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釣った魚をおいしくいただくために ~魚の締め方と持ち帰り方~

釣った魚をおいしく
いただくために 
~魚の締め方と持ち帰り方~

釣った魚を持ち帰って料理するなら、鮮度を保つための締め方や持ち帰り方も覚えておきたい。

活け締め

氷締め

オススメ魚アジ、サバ、イワシ、ママカリ、サヨリなど

 海水で作った氷水(塩氷)の中に魚を投入して締める方法。血抜きをしなくても食味に大きな影響はない小型魚が対象になる。
 塩氷は釣り始める前に準備しておき、よく冷えたなかに魚を入れて瞬間的に締める。1時間ほどして完全に冷えたらビニール袋の中に魚を移し、その袋を塩氷の中に浸ける。もし手間であれば、納竿(のうかん)のときに水だけを捨てる。

オススメ魚アジ、サバ、イワシ、ママカリ、サヨリなど

氷は釣具店やスーパーなどで購入する、もしくは、紙パックやプラスチック容器に水を入れて自宅の冷凍庫で凍らせて作っておく。

オススメ魚アジ、サバ、イワシ、ママカリ、サヨリなど

塩氷は釣り始める前に作っておく。魚全体が浸かるようにたっぷりめにする。海水で作らないと浸透圧の関係で身が水っぽくなってしまう。

オススメ魚アジ、サバ、イワシ、ママカリ、サヨリなど

小型のアジやサバ、イワシなどの数が釣れる魚は、氷締めがおすすめ。鮮度を保って手返しよく釣りができる。塩氷の中に長時間浸けておくと、魚の体内に水が入り込むことがあるので注意したい。

サバ折り

オススメ魚サバ、アジ、ヤズ、ソウダガツオなど

 サバは非常に傷みやすく、「サバの生き腐れ」という言葉もあるほど。釣りたての鮮度を保つには、釣り上げたらすぐに首元をポキッと折って(できればエラと内臓をすべて取り出す)、海水を入れたバッカンなどで血抜きする。そのうえで塩氷につけておく。

オススメ魚サバ、アジ、ヤズ、ソウダガツオなど

体をしっかりつかんで、エラの下に人さし指と中指を入れる。

オススメ魚サバ、アジ、ヤズ、ソウダガツオなど

首をグイッと折り曲げる。後は海水を入れたバッカンなどで血抜きする。

活け締め

オススメ魚30cm以上の魚全般

 刃物を使って魚の脳に傷を入れて急死させる締め方。血液量が多い中型から大型の魚向きで、多魚種に用いることができる。まずは魚のこめかみに刃を突き刺して、一瞬で脳に傷を入れる。魚の動きが止まって口を大きく開ければ、うまく締まった証拠。血抜きはエラの付け根の上部にナイフを突き刺し、背骨の下にある太い血管を断ち切る。シッポの付け根にある血管も断ち切ると、血が抜けやすくなる。

クーラーボックスに入れる前に締めて血抜きをする。
魚が生きているうちに締めることが重要。

オススメ魚30cm以上の魚全般

①目の後方、親指1本くらい離れたところをナイフやピックで突く。
②エラブタ上根本後ろに中骨を切るくらいにナイフで切り込む。
③尾の付け根を切り込み、体を曲げてよく血抜きをする。
④血を海水できれいに洗い流してから氷入りクーラーへ。

オススメ魚30cm以上の魚全般

脳の位置は、魚を横から見たときは、目の上端の後ろと側線のあいだにある。魚を上、または正面から見るとみけんの間が目安になる。

1脳に傷を入れる

1脳に傷を入れる
1脳に傷を入れる

手カギ、ナイフ、包丁など、刃物で脳を刺して絶命させる。

2血管を切る

2血管を切る

エラから刃先を入れて、中骨の下にある太い血管を切る。

2血管を切る

尾に続く血管にも切り込みを入れる。

3血抜きする

3血抜きする

海水をくんだバッカンなどに魚を入れて血を抜く。

3血抜きする

締める前に魚が暴れるならタオルで目を覆うとおとなしくなる。

3血抜きする

血抜きするときは、体を折り曲げると血が出やすくなる。

血抜きをする理由

血抜きの効果は「身の劣化」と「生臭さ」、「うっ血」を防ぐところにある。しっかりと血抜きをした魚の筋肉は真っ白になり、不要な血が抜けているので血合いの色は本来の鮮やかなピンク色に近くなる。熟成後には生臭みも出にくい。血液量の多い赤身魚、白身魚でも30cmを超えるサイズ、熟成した味を楽しみたいときは血抜きをすること。なお赤身魚といっても20cm未満のアジやイワシなど、血液量が少ないものは血抜きする必要はない。

血抜きをする理由
血抜きをする理由

小型魚ながら身に血がまわりやすいカワハギは、締めて血抜きをしておきたい。締めると全身が真っ白になる。

持ち帰り方

 活け締めをした魚の鮮度を保って持ち帰るにはクーラーが必須となる。そのときに注意したいのは「冷やしすぎないこと!」
 活け締めの直後は塩氷で急速に冷やしてもいいが、その魚を塩氷に長時間浸けておくと、締めたときにできた切れ目などから水分が体内に入り込み、身が水っぽくなってしまう。そのうえ、魚を冷やしすぎると硬直が早まるので、死後硬直を遅らせるためにおこなった活け締めの効果が台無しになる。
 というわけで、持ち帰るときは魚に氷や冷たい水がじかに当たらないように気をつける。魚は厚めのビニール袋に入れて密閉し、水と空気を遮断する。ただしある程度は冷やしておく必要があるので氷は入れておく。もし氷を使い切ってしまったら、帰る途中でコンビニなどに寄って補給しておこう。

クーラーをチェック!

クーラーをチェック!

魚だけをビニール袋に入れて新聞紙で軽く包み、その上から氷を入れておく。水と空気をシャットアウトしながら冷やすこと。

クーラーをチェック!

氷水に浸けたまま持ち帰ると、浸透圧の関係で魚のうま味成分が水に溶け出てしまう。これは避けたい。

クーラーをチェック!

自宅までが近いときは、塩氷の水を抜くだけでもOK。

クーラーをチェック!

氷なしで持ち帰るのはダメ。氷が融けてしまったときは、コンビニなどでバラ氷を買い足そう。

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