チヌの特徴と釣り方
- 分類/スズキ目スズキ亜目タイ科
- 別名/カワダイ、クロチヌ、マキなど
- 季節/春・夏・秋・冬
日本各地の河口域から沖磯まで幅広く生息している。野武士を思わせる精悍な顔つきをしており、古くから釣りのターゲットとして人気が高く、数多くの釣り方が存在する。
目次
釣り方
フカセ釣り
釣り場/堤防・浜・磯・河口
フカセ釣りは、マキエでチヌを寄せ、そこへサシエを送り込んで食わせる釣り方。狙ったポイントに仕掛けとマキエを投入できるコントロール、こまめなウキ下の調整などが釣果を大きく左右する。
釣り始める前に、まずは水深を測ってウキ下を底付近に設定する。釣り方は、マキエを撒いてから少し潮上へ仕掛けを投入して流していく。マキエが効くまで時間がかかることがあるため、序盤は多めにマキエを撒いて、チヌを寄せるとよい。アタリがないときは、流すポイントやウキ下などを変更してみよう。
チヌのアタリはウキがゆっくり沈み、そのまま速度を上げて消し込むパターンが多い。まれに一気にウキを消し込むこともある。アワセはウキの沈む速度が上がったときに入れる。チヌがハリ掛かりしたら、竿を立ててその状態をキープしながらやり取りを行おう。
釣り方
ダンゴ釣り
釣り場/堤防・岸壁・磯
エサ盗りが活発になる夏から秋にかけて有効なのがダンゴ釣り。サシエをダンゴで包み海底まで早めに沈めることができるため、エサ盗りからサシエを守りつつ、チヌを寄せて釣ることができる。
仕掛けはウキを使った紀州釣りとウキを使わないブッコミ(バクダン)釣りの2つがメインになる。紀州釣りは、ウキ下を水深より少しだけ浅くして、ダンゴが割れたらウキのトップが海面に出るように調整する。アタリはウキに前アタリが出てから海中へと一気に消えることが多い。
ブッコミ釣りは、ダンゴが着底したら道糸を張って割れるのを待つ。ダンゴが割れたら道糸が緩むので、そのまま動かさずにアタリを待つ。アタリは穂先が小さく動いたり、一気に引き込まれたりする。あまり待たずに、早めにアワせてハリ掛かりさせよう。
釣り方
かかり釣り
釣り場/イカダ・カセ
沖のイカダやイカダに係留している船から、ダンゴを使ってチヌを狙うスタイルがかかり釣り。波止からのダンゴ釣り同様に、サシエをダンゴで包んで底まで沈め、チヌを寄せて釣る。違いは短い筏竿を使うことと、水深が深く潮流が速い釣り場でも狙えること。
釣り方は、足元から潮が出ていく場所に釣り座を構え、ダンゴをゆっくり落として底まで沈める。ダンゴが割れたら、潮流が緩いときはそのままアタリを待ち、速いときは道糸を送り込みながらサシエを流していく。仕掛けが浮いてしまう場合は、ガン玉や中通しオモリなどを使って仕掛けを落ち着かせよう。
アタリは穂先の動きで取るが、仕掛けの張り具合でアタリの出方が変わる。張り気味にすれば、アタリが大きく出てアワせやすい。糸ふけが出ているとアタリは小さくなり、アワセも決まりにくい。
かかり釣りに必要な道具
潮の流れが速いところではハリスにガン玉を打つ。ガン玉はできるだけ軽いものを使うこと。重すぎるとチヌがエサに食いついたときに違和感を与えてしまう。
小型両軸リールまたは片軸リール
リールは小型両軸リールと片軸リールがある。両軸リールは巻き取る力が強いので、取り込みがスムーズ。片軸リールはスプール径が大きく糸グセがつきにくいので、指で糸を送り出しやすい。
釣り方
落し込み(前打ち)
釣り場/堤防・岸壁
波止や岸壁際に着いたイガイやフジツボなどを食べるために浮いてきたチヌを狙うのが、落し込み。警戒心が高いチヌを食わせるまでの駆け引き、掛けた後のやり取りはスリリングで楽しい。
