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2022/10/05

コラム

汽水域のハゼのチョイ投げ釣り ~河川の下流域で元気なハゼを釣る~

釣り入門にもうってつけの魚として昔から人気のあるハゼ(マハゼ)を、ライトなリール竿でねらうハゼのチョイ投げ釣り。その楽しみ方を、初心者アングラーにもわかりやすく紹介しよう。

ハゼのチョイ投げ釣りとは?

ライトなリール竿(ルアーロッドや万能竿)を使って、ハゼ、シロギス、カレイ、シーバスなどをねらう「チョイ投げ」釣り。なかでも多くの人にとって身近な場所に棲んでいて、シーズンになれば出かけやすいのが「ハゼのチョイ投げ釣り」だ。

ハゼは海に近い河川の最下流域やその周辺の海の砂泥底に棲んでいて、冬から春にふ化した仔魚が徐々に育ち、7月頃から数センチサイズの小型(デキハゼと呼ばれる)が釣れ始める。そのまま季節が進むのに合わせて成長し、晩秋の11月頃までが釣りシーズン。秋は大きいもので15cm前後(最大で20cmほど)まで育ち、釣れると「ブルブルッ」という独特の手応えが味わる。東京や大阪など都市部の川にも多く生息している。

釣って面白く、食べても美味しいハゼ(マハゼ)。一生を1年で終える魚(年魚)で、河口に近い河川の最下流域や内湾にいる

都会にも釣り場が多く、必要な荷物も少ないので電車釣行もしやすい。写真は千葉県市川市の江戸川放水路

釣りの前に潮汐を確認する

ハゼの釣り場は雑誌や書籍の釣り場ガイド、あるいはハゼ釣りコーナーのある釣具店に掲示される釣り場案内などを参照しよう。そのうえで、ハゼ釣りに出かける時は、潮汐の確認をする。

ハゼの棲息場は海水と淡水が入り混じる汽水域で、海の干満の影響を受ける。スマートフォンの無料アプリを利用するのが便利だが、注意したいのは潮が大きく引く日の干潮前後だ。場所によってはそのタイミングだと川に水がほとんどなく、釣りにならない場合がある。ただし、場所によっては水門などの影響で水位が変化しないハゼ釣り場もある。

ハゼは満潮前後の水位が高い時は岸寄りの浅い場所に入っている。そして、干潮に向けて水位が下がると、それに合わせて沖に出る。ハゼが満潮に合わせて岸近くに寄って来るのは、そこにゴカイなどのエサとなる底生生物が多いからだ。そこでハゼ釣りに出かける場合は、釣りやすさの面からも、魚の活性の面からも、まずは満潮前後の潮が満ちるタイミングを外さないようにするとよい。

ハゼ釣り場は潮汐の影響を受ける。スマホのアプリで最寄りの場所を調べ、当日の干満(水位の変化)をチェックしておく

ハゼは潮が満ちていれば手前(岸寄り)にいる。まずはそのタイミングを外さないようにするとよい

潮が引くと岸寄りの地面が露出する。この時も釣りはできるが、あらかじめ砂泥地に入れる準備をしておくとよい

タックルと持ち物

【ロッド、リール、ライン(ブエナビスタコンボ)】

ハゼのチョイ投げ釣りは、56フィートクラスのロッドと小型スピニングリールを組み合わせた幅広いスピニングタックルで楽しめる。ブエナビスタコンボの2モデルならどちらも好適。ラインも付属の5ポンドのナイロンラインがそのまま使える。

ロッド、リール、ラインがオールインワンのブエナビスタコンボは、ハゼのチョイ投げ釣りにもぴったり。「S56L」と「S60ML」のどちらでも楽しめる

ロッドをのばしラインの先端にハゼのチョイ投げ釣り用の仕掛けを結べば、エサを付けるだけですぐに釣りができる

【仕掛け】

典型的な仕掛けはテンビン仕掛け。テンビンはハゼのチョイ投げ釣り用に小型のものが販売されており、下部にナス型オモリ、アーム(腕)の先にハリス付きのハリをセットして使う。テンビンはキャストした仕掛けが絡まないようにするためのもので、ナス型オモリは底が取れる範囲で軽めのもの、ハリは釣れるハゼの大きさに合わせたものを準備する。目安はナス型オモリが2号前後、ハリが袖バリやハゼバリの3号前後だ。

