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2020/03/10

コラム

一竿風月特別編『篦鮒竿譚』名手が実釣、おすすめの釣り方。~濱嶋 勇編~

へら竿の進化で、へらぶな釣りは、もっと面白くなる・・・。

シマノは製品の機能を高めながら、同時に釣り自体の愉しさを追求して、これまで以上に充実した釣行ができる、ものづくりを目指しています。
こうした面白さ、愉しさは、釣り人の目線でこそ見えてくるものです。そこで、同連載では“釣り人の代表”として名手がシマノへら竿を語ります。竿の物語だから、竿譚(かんたん)。
中京のへら釣り王子(プリンス)として知られ、ソルトルアーにも造詣が深い濱嶋 勇名手が、新しい『飛天弓 柳』で“未来志向のへらぶな釣り”へと導きます。

競技志向のイメージがある濱嶋氏。しかし管理釣り場と同じくらい野釣り場でも竿を出している。ここは濱嶋氏が、よく釣行している近所の野池だ。

『柔よく剛を制す』 軟弱ばかりではなく、軟らかくても強い“軟強”竿がある。

愛知県東部独特の三河弁から感じる気取らないフランクさは、そのまま濱嶋氏の性格を表している。そうした人柄が周囲を惹きつけて、老若男女を問わず濱嶋氏の周囲には人が集まり、気軽に声を掛けてくる。

これは濱嶋氏にとって、へらぶな釣り愛好者の意見を耳にする機会となり、へらぶな釣りにおける様々な課題が見えてきているという。トーナメントなどの競技会、競技指向は釣技研鑚に大事な要素で、濱嶋氏自身も、それで腕を磨いてきたひとりだ。しかし、へらぶな釣りの魅力はそれだけではないことも知っている。
「でも、いくら1枚の魅力だときれいごとを述べたからって、釣れないよりは釣れた方が愉しい。釣れるときには効率よくたくさん釣ることができて、釣れないときには1枚を大事に愉しめる、そういうへら竿が、これからは必要だと思う。ひと昔前だったら、そんなことは“わがまま“だとか“無いものねだり”だと言われ、あきらめるしかなかった。しかし『飛天弓 柳』が誕生したことで現実的になったと思う」

すっぽ抜けが防げるから、取り込みにも余裕がある。

娯楽と競技、エンタテインメントとトーナメント、癒やしと緊張、一見すると相容れないように思える要素が『飛天弓 柳』で両立するというのが、濱嶋氏の考えだ。“愉しさ”が注目されがちな個性のある製品だが、濱嶋氏は釣り人の使い方に合わせて『飛天弓 柳』は幅広い性能を発揮するというのだ。
「『飛天弓 柳』は、確実に釣果が伸びる竿だと思う。魚とケンカしなければ速やかに取り込めるし、全体のしなりを利用することでバラしは激減する。時短したくて硬い竿で強引に引っ張るのは、魚が反転してこちらを向いたときにバレることが多い。硬い竿で強引なやり取りをすると身切れ、口切れしてしまうせいだ。取り込み時も、ハリが薄皮に浅掛かりしていて、ギリギリで取り込めるかなと思ったときに、竿がまっすぐになって仕掛けのテンションが抜けスポッと外れてしまう。これは厳寒期などの喰い渋りで、大型相手にハリのサイズが小さくなると頻発する。仕掛けを太くできないときや、小バリが使いやすくなることの優位性が『飛天弓 柳』にはある。私の主な釣行先は中京だが、関東の方が型はいいと感じている。型がいいと魚の重さで深くフッキングするけれど、中京では浅掛かりすることは多く、さらに喰い渋りで小バリを使っていたら大事に取り込む意識が働く。『飛天弓 柳』は魚が玉網に入るまで、しなって仕掛けのテンションを維持できているから、これは浅掛かりでもバレにくいと思う」

野べらの引きを娯しむとき『飛天弓 柳』は、釣り味とともに余裕も与えてくれる。

玉入れ寸前まで仕掛けのテンションがキープされてバラしも少ない。

“取り込みも含めたバラしが減る”というのは、たった1枚でも成績が変わってしまう競技において重要なことである。
「言わずもがなだが『飛天弓 柳』のしなりを振り込み時にも利用することで、正確な振り込みが力まず行える。適度な振り応えと細身が利いて、向かい風も気にならない。軟らかいことが武器になる、まさに“柔よく剛を制す”だ」
つい競技志向は剛を求めてしまうが、濱嶋氏は競技に柔の強みを活かすとメリットが大きいという。

