2023/11/24
コラム
【バックナンバー 01】カーディフ「刀雅86 F/S」の開発秘話。
【TROUT MEETING】では過去の記事をバックナンバーとして公開しています。第1回目は【バックナンバー 01】カーディフ「刀雅86 F/S」の開発秘話。の記事をご紹介。
当時のスタッフが懐かしの、刀雅86 F/S開発に奮闘していた様子をご覧ください。
サクラマスに憧れる釣師に信頼して投げ続けて貰えるミノーを造りたかった。
安定したロングキャストを続けられる「飛距離」。そして重たい流れの中でも泳ぎ切れる「遊泳力」。この相反する2つの要素を両立する万能なミノーを目指して開発を進めたのが「刀雅86 F/S」だ。
この両立を可能にしたきっかけが「AR-C重心移動システム」(今ではJETBOOSTに名称変更)の登場だ。さらに「雅刀86 F/S」では、この「AR-C重心移動システム」のスプリングの強さを最適化することにこだわり設計。キャスト時には遠心力を加速Gに変換し、ウエイトをボディ最後方へ移動。飛距離を左右する初速を可能な限り高めることで、ルアーの飛行姿勢と飛距離が安定する。そして重要なのが、着水直前でウェイトが本来の位置に戻っていること。これで即座にアクションを始める事が可能となる。このルアーでは、最適なスプリングの強さを確かめるために、検証に検証を重ねてワンオフで作り出した「強すぎず弱すぎない」スプリングが搭載されている。シビアなサクラマス釣りに置いて、この恩恵は絶大である。ルアーが流れに着水する瞬間には、すでにルアーは「泳ぐ気満々」の臨戦態勢が整っているのだ。そしてこのルアーのテストは、2010年2月より聖地九頭竜川を中心に重ねられていた。
来るサクラマスシーズンの解禁に向けて。
さらに、リップをボディ全体の1/4に設定したQDリップ(Quarter Deep)は、フルディープより浅く、ミディアムディープより深い、絶妙に底を切るレンジを安定して泳ぎ切る。すぐに泳ぎ始める立ち上がりの良さと、掴んだら離さない粘り強い水掴みを重視したフローティング(86mm / 9.6g)と、飛距離を重視しながらもトゥイッチでしっかり踊る泳ぎの幅を持たせたシンキング(86mm / 10.6g)という2つのラインナップが攻め方の引き出しを増やしてくれるはずだ。信頼して投げ続けることが、憧れの一尾を手にする為の近道である事は間違いないだろう。月日は巡り、またあの興奮の時期がやってくる。サクラマスシーズンの解禁に向けて、万全の準備を進めておきたいものだ。
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