ハゼのチョイ投げ釣り用のテンビン仕掛け。オモリやハリはその日の状況(水深、魚の大きさ)に合ったものを使う

ハリは3号前後の袖バリが使いやすい。ハリの色は赤、金、無色などがあるが、どれでも大丈夫だ

仕掛けはシンプルなものを自作してもよい。写真はテンビンの代わりにスナップと自動ハリス止メを組み合わせたもの

【エサ】

エサはアオイソメを使う。釣具店や釣りエサ店で購入しよう。アオイソメは購入時のままだとパックから脱走するなどして使いにくいので、釣り場ではエサ用のケース(サシエバッカンなど)に移してから使うとよい。

エサはアオイソメが定番。小さくカットして使うので、1パックあれば1日(1~2人)は充分に釣りができる

【小型クーラー、水汲みバケツ】

小型クーラーは中に氷または保冷剤を忘れずに入れておく。飲料水や軽食を入れられるほか、エサのアオイソメは高温下だと弱ってしまうため、特に夏場は釣り場までの移動時、また釣り場でもすぐに使わない分をクーラーに入れて保管する。釣ったハゼを持ち帰る時もクーラーが必要になる。ハゼを持ち帰る場合は、食品保存用袋をあらかじめ用意しておき、ハゼが弱らないうちに袋に入れたら、保冷したクーラーに入れておく。水汲みバケツは釣れたハゼを一時的に泳がせておいたり、手を洗ったりするのに便利だ。

クーラーには氷や保冷剤を忘れずに入れておく。水汲みバケツも1つあると釣り場で何かと役立つ

【ハサミ、手拭きタオル】

ハサミはどんな釣りでも必需品。アオイソメや魚を触ると手が汚れるのでタオルも用意しておく。

ハサミは小振りなものが使いやすい。手拭きタオルは複数枚準備しておくと安心

【クランクベイト、ルアーケース】

ハゼはルアー(クランクベイト)でも釣ることができる。「ハゼクラ」と呼ばれ、ブエナビスタコンボなら仕掛け部分をクランクベイトに付け替えるだけでハゼクラをすることも可能だ。チャンスがあればぜひ挑戦してみよう。

クランクベイトは管理釣り場のトラウト用やハゼクラ専用のものを使う。トラウト用の場合は小型のもの(写真中段のものなど)が使いやすい

【フットウェア、ライフジャケット】

ハゼ釣りは運動靴でも楽しめるが、潮が引いた時に干潟(砂泥地)に少し立ち込めるようにしておくと行動範囲が広がる。おすすめは足をしっかり覆うタイプのサンダルやマリンシューズを履くこと(速乾性の短パン&タイツなどと組み合わせる)。ビーチサンダルのように肌の露出が多く脱げやすいものは牡蠣殻などで怪我をする恐れがあるので避けよう。また、万一の落水に備えてライフジャケットを着用したい。

足をしっかり覆ってくれるタイプのサンダルは機動力が高い。速乾性のウェアと組み合わせるのがおすすめ

釣りの準備(タックルをセットする)

チョイ投げ釣りの準備は簡単だ。ブエナビスタコンボをケースから取り出し、リールがしっかり取り付けられている状態を確認したら、ガイドにラインを通してから先端に仕掛けを取り付ける(詳しい手順は「管理釣り場のトラウトルアーフィッシング」を参照)。その際はまずオモリを付けた状態のテンビンをセットし、ロッドをのばしたら、最後にテンビンのアームにハリをセット。さらにエサを付ければすぐに釣りができる。

ガイドにラインを通したら仕掛け(オモリを付けたテンビン)を結ぶ。結び方はクリンチノットでOK

ハリはパッケージの端にあるものをゆっくり引き抜いて使う。するとハリスが縮れたり絡んだりしない

元のハリスは長いので、最初に6~7cmの長さにハサミでカットする。次にテンビンの自動ハリス止メに端を少し入れて下に引くと固定される

ハリスが固定されたら、余りイトを少し残してカットし、ハリにエサのアオイソメを付ける。アオイソメが暴れないように端をしっかり手で持ったら、ハリの先を貫通させて外に出す(チョン掛け)

アオイソメは短く付けるのがコツ。硬い口にハリを刺したものはハリから外れにくいのでエサが長持ちしやすい。一方、ハゼの食いが渋い時は、柔らかい胴体部分だけを使うとよい。中の体液がなくなったら新しいものを付ける

テンビンにオモリ、ハリ、エサが付いて釣りの準備ができた状態。ハリスの長さはこれくらいが目安だ

キャストと釣り方

ハゼのチョイ投げ釣りは、名前のとおり「ちょっとだけ投げて」釣る。飛距離は10m以内で充分。なぜなら活性の高い食い気のあるハゼは岸近くにいるからだ。むやみに遠投してもかえってアタリが減ることが多い。

