2026/02/02
コラム
BOAT EGING FUN Vol.2 初冬のティップエギングゲーム in 伊勢志摩(三重県)
4人のフレッシュなアングラーが、ボートエギングの魅力を伝えるために始動した新企画「ボートエギングファン」。第2回は、三重県志摩沖でティップエギングにトライする。季節は初冬。キロオーバーのアオリイカが期待できる海で、ボートエギングファンのメンバーはどんな釣りを魅せるのか? 船上はティップエギングの楽しさと奥深さがあふれる結果となった。
キロアップを目指して! 4人のメンバーがティップエギングの魅力をお届け
左から加藤さん、清水さん、角井さん、谷田さん。
ボートエギングファンのメンバーは、リーダー格の角井良隆(かどい・よしたか)さんに、加藤貢嗣(かとう・こうじ)さん、谷田圭(たにた・けい)さん、清水彩香(しみず・あやか)さんの4名。プロフィールは本記事巻末を参照いただくとして、いずれもメタルスッテやティップエギングに明るく、新しい釣り方や初めてのフィールドに対する探究心も旺盛なアングラーだ。
この4人のメンバーが今回集結したのが三重県志摩エリア。志摩の海はティップエギングのメッカで、志摩沖で操業する遊漁船ほっぺ毛丸に乗り込み、ティップエギングの魅力をお届けする。
ほっぺ毛丸船長の澤篤史さんによると、秋イカシーズンは、釣果は日むらがあるが釣れれば型は良いとのこと。
角井「キロアップを狙ってティップエギングを楽しみましょう」
加藤「志摩沖のティップエギングは何度か来ていて慣れたところではあるけど事前情報を聞くとドキドキしますね」
谷田「志摩のティップエギングは初めて。普段、山形でやっているんで、志摩に来れただけでもワクワクです」
清水「ティップエギングは日本海でやってますけど志摩で通用するか心配なことばかり。とにかく1杯釣ることを目標に頑張ります」
角井「僕は由緒ある釣り場で、先輩方にも色々教わっているので誰よりも釣ってやろうかなというくらいの気持ちで頑張ります」
それぞれ目標や意気込みは異なるが、4人がどんな釣り方をするのかにも注目だ。出れば良型という船長の言葉に心躍らせ夜明け前に出船。日の出とともに実釣が開始された。
谷田さんは山形の漁師として、清水さんは福井の遊漁船の中乗りとして活躍。伊勢志摩沖での実釣は新鮮な体験だ。
狙う水深は25~50mが中心。潮の流れも速くエギにシンカーをプラスして実釣に臨む
ティップエギングは風や潮まかせで移動するドテラ流しの船から底に沈めたエギをシャクってイカにアピール。シャクリ後のステイでイカに抱かせる間を与える釣りだ。
角井「ティップエギングは底をとるのが大前提になります。エギ単体で底がとれない水深や潮の流れが速いときはシンカーをプラスします」
使用エギはアントラージュ3.0号やアントラージュシーグル3.5号などのアントラージュシリーズ。
船長から「例年、冬が近づくと水深40、50mの深場でキロアップが出る。2kgオーバーのドリームサイズを狙うために重めのシンカーも持ってきてください」とアドバイスをもらい、シンカーは10~50gを用意して実釣に臨んだ。
使用エギはアントラージュ3.0号(上)とアントラージュシーグル3.5号(下)などのアントラージュシリーズ各種。
シンカーは50gまで用意。水深や風の強さ、流れの速さなど状況に応じてウェイトを使い分ける。
エギを手返し良く船下に落とし直すのが基本。だが船中ファーストヒットは…
角井「ティップエギングのコツはエギをマメに回収して、船下に落とし直すこと。船は流されてどんどん新しいポイントに入っていく。手返し良く落とし直せば、フレッシュなイカにいち早くエギを見せられます」
そのために着底がわかりやすいウェイトのエギが必要なわけだ。
角井「シンカーを付けても潮が速いときや風が強いときは着底がわかりにくいことがある。そういうときはフォール中にラインが“し”の字を描くように出すとわかりやすいです。しの字の先(エギ側)が止まったら着底。糸フケを巻きとってシャクってステイ。アタリを待ちます」
この待つときにロッドティップがエギの抵抗でもたれる。イカがエギを触るとティップがポンッと戻ったり、タンッと弾かれるなどサオ先の変化でアタリをとるからティップエギング。もちろん高活性時はドンッと持っていかれるような心臓に悪いアタリが出ることもある。
清水「潮が速くて底がわかりにくいときはリールの前でラインに軽く触れながら落とすと底どりがしやすいです」
ステイ中はエギの抵抗でティップが一定にもたれ、ティップの変化でアタリをとる。
清水「あっ…キタキタ!」
実釣開始からおよそ2時間、ポイントを変えながら探り、待望の船中ファーストヒットは清水さん。釣れたのはキロクラスの良型だ。
清水「とにかくうれしい(笑)。違和感みたいなアタリがあって、底をとり直して4、5回シャクって長めのステイ中にサオ先がグッと入りました」
角井「だいぶ向こうからやってきたね」
釣れた状況を共有して、各メンバーが改めて戦略を練りなおす。船から離れたところで抱いたことに、注目したのはリーダーの角井さん。果たして、清水さんの結果を踏まえて、どのような展開を見せてくれるのか…?
