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2023/11/10

コラム

佐藤文紀の今シーズンの振り返り。2023年を邂逅する。

佐藤文紀の今シーズンの振り返り。2023年を邂逅する。

皆さん、こんにちは。シマノモニターの佐藤 文紀(さとう ふみのり)です。今年の渓流は、カーディフから渓流ミノーとして新機軸となる「リフレイン50HS」の登場や、私がカラーを監修させていただいた、サクラマスをはじめビッグトラウト向けシャローランナーの「MLバレット93Fジェットブースト」とディープダイバーの「フリューゲル99F DRフラッシュブースト」における、オリジナルカラーの登場が目立った1年でした。今回は、こうして彩りがまた一層と鮮やかさを増したカーディフブランドの様子と、今シーズンの釣行について振り返っていきたいと思います。

早春。

1月20日。東北の岩手県から宮城県にかけて縦貫する大河「北上川」水系のうち、宮城県側での北上川水系二大河川である新北上川(追波川)と旧北上川の降海遡上型サクラマス釣りの解禁日。全国の主要なサクラマス河川の中で最速で解禁を迎える場所です。少しの時間ではあったが肌身に染みわたる冷気のなか久々に解禁日に川辺に立ち「MLバレット93Fジェットブースト」の私が監修したカラーである「Sブルーチャート」をキャストします。この時は表層~上層を手早くチェックしたく探りを入れると、いきなり足元手前までルアー後方に一定の距離を保ってサクラマスが追尾してきました。

こちらがSブルーチャート。私が監修させていただいたカラーのひとつです。

こちらがSブルーチャート。私が監修させていただいたカラーのひとつです。

近年の北上川水系では、温暖化の影響でサクラマスが海から川に入るタイミングが前倒しに的に早まっているように感じます。結果として1月20日の釣果はなしで終わってしまいましたが、その後の2月1日の釣行では狙い通り、今年1尾目をランディングに成功。以後、秋田県、山形県、岩手県、宮城県の東北4県のサクラマス河川を足繁く釣り歩き2月~5月までの4ヵ月間、サクラマスは毎月釣果を得ることができました。中でも印象深いのは、秋田県米代川で4月にロケを行ったサクラマスの実釣です。一刻一刻と同じ流れが2つとない千載一遇のチャンスで、川の流れを見定めて正確なキャストを積み重ねることで、このサクラマスにたどり着けたと思っています。

“心にまで響いてくる魚”と対峙する ――佐藤文紀が長年サクラマスを追う理由とは

初夏。

私はサクラマスシーズンを終えると次はヤマメにシフトチェンジします。通常であれば6月半ばまでサクラマスを追い続け、ヤマメは6月下旬から狙うことが多いのですが、今年の5月は例年より気温が高く水温上昇も例年以上に急激に早まっていたため、5月のGW明けからヤマメ狙いで渓流や本流に足を運ぶようになりました。その様子は公開中の動画も確認いただけます。

【釣り百景】#495 岩手県で渓流ルアーフィッシング初夏の気仙川水系で渓流魚を狙う

そしてその後は、初期こそイワナの姿もあったのですが、水温が上がっていくに連れて源流域をのぞいてはイワナの影はなりを潜め、ヤマメ主体の釣果へと移っていきました。その過程で、ある日ヤマメ狙いで投げていた「リフレイン50HS」に、なんと60cm近いサクラマスが急襲。目の前でルアーにもんどりうって出るのを目視したため、慌てて渓流でのサクラマス狙いへと意識を集中させたのです。こうしてポイントを下流へと釣り下っていく最中に、狙い通りにサクラマスがヒット。ヒットルアーはハリ周りをサクラマス対策で強化した「リフレイン50HS」のSTパールチャートでした。ただし、ロッドとリールはヤマメ狙いのタックルということもあり、60cm前後が前提となるサクラマス相手に対して無理はできない。ここで私は、魚が本気を出す前に流れを横切らせながら岸辺へと誘導し、上手くランディングへと持ち込めました。この時のロッドは、カーディフの「ストリームリミテッドS54UL」。よく曲がり、しなやかさを有しているロッドですので、PEライン0.6号+8ポンドのリーダーというラインシステムでしたが、無事にキャッチすることができました。渓流の初夏のシーズンでは稀にこのようなケースがあるため、ラインを細くし過ぎないように最善の注意を払ったのがよかったと思います。まさに万が一時の心構え、が功を奏した初夏の渓流での出来事でした。

良型サクラマスと渓流釣り用タックルでファイト。ロッドに備えられたパワーが不意な大物を相手に力を貸してくれました。

良型サクラマスと渓流釣り用タックルでファイト。ロッドに備えられたパワーが不意な大物を相手に力を貸してくれました。

晩夏~初秋となる9月。

渓流釣りのシーズンが終盤に差し掛かるラスト1ヵ月は、いわゆる「秋ヤマメ」を狙って里川小渓流を散策しました。この時期の釣行では、雑誌の取材で訪れた里川で25cmを頭に、ほんのり色が出てきたヤマメ達をランディングすることに成功。さらに翌週に訪れた別河川では新子のヤマメがひとしきり釣れたあと、見るからに尺オーバーのそれも35cmを超えるであろう大ヤマメが「リフレイン50HS」のアルミヤマメカラーを急襲してました。この時、ルアーのボディーに口先が当たった感触はあったが残念ながらハリには掛からず。落ち着いて「まだでかいのがいる」と自分に言い聞かせます。そこでこの川を釣り上がっていく最中に、嬉しいことに同じようなチャンスが再来。これをものにすることができて、34.5cmのオスの尺ヤマメをキャッチできました。

今シーズン活躍した「リフレイン50HS」。アタリが小さくなりがちな秋はフックをチューニングすることも多いです。

今シーズン活躍した「リフレイン50HS」。アタリが小さくなりがちな秋はフックをチューニングすることも多いです。

見事な体格とパーマークが美しい尺超えのヤマメ。シーズン終盤で素敵な出会いに恵まれました。

見事な体格とパーマークが美しい尺超えのヤマメ。シーズン終盤で素敵な出会いに恵まれました。

有終の美。

この1尾に大きな幸福を感じたこともあり、今季のトラウトシーズンは幕を閉じることとなりました。春のサクラマスにはじまり、秋のヤマメに終わる。1尾のヤマメに始まる、森と海のストーリーに私はこの上ない神秘性と歓喜を巡らせています。もちろん、渓流シーズン閉幕後もC&Rリリース区間の特別遊漁河川でのレインボートラウトや、10月に解禁を迎える湖のヒメマス釣りといった2ndシーズンの楽しみ方、遊漁規制対象外河川を多く有する北海道など、魅惑のトラウトステージは続きます。まだまだ魅力はたくさんです。これらをいくつかに区切ってお伝えするにあたり、次回は「春のサクラマス」に焦点をあげて書き綴りたいと思います。

シーズンが終わってもトラウトフィッシングの楽しみは他にもまだまだ。次回の記事もぜひお楽しみに。

シーズンが終わってもトラウトフィッシングの楽しみは他にもまだまだ。次回の記事もぜひお楽しみに。

プロフィール

佐藤 文紀(さとう ふみのり)

モニター

プロアングラー。国内外のロックフィッシュゲーム全般およびサーモン・トラウトフィッシングの双方に精通。ロックフィッシュにおいては黎明期からシーン最前線で活躍するパイオニア。世界記録・日本記録も多数保持する。トラウトは渓流・本流・湖・海まで幅広く、なかでもライフワークでもあるサクラマス釣りは歴30年を超える。

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