Seihakou SPECIAL(せいはこう スペシャル) - 製品解説ムービー in ジャパンフィッシングショー 2016
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2021年 鮎入れ掛かりMOVIE スペシャル小太刀S
小沢聡が徹底解説!シマノ2020年 鮎入れ掛かりMOVIE スペシャル小太刀
短竿戦線異常あり!? 環境の変化が求めた新たな短竿像
そもそも小太刀は、その名が示すとおり、上流部や川幅の狭い小河川で威力を発揮する、7.5m、8.0mを軸とした短竿である。
岩がゴツゴツした渓流相のエリアや、9m竿では持て余してしまうような小場所では、狙った筋のヨレや段々瀬などにダイレクトにオトリを送り込める、先調子のピンシャンした竿が使いやすい。そのため歴代の小太刀は、ピンスポットにオトリを留める「点の釣り」、もしくは狭いエリアでオトリをコントロールする「泳がせ釣り」に最適化した先調子を採用し、その流れは現行モデルにも受け継がれている。
しかし、ここ数年、短竿が使用される状況に少しずつ変化が見られようになった。その要因のひとつに天候がある。「ゲリラ豪雨」という言葉が一般化しているように、近年は全国各地で大雨が頻繁に降るようになった。鮎釣りに対する影響も甚大で、豪雨のため本流が長期間釣りにならず、釣行できる場所が非常に限られてしまう状況に、ストレスを抱える釣り人も多かったことだろう。そんな状況下、アクティブな釣り人は、濁りの影響を受けづらい、鮎釣り可能なフィールドを積極的に探して竿を出すようになった。
また、ベテラン層を中心に、大場所ではなく、身近な小河川で鮎釣りを楽しむ釣り人が増え、その際に扱いの楽な短竿を求めるケースも多い。こうなると、短竿が使用される状況は、上流部、渓流相とは限らなくなる。今までなら釣り場として認識されていなかった中〜下流域の支流や、ダムのないような小河川など、比較的フラットなエリアも対象になり、先調子の短竿だけでは対応しづらい面も出てきたのである。
そこで今シーズン、追加モデルとして登場するのが、小太刀Sタイプ。先調子の現行モデルに対して、しなやかな引ける調子を追求した、短竿・小太刀のさらなる提案である。
スムーズでしなやかな曲がり 引ける本調子のSタイプ
Sの意味するものは、「ソフト」「スムーズ」「シルキー」。Hランクは現行のH2.75に対して、H2.6とマイルドになっている。
もちろん、単に柔らかくしたわけではない。現行モデルは立て竿の泳がせを得意とするMIをベースとした先調子だが、Sタイプはバーサトルを先調子にしたような、引ける系統の竿の特徴をミックスした調子に仕上げている。
Sタイプのテストを担当した小澤剛いわく、「一番イメージが近いのは、先が軽いバーサトルかな。しなやかで引ける本調子」
得意とするのは、小河川でも中下流域の開けた釣り場で、大きな石があまりなく、砂利や小石底のサラサラとした流れ。このような場所はピンとした調子の現行モデルではオトリの引き方に神経を遣うが、Sタイプであれば楽に引くことが可能。下から上へ引き上げる「線の釣り」や、オトリを広範囲に動かす「面の釣り」がしやすい調子になっている。
長さは現行モデルと同様、75、75-80、80、80-85の4アイテムをラインナップ。また、標準チューブラー、RSソリッド、パワータイプチューブラーの3つの穂先が付属し、幅広いシチュエーションに対応する。エキサイトトップⅡやハイパワーXティップなど、一線級の装備を採用し、スーパーサブとしてだけでなく、メインを張れる実力も備えている。
王道の先調子とともに、新たなラインナップとして加わった第二の快刀、引ける小太刀。それは短竿のあり方に対する、シマノからのもうひとつの解答だ。
兄・小沢聡が監修する従来型小太刀は、短竿の王道ともいえる硬めの先調子。
対して、弟・小澤剛がテストを続けた新しいもうひとつの小太刀は、しなやかな本調子。
「引ける小太刀」誕生の背景を、小沢兄弟が語り尽くす。
対 談=小沢 聡×小澤 剛
キンキン先調子の従来型 しなやか本調子のSタイプ
小沢 聡(以下、聡):今シーズン、小太刀に追加されるSタイプって、調子や硬さはどんな竿になるんかな?