ヒットエギはアントラージュ3.0号にシンカー30g。清水「カラーは私が信頼しているフルパープルです」
シンカーローテーションや水深50mのディープ攻略! 多彩なテクニックで初冬の志摩沖を攻める
アオリイカを探して船はポイント移動を繰り返し、水深50mのエリアに入る。
谷田「ティップエギングで50mは私、初めての水深。深いからドキドキする。清水さんを見ていると丁寧にボトムを誘っている。すごく勉強になりますね」
新たな挑戦や同船者と情報を共有しながら切磋琢磨するのもボートエギングファンのメンバーに課せられた使命だ。
実釣は厳しい状況ながらもポツポツとアタリがあり、清水さんは2杯目となるアオリイカをキャッチ。ヒットエギはアントラージュ3.0号オレンジBグロー。シンカー30gだ。そして、その清水さんに続いたのが加藤さんだ。
船のミヨシ側に立つ角井・加藤コンビが沈黙する中、清水さんが2杯目のアオリイカをキャッチ!
加藤「喰った! よかった。30、40gと1投ごとにウェイトを上げて50gで来たー」
状況変化に応じてシンカーのウェイトをあげる戦略が当たった。
加藤「潮が速いし、水深がどんどん深くなるので、50gに変えたら1投できました。テンションがスパッと抜ける良いアタリでした。イカの反応がないときはエギやシンカーのローテーションはやっぱり大事ですね。底がとれないと釣りにならないですからね」
ヒットエギはアントラージュ3.0号のフルパープル。シンカーローテーションで仕留めた大満足の1杯だ。
加藤さんはイカスミがウェアに付くとホースで水をかけてもらい洗浄。
加藤「要は海用のカッパですけど、釣り用デザインで動きやすくて機能的。汚れに強く、スミがついても簡単に洗い流せるので、冬場のティップエギングにも最適です」
着用ウェアはULイージーケアジャケット05とULイージーケアビブ05。カラーはネイビー。
ULイージーケアジャケットはイカスミも簡単に洗い流せるため、加藤さんは愛用している。
谷田さんも加藤さんのヒットにならいシンカーを50gにチェンジ。
谷田「あ、きた! どうしよう、今まで釣ったアオリイカの中で一番引いてる気がします」
ロッドがきれいに曲がり、良型であるのは間違いない。水面に浮かせたアオリイカは間違いなくキロアップだ。
谷田さんの愛竿、セフィアSSティップエギング F-S511M-Sが大きくしなる。
谷田「初めてです、こんなに大きいアオリイカを釣ったの。シャクリすぎてボトムから離れないようにていねいに探っていたら釣れました」
シャクリ回数は3、4回。釣れている清水さんの釣りを参考にしたということだ。
谷田「水中を想像しながらエギを操作するのがすごく楽しいですね。釣果が厳しいからこそ長い時間エギを水中に留めたり、ロングステイを試したり。釣れるまでの過程が楽しいです」
谷田さん、自己記録更新の1250gをキャッチ!
