2023/08/01
コラム
湘南のマダコ釣り。~相模湾腰越港出船〜
江ノ島、稲村ケ崎、七里ケ浜に江ノ電など、史跡や映画・音楽の舞台として知られる「湘南」の風景を眼前に釣りをする。相模湾腰越ほどロケーションに恵まれたマダコ釣り場もないだろう。
INDEX
毎年5月に幕を開け8月に終了する腰越のマダコ釣りは港を出て2分足らずで始まる。
水深は10m前後。海底は平たんながら岩礁も多い。富所さんはタコマスターSSのMH170で、まずはオモリ20号で慎重に小づく。
「それほど船が速く流れるわけでもなさそうなので、オモリを軽くして、少し投げていきたいと思います」
富所さんはオモリを10号に、そしてしばらくするとオモリを外して、タコ専用エギ・タコマスターフラッシュブースト3.5号2本だけで釣り始めた。
「仕掛けは軽いほど根掛かりしにくいですし、乗りも明確で面白いんです。この浅さですから、流れたらどんどん入れ替えます」
ちなみに今回乗船した池田丸ではオモリはオマツリしない範囲で調整していい。むしろ池田感知朗船長が呼びかけたいのは根掛かりでエギを海底に残さないこと。つまり太いリーダーで根起こしできるように心がけたい。
タコマスターフラッシュブースト3.5号を2本だけのシンプルな仕掛けをキャストして、バスフィッシングのように小刻みに小づいてくると不意に穂先が押さえ込まれ待望の1杯目が乗る。
予想以上の大きなマダコにタモが間に合わず海面で逃したものの、すぐに再び乗せて1kgほどの良型をタモに収める。そしてその直後にも1kg級。
東京湾好調の影に隠れているものの腰越沖も好調なようで、こまめに流し変えるたびハイペースでマダコが乗ってくる。
とはいえコツもある。海底は平たんながら根掛かりしやすいから、マダコにせよ、根掛かりにせよ、あやしいと思ったら慌てずに小さく穂先をシェイクさせて道糸のテンションを変化させる工夫が必要。根ならここで外れることが多く、マダコならさらに深く抱いて軟質な押さえ込み感が伝わってくる。
「関東で必須といえる根を交わす操作性や、潮が止まったときのキャストはやはり硬めでレスポンスに優れた竿が使いやすいですね。その点でタコマスターSSのMH170は東京湾や三浦半島、相模湾、そして茨城エリアにピッタリだと思います。また、潮切れがよくアピール力の強いタコマスターフラッシュブースト3.5号は自信を持って仕掛けをシンプルにできるので、キャストやカラーローテーションなど、よりゲーム性が高まります」
潮が流れ始めてからはオモリを15、20号と増しつつ数を重ねる富所さんだが、後半はミヨシの富所さんと逆、つまりトモ寄りで乗るようになる。
「乗りのいい席が変わるのは仕方のないところです。前半に良いタコが釣れたので、あとはのんびり過ごしますよ」
湘南に住みながらその風景を海から間近に眺めることが意外と少なかった富所さん。談笑しながら小づくことしばし、梅雨空の隙間に富士山を見つけた沖上がり前に最後のマダコが乗ってきたのであった。
FISHING TACKLE
【取材協力】相模湾腰越港・池田丸
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