを落ち着かせることにした。
ヤリイカのアタリや触りを感じたら、仕掛けをスッと底に下ろし、ゼロテンションから負荷を抜き、一呼吸置いてゆっくりラインを張りながら聞き上げていく。すると……。
「乗りました!お、また乗った!」
これが、正解だった。
「ライトの落とし穴でもあるのですが、波や風で仕掛けが落ち着かないときは、オモリを重くすることが解決策になったりします」
そしてもうひとつの落とし穴がオモリとツノ数の関係。
ヤリイカのサイズが大きいため、軽いオモリでツノ数が多い仕掛けを使うと、多点掛け時に潮の抵抗でフケ上がりオマツリの原因となってしまう。
オモリ60号なら4本ヅノ、それ以下なら3本と、ツノ数を減らすことでトラブルを防ぐのがエチケットだ。
「その点、オモリ80号であれば5本ヅノでイカが全部乗ってもそれほど流されません。ライトタックルでありながら多点掛けの重量感、バラさないかとヒヤヒヤ感も味わえます。もちろんミチイトはPE0.8~1号(タナトル8)など、細さと強さのバランスを考慮しておくのが条件です」
ライトながらノーマル同様の重量感を味わえる。これも、茨城のヤリイカならではだ。
「もし海が穏やかなら、もうワンセットのタックル、「リアランサーX マルイカ 82 SS160」と「バルケッタFカスタム 150DH」で、オモリ30~50号の、よりライトな仕様でアタリを見て、1杯、2杯ずつ楽しむのもありですよね」
いわば目でアタリを、手で掛けた感触と引きの楽しさを味わう、より直感的なセットだ。
鹿島のライトヤリイカはタックルの選択肢が広い。つまり、あなたの手元にあるマルイカ竿やライトゲームロッドと、PE1号を200m以上巻いたリールがあれば、明日にでもパラソル級のヤリイカ釣りを楽しめるのだ。

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マルイカ用ショートロッドがパラソル級ヤリイカの引きを受け止める。これは面白い!

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どんな形でもいいので、まずはイカ釣りを楽しんで!これが富所さんのモットー。

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数を重ねると次第に桶からヤリが突き出してくる。

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投入器は船に常備。1流しで何回も投入できるときは数ものびる。

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ツノ色はほとんど関係なく乗ってくる。4月中旬以降はメタルスッテもおすすめ。

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胴長40cm級も珍しくないのが春以降のヤリイカ。

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パラソル級の重量感を存分に楽しむ。28杯で釣りも食も大満足。

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リールスプラッシュガードでポイント移動時の潮と振動からリールを守る。

FISHING TACKLE

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ナギのよい日、オモリ30~50号でマルイカ釣りのようにアタリを取って楽しむなら、ゼロテン釣法に対応した「リアランサーX マルイカ 82 SS160」と、カウンター、フォールレバー搭載の最軽量リール「バルケッタFカスタム 150DH」の組み合わせが富所さんのおすすめ。 「ベイゲームX マルイカ 73 145」はオモリ10~80号対応、汎用性の高いショートモデル。PE0.8号から対応している超小型電動リール「フォースマスター 300DH」との組み合わせは、オモリ80号、5本ヅノ仕掛けでの「ライト系多点掛け」にもおすすめ。

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できるだけイカに水を当てずに効率よく冷やし最良の状態で持ち帰ることができる「冷えキントレー」は一度使ったらイカの色と鮮度のよさに感動して手放せないアイテム。22リットルクーラーに対応するSSSから60リットルクーラー対応のLLまで6サイズ。

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活きイカパックは鹿島発祥。
※状況によりサービスを行っていない場合があります。

ROD
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ベイゲームX マルイカ 73 145

全長      1.45m
継数      2本
仕舞寸法    102.8cm
自重      73g
オモリ負荷    10~80号

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リアランサーX マルイカ 82 SS160

全長      1.60m
継数      3本
仕舞寸法    86.0cm
自重      66g
オモリ負荷    10~60号

REEL
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フォースマスター300DH

ギア比           5.1
最大ドラグ力         5.0kg
自重              410g
糸巻量PE[タナトル8]      0.8号400m
             1号 300m
             1.5号 200m
             2号 150m
ハンドル長          51mm

シマノ電動リールをさらに詳しく紹介する
「Get the Dream」はこちら

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バルケッタFカスタム 150DH

ギア比           6.9
最大ドラグ力         5.5kg
自重              225g
糸巻量PE[タナトル8]      0.8号400m
             1号 330m
             1.5号 200m
ハンドル長          55mm

ミチイト

タナトル 8[TANATORU 8]

冷えキントレー

AC-C81R/AC-C82R

探見丸

CV-FISH

【取材協力】茨城県鹿島港・不動丸

プロフィール

富所 潤 (とみどころ じゅん)

[インストラクター]

アオリイカをはじめ、その他のツツイカ系を含めたライトタックルゲームに没頭。アングラーが楽しい・面白いと思えるような釣り情報を発信し続けている。整形外科医の顔を持つため"イカ先生"と呼ばれる。

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※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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この記事で使用している製品

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リール

バルケッタ Fカスタム

ライン

タナトル 8

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クーラー

冷えキントレー

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