2016/01/28
コラム
ありそうでなかった“新ジャンルルアー”徹底解説!
あらゆるタイプのルアーが出尽くした感のある、昨今のシーバスシーン。しかし、その中でも、まだ攻めきれていない部分があると、嶋田さんは考える。そして、その1つが「スーパーシャロー」。開発テストでとてつもない釣果を叩き出す、新ルアーの秘密とは…?
水面直下10cmに存在した未開拓ゾーン!
X AR-Cの採用で実現した超シャロー攻略特化型ルアー
COOはフローティングタイプで、ただ巻きで水面直下を引けるサブサーフェスペンシルといえる新タイプのルアーだ。「トウゴロウイワシなど10cm前後のベイトフィッシュにマッチしたサイズで、飛ばすだけならAR–C重心移動システムだけでも良い。でも水面直下をゆっくり引くために浮力がほしい。高浮力の発泡素材AR−Cシェルがなければ実現できなかったルアーです」
COOが釣れる4つの理由(ワケ)
【釣れる理由01】X AR-Cシステム採用
軽量高浮力のAR-CシェルとAR-Cシステムがあったから実現!
AR-Cシステムは、バネの力でウェイトを定位置に速やかに戻す画期的な重心移動で、圧倒的な飛距離と着水直後の素早い立ち上がりを両立。これに軽量で高浮力な発泡素材で成型されたAR-Cシェルを組み合わせることで、重心移動ウェイトの増量が可能となり、COOの独特な泳ぎと優れた遠投性能を実現。
【釣れる理由02】超シャローを引ける!
ベテランの領域を、誰もが簡単に攻められる
水面との間が10数cmしかないアマモ帯の藻面をなめるようにトレースするなど、水面直下の一定層をキープしてゆっくり引くのは高度なテクニック。「COOは巻いても潜らない。ベテランの領域を誰でも攻略できます。ティップの高さの調整で水面の薄皮一枚下を通すこともできます」
【釣れる理由03】水面直下10cmで水平姿勢
リップがないから実現できた限りなく水平に近い姿勢!
「軽いシンキングペンシルの場合、テール下がりでお腹に水を受ければ水面下10cmを引くことが可能。でも、それでは喰わないシーバスが居る」。それを攻略するために開発されたのがCOOで、こだわりの一つが水平姿勢。「特にベイトがサヨリとトウゴロウイワシのときに強いです」
【釣れる理由04】ワイドロールアクション
ただ巻きがベスト!ヘッドが受ける水圧でアクション
「小魚っぽいシルエットの水平姿勢が強いならI字系という選択肢もありますが、それだけではダメ。ロールという誘いが喰う確率を高めます」。そのために設けたのがフラットなヘッド形状。「ここで水を受けることで暴れすぎず、弱すぎないおいしそうな(笑)ロールで泳ぎます」
東京湾の干潟に通い込み、鍛え上げた
– 嶋田さんは何年も前から「水面直下を水平姿勢でゆっくり引けて、適度に泳ぐルアーがあれば」という構想を持っていた。その必要性を強く感じたのが、東京湾に代表される干潟だ。
「水面から藻面まで10cmのアマモ帯にシーバスがいて、水面直下を泳ぐトウゴロウイワシやサヨリを喰ってる。でも、そこを引けるルアーがなかったんです」
– 小型シンキングペンシルなら水面直下10cmを引けそうですが?
「シンペンは、スイム姿勢がテール下がりになるタイプが多い。沈むのでどうしてもリトリーブスピードが速くなってしまう。軽くて飛ばないという問題もあります。シャローランナータイプのミノーをゆっくり引いても、リップが水を噛むので潜りすぎてしまうんですね」
– それでは喰わない?
「水面直下でトウゴロウイワシやサヨリを喰っているシーバスは、すごくルアーを見ています。水面直下を水平姿勢でゆっくり引けて、適度にロールして泳ぐと喰う。主に東京湾の干潟を制するために欠かせないルアーとして作ったのがCOOです」
– もっと早く実現することはできなかったんですか?
「実はこれが難しい。狙った特性を出しつつ、小型で高浮力で良く飛ぶというのが。それを可能にしたのがAR−C重心移動システムとAR–Cシェルを組み合わせたX AR-Cというシマノ独自の技術が為せる業。’15年4月にサンプルが上がって、その年の冬までにCOOで400尾以上の釣果。予想どおりの喰いっぷり。COOだから喰うんです(笑)」
サヨリ&トウゴロウイワシにつくシーバスには、「水面直下+水平姿勢」こそが効くという真実
「完全にエサだと思って喰っています」
「COOを喰うときは、喰って反転してドンッとくることはない。追尾して後ろからフッと吸い込んで、そのまま惰性で前に出る感じです。完全にエサだと思って喰ってる。だからアタリはコツッと小さいですけど、バイトは深いです」
COOで400尾以上釣って見えてきたこと
– COOの活躍の舞台は、水面との距離が近いアマモ帯。ほかには?