「現代のへらぶな釣りにおいて“手首アワセ”は悪いことじゃない。それどころか『飛天弓 柳』は意識的に手首アワセをして早く竿を働かせるべきだ。引き込まれて前傾姿勢になったら、肘をあまり曲げないで手首で張り具合をコントロール。さらに引き込まれる場合もあるが、そうなったら握りを水中へ入れてでも、張り具合を維持する。堪えていれば『飛天弓 柳』だったら、魚をバラすことなく立ち上がってくる」

これまでの解説で軟らかさが武器になることは理解できたが、へらぶな釣りは穂先を水中に入れてアタリを取るスタイルなので、水の抵抗で大きく撓ってしまうとしたらアワセ遅れが不安になる人もいるだろう。濱嶋氏は、
「穂先もチューブラーなのに細く、水切れもいいのだろうが、私が元々、穂先を水中へ浅く入れる性分で、エサ付け時に竿掛けへ置いたときは竿先が水面から出てしまうくらいだから(握りを掴むと竿先が浸る)気にならないし、このスタイルだと穂先の硬さに関係なく鋭くアワせられる。曲がる竿だから“込み具合”を気にする人もいるだろうが、釣りながらチェックはすべきにしても基本的にシマノの込みは優秀で、絞られると抜けにくく、片づけるときは抜ける」
と扱い方を示唆した。

撓う『飛天弓 柳』は、意識的に曲げるほど味が出る。

これまでの解説で、競技においての『飛天弓 柳』が、どれだけ頼もしいものかは分かった。それでは娯しみ(たのしみ)いわゆる娯楽志向における“『飛天弓 柳』のおもしろさ”について濱嶋氏は、どう考えているのか。
「もちろん『飛天弓 柳』でへらぶなを釣ることは、型を問わず面白いに決まっている。私は、へら釣りに限らず、どんな釣りでも竿を曲げて愉しみたい釣り人だ(ルアーの場合はフッキングさせるためドラグは締め気味)。そして誤解を恐れず言ってしまえば“曲がる竿は引ける”と思っている。硬い竿よりもトラブルが減るから、バラしに臆することなく大胆に引くことができるということだ。魚が曲げる以上に、自分で曲げられるという余裕も“おもしろさのひと味”ではないだろうか」
つまり、濱嶋氏の説ならば、釣り人の意志で“引ける”から“遊ばれずに遊べる”というへら竿が『飛天弓 柳』なのだ。

軟らかく曲がる竿だが、アワセは鋭く決まる。

「娯しいへら竿で勝つ」ことが、へらぶな釣りのおもしろさを広げる・・・それが“未来志向のへらぶな釣り”だと濱嶋氏は考えているようだった。
それが証拠に、娯楽志向の説明をした直後、濱嶋氏は念を押すように以下の言葉を続けている。
「繰り返しになるが、私は『飛天弓 柳』は競技に使えると本気で思っている。『飛天弓 皆空』との使い分けは、時間20~30枚のスピード勝負になったら『飛天弓 皆空』だが、時間10枚で1枚の価値が高騰してきた場合は『飛天弓 柳』で大事にいこうと思っている。喰い渋りで浅掛かりが多くなってきたら、すっぽ抜けをどれだけ減らせるかということは重要なのだ」
濱嶋氏は『飛天弓 柳』で戦う気、十分。もう、来季の臨戦態勢が整っていた。

 

一竿風月特別編『篦鮒竿譚』名手が実釣、おすすめの釣り方。~矢野 満編~はこちら

プロフィール

濱嶋 勇 (はまじま いさむ)

テスター

中学3年で有名全国大会へ出場、日研『ジュニア大会』3連覇など覚醒。『HERA-1』8回出場(準優勝2回)。他、優勝を含めて好成績多数。JC全国大会は05年初出場で準優勝して、06年、08年、09年、14年、15年の6回出場。

※記事内で紹介されている製品は、旧モデルの可能性がございます。

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飛天弓 柳(ひてんきゅう やなぎ)

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