2020/12/02
コラム
見て感じて楽しむ沖釣りライフ 能登のティップエギング
ティップエギングを初めて体験すると、竿先にアタリが出ることに驚く。それは「見えなかったものが見えた」驚き。それは今なお、進化し続けている。
遡れば、それまで船のアオリイカ釣りは中オモリを介して餌木をシャクり、突然、乗りの衝撃が伝わるものだった。陸からのエギングも、アタリを取るのはマニアックなテクニックだった。そのアタリが、だれでも分かる。
ティップエギングは、船のアオリイカ釣りに革命をもたらした。
静止させたティップ=竿先が震えたり、戻ったりすると、思わず声が出る。その視覚的な刺激は、合わせた瞬間に体感へ変わる。反射的にロッドを跳ね上げると、ズン、と軟体動物独特の重みが手から腕へ伝わり、引きが増幅しながら背中へと響いてくる。何回経験しても、この瞬間は楽しい。
釣り方はシンプルだ。
(1)餌木で底ダチを取る
(2)しっかりシャクってアピール
(3)ピタリと止めて乗りを待つ
(4)アタリに即、合わせる
動作を見れば、ほとんどの釣り人は一度で理解できる。
今年の関東地方はアオリイカが好調、始めるのに最高の年だ。同じくティップエギングの聖地・石川県能登の海も模様がよく、別格といえる釣れ具合を見せている。
能登のティップエギングの魅力は数だけでなく、釣れない理由は常に自分にあると信じられるほど、アオリイカがよく反応してくれること。
取材日はイカ先生・富所潤さんをはじめ4人の釣り人が穴水港のN-styleにてティップエギングを楽しんだのだが、シグナルが非常に多く、釣れない人が自分の「何か」を改善すると、すぐに答えが帰ってきた。
ティップエギングは上達がよく分かるスポーツだ
たとえるならゴルフのスイングのように、ティップエギングはひとつ改善すると伸び、ひとつミスをすると戻る。まさにスポーツ。それが、能登の素晴らしい景色の中、アオリイカの反応によって実感できる。
道具を使うスポーツは、上達とともに理想の道具を追求する楽しみが増えていく。ティップエギングはシンプルな釣りだが、技術やタックルの差が出る釣りでもある。
餌木は素早く沈み、引き抵抗が少なく直進安定性に優れ、シャクリに対しては機敏に動かなくてはならないし、ラインは細く強く潮馴染みのよいものが大前提。そして巻きが滑らかでライントラブルを軽減するスピニングリールが必要とされ、ロッドはティップの感度とパワーを両立させた専用モデルが欠かせない。
能登の海を出発点に、これらひとつひとつを考案し、試し、磨き続けてきた富所潤さんが使うタックルは、すべてにそのノウハウが反映されている。実は、富所さんのティップエギングで最近変わってきたことがある。それは一連の動作で、風切り音が小さくなっていることだ。
これはニューロッド、セフィア リミテッドティップエギング(当日はS610L-Sを使用)のブランクス、各パーツの空気抵抗が少なく、動きの精度が高く、以前より小さな入力で餌木を十分に動かせているためだろう。そして富所さんは、その軽さとバランスとともに、感度に驚いている。
「これまで見えなかったアタリが見えたのがセフィアエクスチューンティップエギングでした。その先はないのでは?と思っていたのですが、セフィアリミテッドティップエギングがその先の世界を見せてくれました」
それは視覚とともに、手にも様ざまなシグナルが伝わってくる感度だと言う。
水中はどこまで感じられるようになるのか。ティップエギングの楽しみ、それはやはり、あらゆる意味で「新たなものが見えること」にある。
ヴァンキッシュ3000SDH
セフィア8+、セフィア マスターフロロリーダー
セフィア リミテッド ティップエギング
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