「シャローランナーのミノーでも底を擦るような水深30cmもないシャローエリアや、水面付近にベイトフィッシュが居て、シーバスは明らかに上を意識しているのにルアーには反応しない状況ですね」
– ベイトフィッシュは捕食しているのに、ルアーは喰わない?
「極論を言えば、水面でカタクチイワシを喰ってボイルしているときは、何を投げても喰うわけですよね。でも、サヨリパターンのときは、ポロッとは出るけど再現性がないとよく言われる。アマモ帯のトウゴロウイワシのときもそうです」
– ルアーで攻略するのが難しい水面直下のベイトパターンのときこそ、COOの出番ということに?
「はい。東京湾の干潟で周りが釣れていない中、COOで1時間に10尾以上釣ったことが何度もある。特にベイトフィッシュがサヨリのときは、水面直下を水平姿勢でロールしながらゆっくり泳がないと喰わない。これが東京湾の干潟で400尾以上釣って確信した真実です」
– まさに東京湾干潟スペシャル!?
「いや、全国各地のアマモ帯や汽水域のシャローで有効です。東京湾では、冬から早春も楽しみですね」
– というのは?
「バチパターンでCOOが炸裂するのが楽しみで(笑)バチを意識したピンクヘッドブラックというカラーも用意しましたし、このルアーのさらなるポテンシャルに気づくことになりそうです。」
連発させにくいベイトを攻略できる
「なぜボクが春から秋に東京湾でCOOだけで400尾以上釣れたかというと、トウゴロウイワシとサヨリを追いかけて釣っていたから。どちらかが居て、流れが緩くて、アマモがあってルアーがまともに引けない。誰もが難渋していた状況で使えて、しっかり釣れます」
COO使いこなしのコツ
最初に水を掴む一瞬を意識する!
ロッドワーク
COOにはリップがないので引き抵抗は弱い。「使い方はただ巻きが基本ですが、風がある日は、ラインが風に吹かれて引っ張られてしまいます。ロッドティップを下げたほうが風の影響を受けず、安定したアクションでリトリーブできます」
ルアーの泳ぎ出し
「COOは巻きはじめて水を噛むと重みを感じる。その重みを維持しながら巻きます。重みが変化したら巻き速度で調整。アップで使うときは、着水後、流れにのって水を噛みにくいので一度、キュッと水面下に潜らせてから巻きます」
シンキングペンシル、ミノーとの使い分けで、 あらゆる状況に対応!
「カラーは多めに用意。色に飽きさせないことでバイト倍増!」
「ほかのルアーを見切るシーバスがCOOは喰う。つまりCOOもしっかり見られていて、色にスレることがあります。アタリが遠のいてもカラーを替えた途端、コンッと喰うことが多いです」
シンペンとの使い分けは?
シンペン
・さらなる飛距離が必要
・藻面から水面まで距離がある
・速いアクションで誘いたい
「COOが届かないスポットは必然的にトライデント。COO100Fで飛距離50m強に対して115Sは80m。巻き速度は速くなりますが、水面下10cmを引くことも可能です」
フローティングペンシル
・水面直下をデッドスローで攻めたい
・藻面と水面までの隙間が狭い
・100F=トウゴロウイワシ&サヨリ
・70F=トウゴロウイワシ(小)&ハク(ボラ稚魚)
「簡単に言えばシンペンを喰わないときや、引けない状況はCOO。10cm前後のトウゴロウイワシやサヨリのときは100F。4、5cmのトウゴロウの幼魚やハクのときは70Fが強いです」
シャローエリア攻略ローテーション
トップ〜サブサーフェス[0〜20cm]
水面下10cmのサーチと喰わせはこの2つで完遂
COOはシンキングペンシルやミノーが引きにくいレンジや喰わない状況が出番。「水面直下で広範囲をサーチしたり、速くても喰うならトライデントが効率が良いです。あとCOO100Fより70Fのほうが若干レンジが入る。わずかなレンジの違いでも喰う、喰わないの差が出ます」
サブサーフェス[20〜50cm]
水面下20〜50cmはアクションと波動の違いで誘う
水面直下を探っても反応がなければレンジを下げる。「この2つはサイズも潜行レンジも近いですが、アクションが違う。エスクリムシャローはタイトで切れの良いウォブロール。レスポンダーはハイピッチなウォブロールで波動が強い。アクションと波動の違いで反応をみます」
ミドル[50cm〜]
ミノーの基本レンジは実績抜群のパイロットルアーで勝負
水面下50cm以内で反応がなければその下のレンジをカバー。「水面付近のレンジを細かく刻まなければ、アサシンの129Fがパイロットルアー。水面下50〜80cmをトレースできます。全国各地で多くの実績を残しているルアーです」
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