2024/04/12
コラム
サクラマス最盛期に向けて
こんにちは。モニターの佐藤文紀です。
この原稿を書いている3月。
じきに訪れる4月になると、本州では青森県を除き山陰・北陸・東北のほぼすべてのサクラマス河川では解禁を迎える。
桜が満開となる季節、降海遡上型のサクラマス釣りはいよいよシーズン本番というわけだ。
来たる最盛期の4月にむけて、今回は昨年のシーズンファーストヒットの様子を振り返りながら書き進めていこう。
どの1尾にもかけがえのない思い出がある。
昨年のサクラマス初ヒットは東北、宮城県追波川(新北上川)での出来事だった。
2月1日に2023年度はファーストキャッチ。
ロッドはカーディフNX-S86M、リールはヴァンキッシュ4000MHG、ラインはPE1号にショックリーダーはフロロカーボン5号、ルアーは20gのスプーンでのヒットだった。
その前に、1月20日の解禁日に少しだけルアーを投じてみたのだが、広く見渡せるくらいクリアアップしたほぼ止水状態にも関わらず、私が監修を務めた「Sブルーチャート」カラーのカーディフMLバレット93Fジェットブーストをサクラマスが足元付近まで追ってきたのが偏光グラス超しに見えた。
川でサクラマスを釣るにはある程度、水に濁りと流れがあった方が相手の警戒心を解きやすい。
2023年度の解禁日は川の水の透明度があまりにも澄みすぎていたため、発見したルアーを見切ってしまったのだと思う。
サクラマスを釣るには最低限の濁りは必要で、この濁りの有無によってもサクラマスの場合にはヒット率に差が出る。
釣行1回目からコンタクトがあり、今年はなんだか良さそうだなぁと思っていた矢先の2月1日。
釣行2回目で幸運にもサクラマスをキャッチできたのだった。
レンジは表層より少し下。
時刻は夕方の少し前とあって、夕方にかけてちょうどサクラマスの群れが動いていたのだと思う。
2024年の今年の傾向はどうだろうか。
サクラ満開の季節になることを願って。
3月下旬時点、今年は昨夏の酷暑以来、太平洋側岸は黒潮の影響で海水温が異様に高く、これが支障をきたしてか春先だというのに青物の回遊が見られ、サクラマスの群れが北海道から東北に南下してきづらい状態にはある。
本来であれば太平洋側にも日本海側にも両方降りてくるものであるが、大部分の群れが行き先を変更しているようで、津軽海峡を西側に回り込む群れが今年は多くなっているようで、日本海側に多くの群れが南下している。
そのため昨年は不漁下にあった山陰~東北日本海側河川での釣果が目立ち、北上川を筆頭とする東北太平洋側は昨年と比べいまいちパッとしないままだ。
圧倒的に数が少ない。
サケ(シロザケ)に次いで母川回帰性が強いとされるサクラマスであるが、自身が火傷を負うほど生存適水温として触れることにリスクがある水温15度以上の地域を魚の方で警戒してなのか、魚影がまとまりにくく、釣果も散発的なところで推移している。
このまま今年は小康状態を保つのか、あるいは4月にある程度まとまった群れが一気に入ってくるのかはまだ分からない。
しかし、遡上魚の特性とはそんなところであり、いろいろな面での釣果リスクを加味して
サクラマス釣り全体の雰囲気さえも楽しんでしまおう!というところにも私は魅力を感じている。
そうでなければ、32年間も「釣れない釣り」を並々ならぬ熱い気持ちをもって続けてはこれなかったであろう。
匹数や何センチ、に関わらず、一匹釣れた喜びを噛みしめたい、それをみんなで共有していくことがなにより「幸せなサクラマス」だと信じている。
サクラマスは(釣れたら)
おめでとう!
ありがとう!
が、合言葉だ。
そんなサクラ満開の季節が待ち遠しい。
春、笑顔溢れるサクラ吹雪の季節が間もなく訪れる。
4月も追って、近況2024年のサクラマス話を楽しく語ってみたい。
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