小澤剛(以下、剛):アニキが担当している、先調子でシャンとした従来からの小太刀とは反対方向で、少ししなやかでオトリを引きやすい調子だね。
聡:硬さ的にはどれくらいなの?
剛:今回のSタイプは、H2.6で少し柔らかめ。従来の小太刀はH2.75で、どちからというと渓流相のピンポイントに打ち込む釣りが得意だけど、これはもっと広めの小石底みたいな川でオトリを引きやすい調子になるようテストした。
聡:現行の小太刀は、ほかの竿でいうとMIに近い操作性重視の、かなり胴の張った先調子だったんだけど、Sタイプはどんな竿に近いのかな?
剛:バーサトルをちょっと軽めにして、しなやかにした感じ。僕の場合、FWのイメージが強いかもしれないけど、これはもう少し曲がり込んで、結構しっかりとタメが利く調子だね。小石底の川にも向くんだけど、もっとオールマイティに使える竿かな。
聡:現行のキンキンの先調子よりも、もっとファジーに、万能ロッド的に使える感じかな。今日、自分も少し使ってみたけど、引いてもオトリが広範囲に、滑らかについてきやすい本調子だよね。
剛:従来の小太刀でも何でもできる。何でもできるけど、一番得意な所は渓流相。まあまあデカいやつを狙って叩いていくような釣り。もちろん、Sタイプの竿だって、そういう釣りはできる。ただ、一番得意なのは日本海側とか和歌山方面とかのフラットな川相の小河川で一番威力を発揮するかな。そんなイメージで捉えてもらえればわかりやすいと思う。
聡:時々、川で会った釣り人から「もうちょっと柔らかめのの小太刀が欲しい」っていう声があったやんね。剛も元々少し柔らかめの竿が好きというのもあって、みんなの要望と剛の好みがマッチした感じになったかもしれんね。
剛:そうやね。もともと小太刀は初期から後期まで、小さい鮎から大きい鮎まで対応できる、短竿なんだけど少しゴツめの、漁師が使うような竿のテイストがあるやん。だけど、もう少し、しなやかな竿があってもいいのかなと。特に和歌山方面とか日本海側の天然遡上の小さい鮎が釣れる、フラットな河川で釣る人からは、もう少し柔らかめの短竿がほしいという声があったし、自分が柔らかい竿が好きなのと、引ける短竿がほしいと思っていたのもあって、それが今回のSタイプで実現した形になったかなと思う。
替穂先が3本付いて幅広いシチュエーションに対応
聡:アイテム数は現行モデルと同じ?
剛:同じだね。ズームは75-80と80-85があって、ノンズームは75と85。穂先も現行モデルと同じで、お得に3本付いてる!(笑)。ノーマルのチューブラーと、RSソリッド、そして少し短くなった硬めのパワータイプチューブラー。パワータイプの穂先を使うと、H2.6がH2.75になって、だいぶパワーが増す。シーズン後半、鮎が大きくなってきたら、このパワー穂先を使ってもらえたらいい。
聡:デカいオトリのときは、穂先硬くしたら操作しやすくなるからな。
剛:RSソリッドは、ソリッド穂先が好きな人とか、鮎が小さい初期に使ってもらえれば。
聡:そうやね。穂先を変えると竿の印象がガラッと大きく変わるから、きちんと使い分けてもらうといろんなシチュエーションで楽しめると思うね。でも、ええなぁ。穂先3本付いてたらお得感あって嬉しいもんな。
剛:そうそう。本当にお得なんだよ(笑)。短竿といっても、1本で相当幅広く使える。
聡:いざとなったらガンガン攻め込んで、瀬の芯も釣れるということやな。
剛:九頭竜川はやってないけど、郡上とか白川とかでもバンバン使ったし、矢作川でも巴川でも使いやすかったよ。
聡:小物専用というイメージでは全然ないね。中型から良型まで普通に対応できるね。
剛:いけるいける。短竿でここまでタメ性能があるのは、なかなかないと思うな。逆に言えば浮きが遅いともいえるんだけど、そのぶん粘りまくるから、小さい魚はバラしにくいし、大きいやつもしっかりタメてくれる。
聡:現行の小太刀は、胴を思いっきり硬くし
て、のされる前に力任せに魚浮かせて早く取り込んじゃおうというイメージの作り方をしたんだけど、これは細糸も保つだろうし、きちっとタメの利く短竿という感じだね。
剛:ただ、大石が多くて良型を持ち上げながら叩いていく釣りは、やっぱり竿が曲がってしまうと、いちいち大きい鮎に遊ばれるので、現行タイプのほうが全然釣りやすい。それぞれ得意分野はあるよね。
聡:これだったらフラットな川相の天然遡上河川に向くなあ。
剛:でしょ。スゲー向きそうじゃない?