エサはイガイやフジツボなど、チヌが実際に捕食しているものや練りエサなどを使用する。
狙うポイントは波止に潮や風が当たって波が立っているところ。水面に影を落とさないようにそっと目印を海面に浮かべ、仕掛けを落とし込む。アタリは目印が素早く沈むか途中で止まる。怪しいと感じたらアワせてみよう。
テトラ周りや浅瀬の落ち込みにいるチヌを狙うのが前打ち。沖へ仕掛けを投入して手前へ寄せるように引っ張り、自然と流れてきたエサのように見せるのがコツ。エサはカニがメイン。同じ場所で粘らず広範囲を探り歩くとよい。
落し込み(前打ち)に必要な道具
釣り方
投げ釣り
釣り場/堤防・浜・磯・河口
投げ釣りは、波止、浜、河口域など、身近な釣り場で狙うことができる。夜釣りがメインになるものの、ビギナーにもおすすめの釣り方。
エサにはアオムシ、コウジ、ホンムシなどを使う。ブッコミ仕掛けのエサは、ボケやシャコがおすすめ。地形や潮が変化しているところや障害物周りなどが狙いのポイントになる。夜は浅い場所にも入ってくるので、敷石の少し沖でヒットすることもある。
仕掛けを投入した後はリールのドラグを緩めて、アタったときに道糸を送り出せるようにしておこう。小さく何度かアタった後、アタリが大きくなればしっかり食い込んだ証拠。ここで大きくアワセを入れる。最初のアタリが大きい場合も同じく大きくアワせる。チヌは口が硬いので、中途半端なアワセではハリ掛かりしないことがあるので注意したい。
投げ釣りに必要な道具
釣り方
ウキ釣り
釣り場/堤防・岸壁・河口
ウキ釣りは水深に合ったウキ下調整、仕掛けの投入から流し方、アワセのタイミングなど、チヌを釣るための一連の流れをマスターできる。手軽に楽しめるので、チヌ釣り入門に向いている。
釣り場は、チヌが多い港湾部の流れが緩やかな波止、護岸、河口域など。チヌの警戒心が弱まる夜間が狙い目。河口域の浅場では20cm級が多く、ノベ竿仕掛けでも十分楽しめる。
釣る前にまず水深を測って、底から10~20cmほど上げたウキ下に設定する。潮上に仕掛けを投入し、なじませて道糸を少しずつ送りながら流す。
アタリはウキが小さく沈む前アタリの後、ゆっくりとウキが引き込まれる本アタリがある。糸ふけを取って大きくアワセを入れ、しっかりとハリ掛かりさせる。
チヌの活性が低く反応がないときは、マキエを使ってみるのも手だ。
釣り方
ルアー
釣り場/河口・堤防
チヌが小魚や甲殻類などを捕食している状況下で効果的なのがルアー。基本的にボトム(底)中心の釣りがメインだが、夏場の日中にはチヌが水面で捕食することがあるのでトップゲームがおもしろい。
ボトム狙いは、ルアーをキャストして底を感じながらゆっくりルアーを引く。最初のアタリでアワせてもフッキングしにくいので、アタリがあっても慌てず巻き続け、2回目以降の大きなアタリでアワセを入れよう。
トップゲームでは、エサが豊富な河口周りで水深が浅い場所が狙い目。ルアーはチヌ用のポッパーやペンシルベイトをセットする。橋脚などの障害物周りにキャストし、数投して反応がなければ1投ごとにキャストする場所を変えて、広範囲を探る。水面からルアーが完全に消え、ラインが走ってからアワセを入れるとフッキングしやすい。
ルアー釣りに必要な道具
トップゲームでは、チヌ用のトップウォータープラグがおすすめ。トップウォータープラグには、ポッパー(写真左)とペンシルベイト(写真右)の2種類があり、状況によって使い分けるとよい。
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