2023/02/24
コラム
タックルインプレッション~セフィアBB×湯川マサタカ×上五島~
エギング専用タックルのスタンダードモデル、セフィアBB。膨大なデータと経験から生み出されたシマノテクノロジーによる実直な性能は、価格帯の枠を超え、多くのエギング愛好家のテクニックをサポートしている。今回は、そんな実力派スピニングタックルをエギングのエキスパート、湯川マサタカが五島列島の上五島エリアで実釣インプレッションする。
初めてのフィールドでの最適タックル
ターゲットは夏イカ。決して容易ではない夏イカを釣るために湯川さんが考慮した要素はふたつ。ひとつはポイント、アマモがありそうな砂地の大きなワンド、あるいは川の水が影響する河口付近。そしてもうひとつは風、天気予報を加味して風の影響が少ない実釣場所を選んでいく。
初日は午後からのスタート。マップで探し出した条件が揃うワンドにエントリーし、産卵のアフターに強いセフィアクリンチフラッシュブーストラトルの3号(ケイムラブルー)をチョイス。ラン&ガンに適した取り回しの良い長さとパワー、エギの適合範囲が広いセフィアBB S76MLとセフィアBBC3000Sのコンビで操作する。
ラン&ガンスタイルにマッチするレングスとパワー
ラン&ガンとはまさに走って撃つスタイル。見切りのタイミングもエギのアピール力を信じていい意味でざっくりと狙うのみで、ムダ撃ちはしない。水深のあるブレイクにエントリーすると、セフィアクリンチフラッシュブーストの3.5号(パープルケイムラ)をチョイス。風がそれほど強くなかったこともあり、76MLを続けて使用。ラン&ガンでのネックとなるタックルの携帯性を高い汎用性がカバーする。
「結局やっぱりその引きを楽しみたいし、エギも一番幅広くセレクトできるんで、MLっていうのはエギングのドストライクな柔らかさになるんでしょうね」。
ドラグ設定の強弱にも対応するロッド
張り出した駆け上がりの壁際から出てきた良型が今釣行の1杯目。潮が動く上げ出したタイミングを最大限に活かすためにスポットには執着せず、76ML1本を携えて同じブレイク内での細かい移動を繰り返す。76MLは3.5号のエギでジャストのシャクリ、3号ではティップを使った細かいアクションといった操作が可能だが、実はリールのドラグの強弱への対応も考えられている
「がっつり(ドラグを)締めている状態とかでも割としっかり(エギが)ついてくるし、逆にゆるいドラグで抜いててもめちゃくちゃしゃくりやすい。強めのドラグが好きな人も弱めのドラグが好きな人も両方とも使いやすいロッドちゃうかなと思うけどね」。
ラン&ガンのメリットをサポートして連続キャッチ
3杯目は同じ駆け上がりではあるものの、ブレイク周辺ではなく沖のボトム。潮の上げ出したタイミングが活性に大きく影響しているという。その後は日没を待たずに追加で4杯と、まさに連発劇となったが、ラン&ガンスタイルで釣るためのキーのひとつは、イカが口を使う瞬間にどれだけ良い場所に入っているかどうか。潮の動くタイミングは光量や風、マズメのさらに上を行く重要な要素で、それを逃さないためにも、思い立った時に動ける機動力、選んだエギを瞬時に投げ込める対応力、イカを魅了するエギの操縦力がある適切なタックルを使えるかどうかにかかっている。
「やり込んでる人でも初心者でも楽しめるロッド、最高やね」。
エギング初心者にもおすすめの基軸レングス
実釣2日目。潮止まりの前後のタイミングとなる朝イチは、潮通しの良い岬がらみのワンドにエントリー。初めてのフィールドということもあり、労力に対して思ったようなエリアではないこともあるが、それもまたラン&ガンの奥深さだ。湯川さんがそんな朝の相棒に選んだのはセフィアBB S86ML。足場の高さや水深、ブレイクまでの距離があいまいな状況でも対応できるオールラウンドな長さのロッドで、そこにセットするのは、『ドストライク』と湯川さんが評するセフィアBB C3000SDH。
「ノーマルギアのダブルハンドルと86レングスっていう、エギングをとにかく一発目にやるならこれが使いやすいでしょう」。
1本目にして使い込んでみて、自分のよく行くフィールドや釣り方にあったロッドを絞り込んでいく、スタイルを構築する基軸となる1本だ。
エギのローテーションをワンタックル成立させるオールマイティさ
夏イカの定番でもある潮通しの良いエリア、その代表でもある橋の下に移動。細かい移動を繰り返し、ワンドに到着。まずは、セフィアクリンチフラッシュブースト(ブラウンエビ)。潮が速く横風もあることから、3号ではなく着底も分かりやすい3.5号でサーチし、岩と岩の間を探るために、ゆっくり沈むセフィアクリンチエクスカウンターラトルシャロー3.5号、視認性を考慮したモテモテピンクにチェンジ。午後になり昨日と同じタイミングで釣れた駆け上がりのポイントに移動。潮がやや高かったこともあり、深場を攻められるセフィアクリンチディープフラッシュブースト3.5号(ブルーエビK)を投入。適材適所でエギをローテーションしていく。
初心者から上級者まで納得のシリーズ
同じような時間帯、天候、潮でも釣果は異なるのが、釣りの厳しさでもあり面白さでもある。沖ではなく足元の壁際をシャクリ上げると、誘われたイカがエギを抱くのが見えたので冷静にアワせて捕獲に成功。今日の1杯は貴重で価値ある1杯となった。
「今回のこのセフィアBB、ロッドは16番手出てるんですけど、初心者に限らず中級者から上級者までいろんな釣りで楽しめるレングス、柔らかさ、硬さが揃ってます。入り口で使うのもいいけど、追加で遊べるロッドが欲しいなって人にも選べるので、ぜひとも触ってみてほしいなと思います」。
バラエティに富んだラインナップのロッドと前モデルから大幅に軽量化された高い基本性能のリールによるマッチング、セフィアBBシリーズは、湯川さんのようなエキスパートが初めての場所で戦略的に釣ることはもちろん、誰もがエギングを目いっぱい楽しむのに最適なタックルだ。
関連記事
RELATED COLUMN