キャストした仕掛けが着底したら、あとはリールをゆっくり巻いて手前に仕掛けを引きずってくる。この動きを「さびく」(サビキ)といい、さびいている間は、オモリがズルズルと底を這っている感触を得られることが大切だ。ハゼは川底にいる魚なので、エサが浮き上がってしまうとアタリが出ない。

同時に、ラインはある程度張った状態を保ち、ハゼが食いつけば手に感触が伝わるようにする。そのためには、キャストしたあとはサオ先を上げたり下げたりせず、なるべく一定の位置に保って、ラインが張った状態をなるべく長く保つようにする。

その場にハゼがいて、仕掛けがきちんと届けばアタリはすぐにある。食欲旺盛なハゼはエサを無視することはほとんどない。ハゼのアタリはたとえ型が小さくても「ブルブルッ」と明確。もしアタリが全くない場合には、あまり粘らずにねらう場所を変えよう。

そのうえで、ハゼはアタリがあるのにハリに掛からないということがよく起きる。ハゼはエサを見つけるとすぐに飛び掛かって食いつくが、同時に、食いちぎるようにしてエサから離れる動きもするからだ。つまりアタリがあってもエサの端だけが齧られていて、ハゼの口にまだハリが刺さっていない状態というのが起きやすい。

そこで、なかなか釣れない時は、「エサを小さくしてみる」「ハリを小さくしてみる」「サビキの動作を少し止めて食い込ませてみる」といった工夫をしてみよう。このちょっとした調整をすることで、とたんによく釣れるようになるというのが、ハゼ釣りの面白いところだ。

沖に向けて仕掛けを軽くキャストする。遠投の必要はなく、下から送り出すように投げるアンダーハンドキャストを利用すると、着水も静かで仕掛けが絡むトラブルも起きにくい

キャストしたらオモリが底をズルズルと這う感触を確かめながらゆっくりリールを巻いてくる。エサが底近くにあってハゼが食いつけば、ブルブルッというアタリの感触が手に伝わる

仕掛けのバランスやリールを巻く速さが合えば連続ヒット。ブルブルッという感触は一度味わうと、すぐに次の魚を釣りたくなる。まず1尾を釣るのは決して難しくないので、気軽に挑戦してみよう

ルアー(ハゼクラ)でねらってみる

ハゼはルアーでも釣ることもできる。それがクランクベイトでハゼをねらう通称「ハゼクラ」だ。ブエナビスタコンボなら、チョイ投げ釣りのタックルのまま、先端の仕掛け部分をクランクベイトに交換するだけですぐに挑戦できる。クランクベイトはハゼ専用のものも販売されているが、管理釣り場のトラウトルアーフィッシング用など他の用途のものでもよく、サイズは小さめのものを選ぶ。

ハゼはクランクベイトが川底にぶつかりながら動いていると、仲間がエサを見つけて追いかけていると勘違いするようで、クランクベイトの周辺に集まる習性がある。そしてヒラヒラと動いているクランクベイトのフックに食いつく。

クランクベイトにはフローティングタイプとシンキングタイプの2つがあるが、基本とされるのはフローティングタイプ。リールを巻いて動かすと前方に付いているリップ部分が水の抵抗を受けることでルアーが沈み、巻くのを止めるとボディーの浮力で浮き上がる。障害物に当たった時も根掛かりを回避しやすく、姿勢も安定しやすい。ただし、フローティングタイプだと底まで充分に沈めにくい時には、シンキングタイプのほうが釣れる場合もある。

いずれにしても、ハゼクラでハゼを釣る時は、ルアーが底に触れながら長く動き続ける必要があるので、釣り場の水深が浅い時にやってみよう。さらに水が澄んでいる場所で、追いかけてくるハゼの姿が目に見える条件だと釣りやすい。

ハゼクラはルアー1つですぐに挑戦できるのが魅力。ただし、魚の釣れやすさはエサ釣り(チョイ投げ釣り)のほうが数段上なので、入門者の場合はエサ釣りでハゼがいることをまず確認してからやってみるとよい

ルアー(クランクベイト)が底から浮き上がらないように、キャストしたあとはサオ先を下に向けた状態でリールを巻く

エサ釣りとは違った面白さがあるハゼクラ。ブエナビスタコンボならチョイ投げ釣りと合わせて楽しめる

アタリも多く釣り入門者にもぴったりなハゼ釣りにぜひ挑戦してみよう

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