2020/02/03
コラム
アピール&リアル フラッシングの引力
ルアーが魚を引きつける要素は様々あるが、フラッシングもその一つだ。「シーバスゲームにおいては、とくに日中にフラッシングが威力を発揮します。また EXSENCEシリーズの“新たな光”にも期待したいですね」。辺見さんがフラッシングに着目したショアシーバスゲームの新戦力を紹介する。
DAY GAME 強烈なフラッシングを放つ サルベージブレードAR-Cに21gが誕生!
シルエットを維持して軽量化を実現
「日中はフラッシングが魚を引きつける大きな要素で、その証拠にブレードベイトはデイゲームで良く釣れます。ただブレードベイトは、ショアのシーバスゲームでは重すぎるケースが多い。それを解消したのが、サルベージブレードの追加サイズ、21gです」
– 既存のサルベージブレードAR-Cの最軽量モデルが28gだから7gも軽量化されたことになる。
「ただ軽くなっただけでなく、28gと同じボディサイズというのがミソです」
– サイズは同じ?
「21gはボディに軽い素材を使うことで、28gと同サイズを実現しています。もともとサルベージブレードはコンパクトなので、それ以上小さくする必要はないですからね。逆に28gと同サイズにすることのメリットのほうが多いです」
– 具体的には?
「同じボディサイズなら軽いほうが、フォールスピードが遅く、浅いレンジを通しやすくなります。あと、一般的にブレードベイトはコンパクトで重いから、魚の口にかかったときに、ボディが暴れてハリが外れることがある。同サイズなら水の抵抗は変わらず軽い分、ボディが暴れにくくなる。フックアウトを軽減できます」
ミノーとローテーションできるブレードベイト
ミノーを操るタックルでフルキャストできるウェイトに設定。シルエットは28gと同じだが、素材の軽比重化で沈降速度を抑え、浅いレンジでよりスローにリトリーブができる。ショアシーバスゲームで扱いやすいブレードベイトだ。
軽くなってもAR-C重心移動アイで飛距離65mオーバー
サルベージブレードAR-Cは、キャスト時にスナップがテール側へスライドするAR-C重心移動アイを搭載。飛行時は後方重心で姿勢が安定し、飛距離を伸ばす。サルベージブレードAR-C 21gも平均飛距離65mを達成。
オリジナルと同じフックサイズでバラシを軽減
28gと同じボディサイズだからフックも同サイズの#10で2フックを搭載。軽い分、吸い込まれやすくバイトを確実にとらえ、軽量ボディがフックアウトを軽減する。
艶めかしく輝く狂鱗カラーをラインナップ
サルベージブレードAR-C 21gのトピックの一つが、狂鱗ホログラムの採用だ。全10色中7色のカラー名に“キョウリン”の文字が入る。ブレードのアピール力のあるフラッシングと、狂鱗ホロのリアルな輝きでシーバスを引きつける。
DAY GAME シャローを走るブレードの閃光がシーバスを誘い、喰わせる
ボトムを擦りすぎず根掛かりも軽減
– 28gより浅いレンジが引きやすいサルベージブレードAR-C 21g。辺見さんは、どのような状況で使うのだろうか?
「ボートでも使いますが、軽くなった恩恵を一番受けるのは、ショアのデイゲームですね。今までブレードベイトが扱いにくかったシャローエリアとか」
– シャローエリアで使える?
「例えばウェーディングゲームで、遠投した先の水深が5mもない。ボトムには捨て石が入って、シーバスが付いている。28gだと着水して糸フケをとるのにまごまごしていると、すぐに着底して根掛かり。リトリーブスピードも速くしないと底を擦りすぎる。21gは沈降速度が遅いから着水後の処理が楽で、ボトムを擦りすぎることもないです」
– 日中に使うのが基本になる?
「僕はデイゲームでしか使わないです。ショアから狙うエリアのシーバスは、日中はボトムの物陰に隠れてベイトを襲うことが多い。サルベージブレードの21gはシャローのボトムが探りやすく、ブレードのフラッシングで魚に気づかせ、ベイトフィッシュライクなシルエットで喰わせのルアーとして活躍します」
– サルベージブレードAR-C 21gは、喰わせのルアーなんですか?
「リトリーブ中やテンションフォール中は、ブレードが回転して細長い小魚っぽいシルエットを見せることができますよね。ボディが激しく動くわけでもない。派手なアクションのバイブレーションとローテーションすれば、デイゲームが攻略できます」
有効レンジは水面下10m以浅。ウェーディングゲームにも対応
「サルベージブレード21gで効率良くサーチできるレンジは、水面下10mまで。とくに水深5m前後なら全域で使いやすいと思います」。
– ショアシーバスゲームのフィールドでいうと?