聡:オトリのなじみがめちゃくちゃよかった。サッと沈めておいてテンションをかけて、穂先を軽く曲げてやるだけで、オトリが底になじんだまま広範囲にグリグリついてくる感じ。フラットな川ではバツグンやろうな。この竿使って、盛期にデカいやつ掛けてみたいわ。
剛:いいんじゃない。僕の込めた思いをたっぷり味わってみて!(笑)
小沢 聡 SATOSHI OZAWA
小太刀をチューニングした小沢聡は語る。
「実は僕の中ではスペシャル小太刀という竿は調子的に完成されているものですから、今回のチューニングでも大きく変化させたところはありません。小太刀の長所=丈夫であること、パワーがあること、先調子で操作性がよいこと、それを絶対に外さないような作りになっています。ですから2020年モデルも従来機種同様、末永く安心して使っていただけます。
僕が感じる点をあえて付け加えると、シマノのロッドテクノロジーをもってすればもっと軽くできます。小太刀に関しては充分な持ち軽さはあるものの、スペックだけ見れば最新ロッドとしては重量があります。しかし、それは頑丈さ、パワー、調子のバランスを最優先した結果。その重さにも重要な意味があるというわけです。
基本的なチューニングコンセプトはそのままなんですが今回SPIRAL‐X CORE、EXCITE TOPⅡが採用されたことでより力強くなってますし、感度も向上しているのでロッド性能は底上げされています。
また、新たに設定された3本の穂先も興味深い要素。特に先調子の短竿とソリッド穂先は相性抜群。ソリッド未体験者は積極的に使っていただきたいですね。
使い分けについて、まずソリッド穂先はシーズン初期の小型ねらいや渋い状況下。小太刀のボディはH2・75ですが穂先をソリッドに替えるだけで15~16㎝の小型でも違和感なくきれいに操作可能です。
ノーマル穂先は梅雨明け盛期に入って18~20㎝の魚を相手にするとき。とはいえ、ソリッドが好きな人はソリッドを標準穂先にしてオールシーズン、ソリッドという選択肢も正解だと思います。個人的に小太刀のソリッドにスペアという考えはありませんから。
パワー穂先も盛期以降の良型相手に。特に中部地方では渓流相の放流河川、たとえば白川、付知川、吉田川とか、川の規模は大きくないけど盛期から終盤になると25~28㎝が数多く掛かるような川で。短竿がマッチするそんな川にはパワー穂先がバッチリ合うと思います。小太刀のH2・75ボディは胴体が強く、渓流相の大型をねらう際に素早く水面に浮かすことができます。大石が点在する渓流相河川ではタメのよさを求めるよりも早く浮かせる能力を重視したロッドを選んだほうが根ズレなどのトラブルを回避できます。
先調子の短竿なので小中規模河川の渓流相フィールドは得意中の得意ですが、大河川のベタ竿でオモリ使ってオトリを積極的に動かす釣りにも非常にマッチします。矢作川、那珂川、長良川中央みたいなフラットな河川でも問題なし。元々、矢作川の漁師さんが使っていた竿を参考にして小太刀をチューニングしていますから。
ノンズームとアクションズームについては、これは好みで選んでいただければOKです。ノンズームならバットがスッキリして細くなって自重も軽くなり、バットまで滑らかに曲がりがつながるのでシャープなアクションになっていると思います。僕はズームがあったほうが好きで、たとえば矢作川上流部や巴川では80、長良川大和、白鳥などは85で。1本で2本分の長さを手に入れられることは大きなメリットです。
非常に扱いやすいロッドなので季節や釣り場、釣り方を問わず新たなメインロッドとしてガンガン使っていただきたいですね」
※エキサイトトップII:標準穂先
※エキサイトトップ:パワータイプチューブラー穂先
※ハイパワーXティップ:RSを除く
※回転式「超感」トップ:RSは極細
※元上尻栓:ZRのみ
※タフテック∞(インフィニティ):RS穂先
品番
品番 | ||||||||||||||||
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品番 |
全長(m) |
H表示 |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