谷田さんが釣った後も絶好調の清水さんは釣果を重ね、加藤さんと谷田さんもイカを追加し、実釣1日目を終える。
出れば良型。メンバーたちは初冬の志摩のティップエギングを楽しんだ。
ちょっとの違いで釣果に差が出るティップエギングの奥深さ
角井「自分だけイカ迷子ですね、ティップエギング、コワいわ(笑)。うわ、アタってる! 乗らねぇ~」
アタリはあるのに釣果に結びつかない角井さん。ティップエギングの経験はメンバーの中で随一のはずだが…ちょっとしたことで釣果に差が出るのもティップエギングの面白さでもある。さて角井さんは釣果を出すためにどうアジャストしていくのか?
角井「ここまでのみんなの釣りをみると、結構遠くで抱かせている。シャクる回数は3、4回でエギを底から上げすぎない。同じことをやってるつもりでも何かが違うんでしょね」
ティップエギング経験はメンバーでも随一だが、この日はリズムを合わせるのに苦戦した角井さん。
少しの違いが釣果に大きな差となってあらわれる。改めてティップエギングは奥が深い。角井さんが頭を悩ます間にも清水さんが釣り、加藤さんはキロアップを仕留める。
清水さんは潮が緩くなったタイミングでアントラージュ シーグル3.5号S2を使い、35gのエギ単体で仕留めた。カラーはオレンジBグロー。加藤さんはアントラージュ シーグル フラッシュブースト3.5号S2に10gのシンカーを足してキロアップをキャッチ。カラーはFパープル。
良型のアオリイカをキャッチした清水さんと加藤さん。
謎が解けた瞬間、角井さんのロッドが大きく曲がる! 釣るまでの過程がティップエギングの醍醐味
角井「水深20~30mと浅めで流れも緩くなったので、アントラージュ3.0号にシンカーは15g。ロッドは今まで使ってたものより長めでやわらかいセフィア エクスチューン ティップエギングS68ML-Sに替えました」
ロッドの変更に角井さんの狙いがあった。
角井「今回、清水さんはめちゃくちゃ釣ってる。加藤さんがやっているようなやさしいシャクリがキーポイントなのかなと…ん? キタ、キタッ!」
1投目。着底から3回やさしくシャクってステイを入れると明確なアタリ。アワせるとアオリイカの重量感がロッドにのった。
角井さんのセフィア エクスチューン ティップエギングS68ML-Sが大きく曲がる。
角井「良いアタリ。ドキッとした。お待たせしました。皆様のおかげです、アドバイスをいただきながら。デカい、デカい!」
釣り上げたのはキロアップクラスのきれいなオスだ。
角井「本気でガブーッとエギを噛んでますね。着底後、ソフトにやさしく3回シャクって、多分底から1、2mくらいしか上がってないと思うけど、ステイしたら3秒後くらいにティップが跳ね上がりました」
やさしいシャクリで回数は少なく、ボトムを意識。仲間との情報共有と戦略に合わせたタックルセレクトが功を奏した快心の1杯だ。
ヒットエギはアントラージュ3.0号+シンカー15g。カラーはフルパープル。
メンバーが一丸となってキャッチしたとも言える1杯に、全員が歓喜した。
そのときの状況に応じてイカが素直にエギを抱く誘い方を導き出す。その過程を楽しむのもティップエギングの大きな魅力といえるだろう。
釣れるパターンをいち早くつかめば、今回の清水さんのように釣果が伸ばせる。状況によっては清水さんと角井さんの立場が逆転することも十分にある。
ティップエギングは楽しく、奥が深い。角井さんの1杯で、今回の実釣は幕を引いた。
角井「いやー、自分自身はまさかの試練で、本当に釣れてよかった。皆さんの釣り方をみて素直に取り入れたら1杯にたどりつけました」
加藤「今回、めちゃくちゃテクニカルでしたね。でも、みんなで情報共有して苦労してパターンを見つけられたかなという印象です」
谷田「人生初の三重県で人生初のキロアップ。思い出に残る釣行になりました。宿題もいっぱいあるので、山形に持ち帰って修行、がんばります」
清水「本当に楽しかったです。みなさんの釣りを見させていただき勉強になりました。まだまだ腕を磨かなきゃと改めて思いましたね」
角井「ナイスチームワークだったよね。この意気で次もがんばりましょう」
奇しくもリーダーの苦戦がティップエギングの楽しさや奥深さを引き立てる釣行となった。