「港湾、河川、サーフなどあらゆるフィールドで使えます。ウェーディングをするシャローエリアや、磯のゴロタ場も根がかりを避けて引きやすいです」
使い方はただ巻きをベースに多彩なアレンジが可能
– サルベージブレード21gの使い方は、ただ巻きが基本だ。
「キャストしたらボトムをとってただ巻き。リトリーブすると浮くので、巻く手を止めてテンションフォールを入れるリトリーブ&フォールも効果的です。障害物の上で急に速巻きをするなど、リトリーブスピードの変化で喰うきっかけを与えることもできます」
ベイトフィッシュライクなシルエットの日中の喰わせルアー
– サルベージブレード21gは、ブレードのフラッシングが目立つが、全体を見れば細長の小魚っぽいシルエットだ。
「サルベージブレードが魚を誘う要素は、フラッシングや波動もありますが、僕はシェイプも喰わせの要素としてあると思います」。
小魚っぽく輝く狂鱗ホログラムも喰わせに一役買っているはずだ。
フォール中とボトムタッチ直後の巻き出しにバイトが集中
「ブレードベイトは、フォール中もブレードが回転してバイトを誘えます。サルベージブレードは、ラインを張ってブレードが回る振動を感じながらテンションフォール。ボトムタッチ直後の巻き出しもバイトが多いです」
バイブレーションと使い分けてデイゲームを攻略
「デイゲームでサルベージブレード21gに反応がなければ、派手なアクション、強い波動でアピールできるバイブレーションを使います。もちろんその逆もあります。どちらも飛距離が出るデイゲームの二枚看板です」
もちろんボートシーバスでも活躍
「サルベージブレードは、ボートシーバスでも良く釣れるルアーです。21gなら水深10mまで。28gよりスローに巻いたり、ストラクチャー際などでテンションフォールのスピードを落としたいときに有効です」
DAY & NIGHT GAME リアル&アピール!フラッシングの新しい切り口を魅せる
狂鱗ホロによるナチュラルな輝きも魅力
– サイレントアサシンシリーズには120Fフラッシュブーストが新登場。これはサイレントアサシン120F AR-Cのボディ内部にスプリングで反射板を吊るすフラッシュブーストを搭載したモデルだ。
「もともとサイレントアサシン120Fは、飛距離が出て水を噛んで良く泳ぐ、非常に実釣性能のバランスのとれたミノーです。流速の速い大規模河川や、流れが複雑な水道で乱れずにしっかり泳いでくれる。全国どこに行っても通用するミノーです」
– それにフラッシュブーストを搭載。その狙いは?
「フラッシングによるアピールの新しい切り口になります。フラッシュブーストは、止めてもキラキラと光って誘い続ける。ストップ&ゴーで止めて浮かせたときに、今までとは違ったアピールができます」
– ミノーなのでナイトゲームで使うことが多いんですか?
「ナイトゲームでも使うし、日中も使います。アサシン120Fは、水面下1mくらいまでレンジが入る。水中が見えるかどうかのデイゲームのフィーディングレンジにも到達します。サルベージブレードでも話したけれど、日中はフラッシングが魚を引きつける大きな要素になりますからね」
– フラッシュブーストがデイライトでキラキラ光る。
「プラス、狂鱗ホログラムをまとっている。リアルさとアピール力のあるフラッシングで、日中も夜も誘って喰わせることができるはずです」
全国各地の様々なシーバスフィールドに対応
「サイレントアサシン120Fフラッシュブーストは、流れの中でも長めのリップがしっかり水を噛んで泳ぐ。足場の高い港湾でも使いやすく、流れが複雑なサラシを狙うヒラスズキでも活躍します。AR-C重心移動システムを搭載し、飛距離が出るのでサーフでも使えます。東京湾の下げ潮の干潟のような“どシャロー”を除けば、全国各地のシーバスフィールドで活躍が期待できます」
フラッシュブースト搭載。巻いても止めても誘い続ける!