元径(mm) |
適合オモリ(号) |
適合水中糸(ナイロン・号) |
適合水中糸(メタル・号) |
ズーム(cm) |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
JANコード |
|
品番 |
全長(m) |
H表示 |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
元径(mm) |
適合オモリ(号) |
適合水中糸(ナイロン・号) |
適合水中糸(メタル・号) |
ズーム(cm) |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
JANコード |
|
S75-80ZR | 8.00 (7.90) | H2.6 (H2.75) | 8 | 126.8 | 210 | 1.7 (1.9)〔0.6〕 | 24.3 | 0-1.5 (0-4)〔0-1〕 | 0.1-0.6 | 0.04-0.2 | 50 | 99.9 |
222,000円 |
300539 | 4969363300539 | * |
S80-85ZR | 8.50 (8.40) | H2.6 (H2.75) | 8 | 136.8 | 220 | 1.7 (1.9)〔0.6〕 | 24.3 | 0-1.5 (0-4)〔0-1〕 | 0.1-0.6 | 0.04-0.2 | 50 | 99.9 |
232,000円 |
300546 | 4969363300546 | * |
S75NR | 7.50 (7.40) | H2.6 (H2.75) | 7 | 126.5 | 175 | 1.7 (1.9)〔0.6〕 | 23.1 | 0-1.5 (0-4)〔0-1〕 | 0.1-0.6 | 0.04-0.2 | - | 99.9 |
201,000円 |
300553 | 4969363300553 | * |
S80NR | 8.00 (7.90) | H2.6 (H2.75) | 7 | 136.5 | 185 | 1.7 (1.9)〔0.6〕 | 23.1 | 0-1.5 (0-4)〔0-1〕 | 0.1-0.6 | 0.04-0.2 | - | 99.9 |
211,000円 |
300560 | 4969363300560 | * |
H2.75 75-80ZR | 8.00 (7.90) | H2.75 (H2.9) | 8 | 126.8 | 210 | 1.8 (2.2)〔0.6〕 | 24.3 | 0-3 (0-4)〔0-1〕 | 0.15-0.5 | 005-0.25 | 50 | 99.8 |
227,000円 |
394750 | 4969363394750 | * |
H2.75 80-85ZR | 8.50 (8.40) | H2.75 (H2.9) | 8 | 136.8 | 220 | 1.8 (2.0)〔0.6〕 | 24.3 | 0-3 (0-4)〔0-1〕 | 0.15-0.5 | 005-0.25 | 50 | 99.8 |
237,000円 |
394767 | 4969363394767 | * |
H2.75 75NR | 7.50 (7.40) | H2.75 (H2.9) | 7 | 126.5 | 180 | 1.8 (2.2)〔0.6〕 | 23.1 | 0-3 (0-4)〔0-1〕 | 0.15-0.5 | 005-0.25 | - | 99.8 |
206,000円 |
394774 | 4969363394774 | * |
H2.75 80NR | 8.00 (7.90) | H2.75 (H2.9) | 7 | 136.5 | 190 | 1.8 (2.0)〔0.6〕 | 23.1 | 0-3 (0-4)〔0-1〕 | 0.15-0.5 | 005-0.25 | - | 99.8 |
216,000円 |
394781 | 4969363394781 | * |
※( )内はパワータイプチューブラー穂先、〔 〕内はソリッド穂先の仕様です。
※元径は後端から100mmの外径を表示しています。