メンバーが出演する動画『シマノTV BOAT EGING FUN Vol.2 ティップエギングゲーム in 三重県伊勢志摩』には、本記事には書ききれないほどのテクニックや釣り方のコツ、想定外のゲストなどが映し出されているので、ぜひ視聴を。
そしてボートエギングファンメンバーの今後の活躍にも期待してほしい。
全員が1kgクラスを釣り、今回のティップエギングは大成功といえるだろう。
メンバー使用タックル
●角井 良隆
「僕はショートレングスのサオが好きなのでXRのS511M-S/Fがメイン。エクスチューンのS68ML-Sはやわらかめで、今回、このロッドのおかげで命拾いしました」
ロッド:セフィアSSティップエギング F-S511M-S
リール:ツインパワーXD 4000PG
ライン:セフィア8+ 0.5号
リーダー:フロロカーボン2.5号
ロッド:セフィアエクスチューンティップエギング S68ML-S
リール:ヴァンキッシュC3000SDH
ライン:セフィア8+ 0.4号
リーダー:フロロカーボン2.5号
●加藤 貢嗣
「ロッドのSS R-S68ML-S にPEライン0.4号を使うのはエギのコントロール性を優先。SS F-S511M-Sはレスポンスを優先でリールも4000番のPGを合わせると深場で40g以上のエギがより扱いやすくなります」
ロッド:セフィアSSティップエギング F-S511M-S
リール:ツインパワーXD 4000PG
ライン:セフィア8+ 0.5号
リーダー:フロロカーボン2.5号
ロッド:セフィアSSティップエギング R-S68ML-S
リール:ヴァンキッシュC3000SDH
ライン:セフィア8+ 0.4号
リーダー:フロロカーボン2.5号
●谷田 圭
「私は先調子のロッドが好きなのでいつも使っているのはF-S511M-Sです。サオ先にアタリが出やすいので。キロオーバーを釣ったのもこのロッドです」
ロッド:セフィアSSティップエギング F-S511M-S
リール:セフィアSS C3000SDH
ライン:ハードブル8+ 0.5号
リーダー:セフィアフロロリーダー2.5号
ロッド:セフィアSSティップエギング R-S68M-S
リール:セフィアSS C3000S
ライン:セフィア8+ 0.5号
リーダー:セフィアフロロリーダー2.5号
●清水 彩香
「普段から使っているタックルです。扱い慣れているので朝の大事な時間はこれでスタート。結局使い続けました。エギのカラーも信頼しているパープル系をメインに使いました」
ロッド:セフィアSSティップエギング F-S68M-S
リール:セフィアSS C3000SDHHG
ライン:ハードブル8+ 0.6号
リーダー:セフィアフロロリーダー2.5号
メンバープロフィール
角井 良隆(かどい よしたか)
大阪湾を拠点に活動するインショアボート「シーマジカル」のキャプテンを務める。サワラのキャスティングゲームにおいて、「釣らせる船長」として多くのアングラーから信頼されている。自身も熱心なアングラーで、メタルスッテやテンヤタチウオなど多彩な釣りに精通している。シマノフィールドテスター。
加藤 貢嗣(かとう こうじ)
大江川、五三川、琵琶湖など中部エリアをホームフィールドとし、バスフィッシングをはじめ様々な釣りに精通。卓越したテクニックで大型のターゲットを釣り上げる能力が高い。メタルスッテやティップエギングなど、ボートエギングも得意としているアングラー。シマノモニターとして活躍する。
谷田 圭(たにた けい)
初めて釣ったハゼに心を奪われ、釣りに一気にのめり込む。釣り経験は10年ほどだが、その熱量は凄まじく、ほぼ毎日のように海に出て竿を振る。現在は山形県で漁師として独立、自身の船を操り漁を行う一方で、ジギングやメタルスッテなど、多彩な釣りを行う。シマノ サポートアングラー。
清水 彩香(しみず あやか)
両親の影響で幼少期から釣りの魅力にハマり、現在は福井県の遊漁船「神海丸」の中乗りとして活躍中。メタルスッテやティップエギング、鯛ラバ、サワラキャスティングなど、ソルトルアーゲームに傾倒。釣りの幅広い知識を持ち合わせている。シマノ サポートアングラー。
●撮影協力
三重県志摩沖釣り船 ほっぺ毛丸
https://hoppeke.com
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