「サイレントアサシン120Fフラッシュブーストは、流れの中でも長めのリップがしっかり水を噛んで泳ぐ。足場の高い港湾でも使いやすく、流れが複雑なサラシを狙うヒラスズキでも活躍します。AR-C重心移動システムを搭載し、飛距離が出るのでサーフでも使えます。東京湾の下げ潮の干潟のような“どシャロー”を除けば、全国各地のシーバスフィールドで活躍が期待できます」
サイレントアサシン120F AR-Cにフラッシュブースト機構を搭載。リトリーブではワイドなウォブロールで誘い、止めてもフラッシュブーストの煌めきでアピール。幅広い局面でシーバスを引き出せるオールマイティなミノーだ。
定評のあるミノーが新たなフラッシングを手に入れた
「フラッシュブーストを搭載することで、もともとポテンシャルが高いアサシン120Fが、強烈なフラッシングを手に入れました。デイゲームはもちろん、常夜灯周りなど明かりがらみのナイトゲームでもフラッシュブーストのフラッシングが活用できます」
集魚とバイト誘発を両立する2つの輝き
– フラッシュブーストを内蔵するボディのカラーラインナップは、すべて狂鱗ホログラムを採用。
「アピール系のフラッシングもあるし、誘い系の艶めかしい輝きもある。フラッシングによるアピールの新しい切り口と言えます」
フラッシュブーストの効果を引き出すなら“巻かない”を意識
「サイレントアサシン120Fフラッシュブーストは、巻くだけで釣れます。ただ、フラッシュブーストの効果を活かすなら巻かないことを意識する。ストップ&ゴーで巻いて止める。ジャークしてポーズ。流れがあれば巻かずにドリフト。巻かずに漂わせることで、フラッシュブーストがキラキラと誘い続けます」
潮の透明度が高いときはリアルなフラッシングでアピール
狂鱗カラーの拡充は2020年も止まらない
– リアルなフラッシングの狂鱗カラーが追加された、この2つのルアーにも辺見さんは注目している。
「透明度の高い潮ほど強すぎるフラッシングは魚に警戒心を与えやすい。狂鱗ホログラムはトーンの落ち着いた、それでいて乱反射するナチュラルなフラッシングです。それがアサシン99とスタッガリングスイマーに採用されたのは、戦力アップに直結しますよね」
– その理由は?
「ルアーのフラッシングは、弱い方からペイントのシルバー、アルミホイル貼り、次に狂鱗ホログラムがくる。つまりフラッシングの強弱が、一段階増えます」
– それがどんな局面で戦力に?
「アサシン99はデイもナイトも活躍しますが、狂鱗の追加カラーでカバーできるシチュエーションの幅が広がります。デイゲームの晴れの透明度が高いフィールドでも、強すぎないリアルなフラッシングが効くでしょうね」
– スタッガリングスイマーは?
「シンキングペンシルなのでナイトゲーム。水面直下をスローに巻いたり、ドリフトで使いますが、狂鱗カラーは明かりが絡むフィールドが良いです。例えば、月夜の澄んだ潮の干潟。月明かりで艶めかしく光ってアピールできます」
DAY & NIGHT GAME
1投目に使いたい小型ミノーに狂鱗カラー4色追加
– イワシやイナっ子など、全国各地のシーバスフィールドで見られる小魚にマッチしたサイズ感に、AR-C重心移動システムを搭載。良く飛んで喰わせやすい1投目にチョイスしたくなるミノーに、狂鱗カラーが新たに4色追加された。狂鱗ポログラムの拡充で、より幅広い状況に対応できる。
「僕は河川でグリーン系が好き。キョウリンSBやキョウリンGSに期待ですね」
上からスタッガリングスイマー125S AR-C、同100S AR-C、サイレントアサシン99S AR-C、同99F AR-C、同99SP AR-C。いずれも全国平均的なベイトのサイズ感に、リアルなフラッシングを身に付け喰わせ力アップ。
NIGHT GAME
S字スラローム+狂鱗カラーでより艶めかしく!
– 水面直下をヨロヨロとS字スラロームで泳ぐスタッガリングスイマーに、狂鱗カラー5色が追加。無防備に水面直下を泳ぐ小魚のようなシルエットとアクションに、狂鱗ホログラムのリアルなフラッシングをプラスしてバイトを誘える。
「月夜など明かりが絡むナイトゲームで威力を発揮します」
タックルデータ
LUNAMIS [B86ML]
サルベージブレードにはベイトタックルをチョイス
「ベイトタックルは巻く力が強く、着底やフォール中のアタリがわかりやすい。ブレードベイトと相性が良いです。新しいルナミスは、カーボンモノコックグリップの採用などで、より軽量でシャープかつ高感度に進化しています。ベイトロッドは3機種あり、サルベージブレード21gにはB86MLがマッチします」
EXSENCE DC SS
「エクスセンス DC SSは、ベイト初心者でも扱いやすいデジタルコントロールブレーキのI-DC4エクスセンスチューンを採用。モードが4段階でブレーキ設定が非常にわかりやすく、迷ったら標準モードの2に設定すれば、幅広い状況でトラブルなくキャストできます。ギア比もHGがあり、ナイトゲームのスローな展開にも対応しやすいです」
PITBULL 8+
「ピットブル8+は、タフクロス2によって低伸度化され、感度と操作性がアップ、強度も申し分ない。またヒートシンクコーティングにより、耐熱性と耐摩耗性が向上して、初期強力が長持ちする。ルアーの挙動や流れの変化がわかりやすく、フルキャストも不安なくできる。ショアキャスティングゲームで信頼できるラインに仕上がっています」
プロフィール
辺見 哲也 (へんみ てつや)
[インストラクター]
東京湾をベースに、プラグを戦略の中心としたシーバスゲームを構築するプロフェッショナルアングラー。渓流のトラウトゲームにも精通しており、プラグのアクションや性能を引き出すことに長けている。
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