2025/03/28
コラム

~夕マズメのゴールデンタイム~ 【日置淳】
釣行日 2025年3月6日(木)
場所 和歌山県和歌山市 紀ノ川河口
天候 曇り
釣果 キチヌ
- 使用ロッド: サーフチェイサー25-405T
- 使用ロッド: サーフチェイサー27-405T
- 使用リール: サーフリーダー SD35標準
- 使用リール: フリーゲンSD35標準
- ライン: タナトル8 1.5号
- 力糸: スピンパワー テーパーちから糸EX4 PE1.5-7号
- オモリ: L型固定式天秤 27号
- ハリス: フロロカーボン3.5号1ヒロ(約1.6m)
- ハリ: 細軸のチヌ鈎5号
- エサ: ボケ(二ホンスナモグリ)
みなさんこんにちは。インストラクターの日置淳です。
3月に入って暖かい日が多くなり、ようやく春到来か?と思いきや、戻り寒波で寒い日が数日続き、まさに三寒四温ですね。とはいうものの、確実に春の到来は間近で、各地の海の様子も賑やかになってきています。
数日間、雨が続いていましたが、ようやく晴れ間が広がる予報の先日、午後から時間が出来たので、和歌山県の紀ノ川河口へキチヌを狙いに行って来ました。
水温が1年で最も低い2~3月においても、河口のキチヌは元気で、寒い時期でも強い引きで我々キャスターを楽しませてくれます。
私自身、紀ノ川河口でキチヌを狙う際は、「デイゲーム」と決めており、水面に姿を現した綺麗な魚体が強い引きを見せる様子を目視出来るのが大きな理由です。
私の過去の実績では、干底(干潮の潮止まり)から潮が上にかかる時間帯で多くの実績を残しています。
この日の干潮の時間は午後5時過ぎ。辺りが薄暗くなるのが午後6時頃。という事は、1時間の間に釣果が見られるか?というのがこの日のテーマです。
午後4時頃に釣り場付近に到着。まだ潮が下げている時間帯なので車内で待機します。
対岸には、その昔、豊臣秀吉が築城した和歌山城が望め、天守閣が鮮明に望める事から、何だか気が引き締まる思いになります。

干潮の時刻に近づいた午後5時前、釣り場となる河川敷に到着し、早速準備に取りかかります。
この日使用するロッドは、今年発表された「サーフチェイサー」の25-405Tと27-405T。
「サーフチェイサー」には、スクリューシートが採用されており、かなりの大物が掛かっても、リールがガタつく事無く、本当に快適な釣りが展開出来るモデルです。

25-405Tには、今年発表された「サーフリーダーSD35標準」をセット。

27-405Tには、昨年から置き竿釣りにてお気に入りの「フリーゲンSD35標準」をセットします。
エサには、キチヌを始め、マダイ・クロダイ・カレイ等の大型を数多く釣り上げた実績がある「ボケ」(二ホンスナモグリ)を使用します。

この日入手出来たのは体長5~6センチのサイズ。大きめのサイズなので、1匹を鈎に刺します。2~3センチの小型の場合は、2~3匹を鈎に刺す事も多いです。
エサの刺し方ですが、尾の部分を二つ折りにして、そのまま「チョン掛け」します。

これでフルキャストする訳ですが、風の条件さえ良ければ120m以上のポイントまで仕掛けを運べます。「ボケをエサに120m?」と不思議に思われるかも知れませんが、キャスト時の始動をゆっくりと、そこから徐々に加速し、力糸をリリースするタイミングでトップスピードに持っていくようなイメージでキャストすれば、エサ切れはありません。
この日はメインラインにタナトル8の1.5号を使用したのですが、ライン1号、体長3センチ程度の「小ボケ」の使用においては130m以上のポイントまで仕掛けを運べる事もあるのです。
この「ボケ」をエサにしての遠投釣りですが、今から約30年前に、当時所属していた釣りクラブの諸先輩方が確立された釣法で、それ以降、伝授して頂いた私も、各地で様々の大物を釣り上げて来ました。
さて、時刻は干潮の午後5時過ぎを迎え、夕方のゴールデンタイムを迎えました。
まだ潮位はかなり低く、約20センチです。ちょうど干潮の潮止まりのタイミングです。おそらく1投目からアタリがあると確信し、キャストする事にします。

ファーストキャストは、やや斜めの緩い追い風を受け、120m付近に着水。シンカーは27号を使用しているのですが、ロッドのスイートスポットが広いので、非常に投げ易く、エサの「ボケ」を思い通りのポイントに運んでくれます。
気温が低いこの時期には、投げ易い柔らかめのロッドが身体に優しいです。
2本のロッドを正面と、やや左方向に投げ分け、ロッドを三脚に置いてアタリを待ちます。

直後、やや左方向にキャストした「27-405T」の竿先に早速アタリが出ています。少し様子を見ていると、ロッドが大きく引き込まれました。
キャストして数分後の出来事です。
「ビシッ」と小さいストロークでアワセを入れます。直後、「ガンガンガン」と、キチヌ独特の荒々しい引きが伝わって来ます。
約120mの間、右へ左へと走り回り、残り20mになったところで水面に姿を現しました。ゆっくりと玉網ですくいあげたのは、40センチ弱の中型ですが、綺麗な魚体です。

鈎を外していると、もう1本のロッドにもアタリが出ているではありませんか。
釣り上げたキチヌを玉網で優しくリリースし、アタリのあったロッドを見つめていると「25-405T」がいきなり水面に向けて引っ張り込まれました。
基本的に、置き竿での大物釣りの場合、ドラグフリーでアタリを待つのが基本ですが、ときによって「例外」もあります。この日の釣りもまさに「例外」で、ドラグを締めてアタリを待ちました。この事に関しましては、次回のコラムで解説したいと思います。
三脚の上でシーソー状態になったロッドを手に取り、リールのハンドルを回して巻きアワセします。この日はオールPEのラインシステム。ライン自体に伸びが殆ど無いので、大き過ぎるアワセは口切れの原因になるので、厳禁です。
先程同様、荒々しい引きを楽しませてくれますが、「25-405T」の何とも言えない胴の粘りが、鈎掛かりしキチヌを優しくこちらに引き寄せてくれます。
差し出す玉網に収まったのは、先程より少しサイズアップの40センチオーバーの良型。

バタバタと、2匹のキチヌをゲット。やはり干潮の潮止まりからの潮の動き始めの時間帯に回遊があったようです。
その後、当初の予想通りロッドが2本出せない位の入れ掛かり状態になり、辺りが薄暗くなり始めた6時前にストップフィッシングとしました。
今回の釣行では、見事に潮の読みが当たり、まさに夕マズメのゴールデンタイムの短期決戦となりました。

今が春のベストシーズン。今月中にもう一度キチヌの顔を見に行きたいと思っています。

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