2023/08/02
コラム
ベイトサグリ釣りでもっと楽しむ海上釣堀
海上釣堀におけるおもな釣り方は、ウキ釣りとサグリ釣りの2つ。ウキ釣りはピンポイントで魚を待つ釣り方で、サグリ釣りは自分から攻めていくスタイルだ。
サグリ釣りは1回の投入でタナを変えて幅広く探ることができ、ウキではとらえられないような繊細なアタリを取ることも可能だ。穂先に出るわずかなアタリ、掛けアワせた後に手元に伝わる強烈な引きも魅力だ。サグリ釣りは積極的に魚を探していく釣り方で、近年はとくに注目を集めている。
サグリ釣り専用ロッドを携えて海上釣堀へ。
並継・スパイラルガイドを採用したロッド。
サグリ釣り専用ロッドであるシーリア ベイトサグリ。大きな特徴は、並継・スパイラルガイドを採用したこと。これにより、サグリ釣りのおもなトラブルである糸絡みが激減した。優れた操作性を誇るトリガー付きリールシート、目感度に優れてアタリを取りやすいウキウキトップも備えている。
「海上釣堀は初心者からベテランまで、老若男女を問わず安全に楽しめます。そんな海上釣堀でトレンドとなっているベイトサグリ釣りを行うには、専用ロッドがおすすめです。シーリア ベイトサグリは軽量で操作性がよく、パワーも十分ありますから、どんな方でも快適に扱えます。この竿を手にして、釣果アップを目指してもらいたいですね」と北条公哉さん。
ティップ付近での糸絡みを極力防ぐために並継・スパイラルガイドを採用。「かなり細身の竿です。風の影響を受けにくく、穂先の糸絡みを軽減してくれます」と北条さん。
トリガーがあると持ち手が安定して操作性もアップする。魚を掛けた後も持ち手とタックルの一体感が向上し、やり取りがスムーズに行える。
穂先は目感度に優れたウキウキトップを採用。「穂先は繊細で、ウキに出ないアタリも捉えられます。ハリにつけた虫エサやシラサエビの動きがわかるほどで、非常に素晴らしい感度です」と北条さん。
3種類のロッドの中から4mを選択。
北条さんがやってきたのは、三重県南伊勢町の海上釣堀「辨屋」。三重県南部に属するこの一帯は、設置されている釣堀の数も訪れるお客さんの数も多く、日本有数の海上釣堀エリアだ。
手にしているロッドはシーリア ベイトサグリ400。「手前で魚が喰う、中央でアタってくるなど、釣堀や時間帯によって魚が釣れやすい場所はさまざまです。ここは中央寄りがいいと聞いているので竿の長さは4mを選びました」。カウンター付きベイトリールをリールシートに装着し、ガイドにラインを通してサルカン付きオモリに結びつける。もう片方のサルカンに自作のサグリ釣り仕掛けをセットする。これで準備完了。実にシンプルなスタイルだ。
釣り始める前にもうひとつ準備することがある。それはタナ取りだ。タナ取りオモリをハリ先につけてイケスの水深を測ると、4mの竿下で水深約7m、手前(足元)で約6mということがわかった。
エサはさまざまなものを用意した。まずは定番ともいえるイエローの練りエサをセットして仕掛けを投入。「朝イチはタナも当たりエサも分からないので、まずは5mからスタートします。1回投入すると、サシエがなくなるか自分があきらめるまで、探り続けていきます。どこで釣れるかというドキドキ感がおもしろいですね」と北条さん。
まずはマダイを攻略。
リールのカウンターを見ながら、5.5m、6mと北条さんがタナを下げていくと、さっそくアタリがあった。鋭いアワセを入れて竿を高く持ち上げると、竿がきれいなカーブを描く。ここでリールのハンドルをひと巻きして、丁寧にやり取りをおこなう。じわりじわりと竿を立てつつリールを巻いて、間合いを詰める。最後は魚を水面に浮かせて空気を吸わせ、玉網を伸ばして取り込んだ。釣れたのはマダイ。目の上のアイシャドウと背中のコバルトブルーの斑点が美しい。体高も高く、グッドコンディションだ。
この1匹が皮切りとなり、北条さんは次々とマダイを釣り上げていった。釣れたときは同じサシエを再度投入し、アタリがなかったら次々とサシエを変えて当たりエサを見つけ出す。ほぼ同じポイントに仕掛けを投入してサシエをローテーションしていくが、アタリがないときは投入する場所を変えていく。
誘いを入れることも大切で、竿先を縦方向や横方向にチョンチョンと動かして、魚にサシエをアピールする。「エサの種類を変えたりタナを探ったり、投入点を変えたりしていると、あっという間に時間が過ぎていきます。手を変え品を変えてやっていくので、アタリが出たときはうれしいですね」と北条さん。
いいペースでマダイを釣り上げていったあと、北条さんは4mの竿から3mの竿に持ち替えた。「私の地元の海上釣堀では、網際(足元付近)にいる魚が多いから、ヘチ竿で際を狙うのが定番なんですよ」とのこと。一度タナ取りオモリで網際の水深を確認すると、4mほどだった。仕掛けを投入して探っていくと、水深3.5m付近で最初のアタリ。釣れたのはマダイ。エサは甘エビだった。その後もエサをローテーションしていくと、練りエサ、活きエサのウグイ、鶏のササミにヒットした。釣れたのはすべてマダイで、釣堀でのキャリアが長い北条さんでもびっくりしたのは、ウグイでマダイが釣れたことだった。
青物も攻略。
マダイが釣れ続くなか、イケスの中にまぎれこんだ小魚(ベイト)のそばでボイルが起こったり、回収中のサシエを追いかけてきた青物が水面近くに姿を見せたりした。「これは狙ってみるしかないですね」と北条さん。4mの竿にハリス5号の青物用仕掛けをセットして、鼻掛けにした活きアジを投入した。すると、待ってましたとばかりに青物が喰ってきて、今まで釣れていたマダイとは比べものにならないぐらいの強い引きが北条さんを襲う。
シーリア ベイトサグリは大きな弧を描いて魚の引きを受け止める。北条さんは膝を曲げて応戦し、そこからゆっくり膝を伸ばして竿を立てていく。魚の動きに合わせて前後左右に竿を動かし、魚のパワーを削ぎとる。じわりじわりと魚を浮かせて、最後はきれいに玉網に収まった。釣れたのはメジロクラスの立派な魚だった。
青物とのやり取りで特筆すべきは、ロッドのリールシート長。脇挟みができる長さに設定されているため、ファイト時は竿尻を脇に挟み、片手でトリガーとリールの本体を支え、もう片方の手でリールのハンドルを持つと安定する。脇に挟んだ竿尻を腹に当てると、さらなるパワーファイトをこなすことも可能だ。「脇と両手の3点でしっかり支えることでホールド感が向上し、体力の負担も軽減します。初心者の方もこの持ち方ができれば、安心してやり取りできますよ」と北条さん。
狙い通りに青物が釣れたあとは、マダイ狙いにチェンジして釣果を積み重ねていった。やがて納竿時刻となり、迎えにきた渡船に乗り込んで筏を後にした。「海上釣堀のサグリ釣りを快適に、さらなる釣果アップを目指して」というコンセプトで開発されたシーリア ベイトサグリを自由自在に操り、北条さんはこの日の釣行を存分に楽しんだ。
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