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2020/02/28

コラム

小太刀について…小沢聡|鮎入れ掛かり!?ブログ

【小太刀誕生秘話】
初代小太刀が初登場したのは今から15、6年程前になります。
今でこそ8メートルクラスの短い竿も多くの人が普通に使用していますが、初代小太刀が発売された当時は8メートルの竿を使う人といえば、いつのものか、分からないほど古い竿をそのまま使っている時代遅れの人か、木の被い茂った上流部や支流を専門に狙う釣り人が使う程度でとても少数でした。
当時の友釣りは長竿ブーム全盛で9.5メートル前後が人気の中心だったのです。


その当時、ボクは神業とも思える引き釣りで桁外れの釣果をあげる古老の職漁師の釣りを研究し学んでいました。
その漁師の竿は流行りとは真逆の短竿でした。しかも古くてもうボロボロの竿です。


「普通はみんなもっと長い竿を使ってるのに、何でそんな短い竿を使うの?」
と聞くと
「竿は自分できちんと操作できんといかん。みんなが使っとるような長い竿は、ワシはよう使いこなせん。ワシの竿は8.1メートルだがこのくらいが丁度いい」
と答えてくれました。
毎日あれだけアユを釣りまくっている凄腕のプロが、9メートルが長すぎて使いこなせないといって8.1メートルを使っているのです。正確で丁寧な操作が友釣りではどれだけ大切なのかと考えさせられました。
それから短竿に興味がわいて、その漁師の竿の調子や硬さを参考にして、色々な竿をハカマを使って短くして試したり、理想的な短竿を探してあれこれ試していました。


ちょうどそんなときシマノのアユ竿担当の岸本さんから「新しいアユ竿を作りたいんやけど、何かこんな竿があったらいいのに、といった案はありますか?」と聞かれました。「強くてしっかりした先調子の短竿が欲しいです」と即答です。
そして例の漁師の話、その竿の調子や特徴を説明しました。現在の素材とシマノの竿作りの技術で短竿を作れば最高の短竿ができると思ったのです。
「面白いですね。やってみましょう」と言ってくれましたが不安もありました。
当時は長竿ブーム。流行とは真逆の短竿はまず売れないだろうと思いました。心配になり相談すると、岸本さんは
「小沢さん、大丈夫ですよ。売れることも大切かもしれませんが、私たちが作りたいのはたくさん釣れる竿なんです」
と答えてくれました。
そこからたっぷり一年かけてテストを繰り返し小太刀が誕生しました。
小太刀のコンセプトは初代から今年の三代目まで一貫して変わらず
「丈夫でパワーがあり、強い胴と繊細な竿先を持った操作性の優れた先調子竿」です。
これは今後も変わることはないでしょう。


【最新テクノロジー満載の小太刀】
アユ竿の進化は1、2年ではあまり分かりませんが、5、6年前となると「ああ、やっぱりアユ竿は少しずつ進化しているんだなぁ」と実感します。
今回の小太刀のモデルチェンジは約7年ぶりです。
その間に進化した竿作りの様々なテクノロジーが一気に詰め込まれています。


扱いやすい小太刀調子は継承しつつ、パワー、感度、剛性、ブレの少なさ、操作性など、基本性能が大きく底上げされています。
オトリを送り込む。
オトリの操作をする。
掛かりアユを取り込む。
そのたびに「使いやすい。いい竿だなぁ…」と感じられるような竿に仕上がっています。

【なぜ先調子にこだわるのか】
短竿の欠点としてよく言われるのは「タメが効かない」ということです。
でも、小太刀は先調子にこだわっています。
これまでに色々な調子の短竿をテストしましたが、短竿の場合、無理にタメを良くしようと胴調子気味にすると、
短竿の一番の魅力であるはずの操作性の高さが薄れてしまいます。
また、胴に乗せるということはタメが良くなる反面、掛かりアユの浮きが遅くなることになります。掛かりアユをタメている最中、水中で左右に走られやすくなるので、短竿を使う場面が多い大石ゴロゴロの渓流相などでは水中糸が石に擦れるトラブルが多くなってしまいます。
小太刀の場合、硬調クラスの強い胴体にしてあるので、竿を伸される前に掛かりアユを早く水面まで浮かして主導権をとることが出来ます。
また、小太刀はアユを抜くときに力を加えたときのレスポンスがいいので、自分のタイミングでイメージ通り掛かりアユを飛ばすことができます。


もうひとつの理由は風に対する強さです。
これまでにいろいろなタイプの竿を使ってきましたが、風に強い竿とはズバリ「短くて硬い竿」です。
細身にして風切りを良くする方法もありますが、細身にすれば胴調子になって竿先が揺れやすくなるので、竿を持つのは楽でも細かい操作は難しくなってしまいます。
そんな理由から、少し硬めで強い胴体を持った短竿の小太刀は少々の風でも抜群に使いやすいのです。


【穂先は3本】
三代目小太刀には穂先が3本付いています。


標準のチューブラー穂先
RSソリッド穂先
パワーチューブラー穂先


近年、短竿は特殊な場所や小河川で使うものではなく、どんな場所でもメインロッドとして使う人がとても多くなりました。
柔らかさとパワーの違う3本の穂先を使い分けることによって、今まで以上に、場所、釣り方、アユのサイズにかかわらずオールシーズンフル回転で快適に使ってもらえると思います。


【最後に】
今回はカタログに載っていないような話を中心に書いてみました。詳しいことはカタログに細かく記載されています。
小太刀に興味がある方や購入をお考えの方の参考になればうれしいです。

プロフィール

小沢 聡(おざわ さとし)

インストラクター

巴川をホームグラウンドとし、引き釣り・インライン釣法を武器に、第17回・第18回シマノジャパンカップ連覇、24回・第28回大会でも全国制覇。ジャパンカップ4勝は過去最高。

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