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2022/09/06

コラム

西田一知impression 今こその原点回帰と歩みを止めない正常進化「飛天弓 閃光LⅡ」&「PⅡ」

ついに、あの軽量長尺「閃光」シリーズに7代目が登場する。

一斉を風靡した2代目「閃光」のレインボーカラーをまとった長尺2シリーズを解説するのは、シマノインストラクターにして長尺使いで名高い野の名手、西田一知である。

原点回帰を思わせるレインボーカラーをその身にまとった「飛天弓 閃光LⅡ」&「飛天弓 閃光PⅡ」とは、いったいいかなる竿なのか。

西田の言葉を通してその核心に迫ってみる。

「レインボーカラー」の復活

「良い伝統は守り、時には振り返って再び取り入れてみる…というのも必要なんじゃないかと、僕はそう思っていたんですよ。」

 

「あの2代目閃光のレインボーカラーっていうのは、ある種、僕らにとっての『閃光』のイメージの原点。あれからブルー系のメタリックにシフトして行って、それはそれでとてもカッコよくて市場にも受け入れられてはきた訳ですけれど、本音を言えば、僕の心の中には常にあのレインボーカラーがあったのは紛れもない事実なんです。だからどこかのタイミングで復活できないものかと、ずっとそのタイミングを探っていたんですよね。おそらくそれは、シマノも同じだったんだと思います。一発目の試作デザインが上がってきた時、それを見た瞬間に『これしかない』という感じでしたね。」

 

新しい「飛天弓 閃光LⅡ」&「PⅡ」のブランクス部分は、より鮮やかに、そしてより深みを増したあのレインボーチタンセラミックコートが施されていた。しかし、ただ2代目をなぞるのではなく、口巻き部に「LⅡ」は鮮やかなブルーメタリック、「PⅡ」はオレンジメタリックの塗りが施され、レンボーカラーと相まって、見方によっては「ド派手」と捉えても良いくらいに大きなデザインの変化なのだ。

 

「特に閃光Rから続いたブルーメタリック系の流れは、正直、『見た目はあんまり変わってないね』という印象がありました。もちろん中身はその時々の時代背景も鑑みながら着実に進化してきたわけですが、やっぱり趣味ですから、見た目ってとても大事なんですよ。せっかく手に入れても、『見た目があんまり変わってないね』じゃあ単純につまらないじゃないですか。そういう意味では、今回の7代目は格別ですよ。なんせあのレインボーカラー復活に加え、完全に『新しい竿』としての主張がある。所有感は満点ですし、魚を掛けた後も、思わず綺麗に曲がる自分の竿を眺めてうっとりしてしまうような、そんな満足感があるんです。」

ついに復刻された2代目「閃光」のレインボーカラー。より鮮やかに、より深みのあるレインボーチタンセラミックコートは、唯一無二の存在感を放つ。

レインボーカラーは渋めの元部から先にいくにしたがって鮮やかになる印象で、画一的ではないのがミソ。「全身ギラギラ」ではなく、緑豊かなフィールドでも非常に品のいい輝き、目立ち方をするのが特長だ。

「LⅡ」にはブルー、「PⅡ」にはオレンジのテーマカラーを口巻き部にあしらう。このブルー&オレンジがまた非常に鮮やかで、ある意味、レインボーカラー以上にフィールドで映える。

「スパイラルXコア」の絶大なる恩恵

さらに西田は言う。

「見た目の変化はもちろんですが、今回の7代目では、ついに閃光シリーズに『スパイラルXコア』が搭載されています。これはシマノならではの竿の基本構造で、すでに他の竿でも順次採用されていますが、ようやく『本命』に備わった、という感じですね。軽量長尺である閃光シリーズにこそ、この『スパイラルXコア』の恩恵は絶大なんですよ。

まずシンプルに言って、竿全体を素材で硬くすることなく『ネジレ』や「ツブレ』を抑え込むことができます。その体感的な効果は、まず振り込みに表れます。しなやかなんですが、竿全体がダランと垂れることなく、シャキっとした感触でエサを打ち込んでいくことができるんです。私の場合、特に超長尺になるとそうなんですが、エサの『位置』をすごく意識します。そうしないとエサが水面を叩いたり、もしくは失速したりして、うまく落とし込めないんですよ。手を離れた瞬間から常にエサが空中でどういう位置にあるか、どういうスピード感で飛んでいるか…を感じながら振り込める竿っていうのは、やっぱりいい竿なんです。そういう意味で、『スパイラルXコア』が搭載された新しい閃光シリーズは、もう別物ですよ。特に『LⅡ』の方は軽量方向に振った竿であるわけですが、軽量長尺特有の頼りなさやヨレ感みたいなものが一切排除されているんです。これは凄いことですよ。」

 

7代目閃光シリーズの最大のトピックがこの『スパイラルXコア』の搭載であろう。それは魚を掛けて引く時だけでなく、1日のうちで何度も繰り返される「振り込み」においてその度に最大限の効果を体感できるのだから、その恩恵は計り知れないのだ。

 

「もちろん、魚を掛けた後はもう『オートマチック』にへらが上がってくる感触を軽量長尺の世界の中で存分に楽しめます。とにかく竿が横にブレたりせず、ガシっと垂直を保ったまま立ち上がってくる感覚が秀逸です。ボートフィッシングではタモですくう瞬間に潜られるケースが多々ありますが、それもほとんどない。竿が完全にまっすぐ上に立ち上がった時でも、ちゃんと竿に力感が残るんです。これは『スパイラルXコア』とは違うもうひとつの技術『ハイパワーXティップ』の恩恵も大きいですね。」

軽量長尺ロッドの大敵である「ネジレ」、「ツブレ」を最大限排除することに成功した「スパイラルXコア」の搭載。振り込み、アワセ、そして取り込み…と、竿としての基本性能が一気に嵩上げされたかのような印象を受ける。竿をタメている時、ピタっと竿がブレずに曲がり込んでいる様子がお分かり頂けるだろうか。

「ハイパワーXティップ」がもたらす、ひとつ上の操作感と力強さ

「スパイラルXコア」の採用とともに、今回の7代目にはもうひとつ、我々が培ってきた「技術」の結晶が備えられている。それが穂先部分に搭載された「ハイパワーXティップ」である。

みなさんご想像のとおり、竿というのは太い部分よりも先端の細くなっていくにしたがって、ネジレが生じやすくなる。これは物理的に致し方のない部分なのだが、ここを妥協せず、「細くなってもネジレに強く」ということを目指して開発された技術が「ハイパワーXティップ」なのだ。

 

「難しく考えなくても、とにかく穂先が細くて強いっていうことなんですよ。これはやっぱり振り込みの時から感じられますし、そして何より恩恵があるのが取り込み時ですよね。どんなに『強い強い』と謳って見たところで、従来の竿ですと竿が完全に立ち上がってしまう取り込みの瞬間というのは、やっぱり力を失って潜られたりするものなんです。それが野のボートフィッシングだとなおさら。私なども普通にあぐらをかいて30尺まで振りますが、やはり竿が長くなればなるほど2度、3度と潜られてしまうものなんですよね。これが非常に疲れる。でもそれが新しい閃光なら、完全にゼロとまでは言いませんが、大幅に潜られる回数が減っているんです。『スパイラルXコア』はもちろんですが、この『ハイパワーXティップ』の搭載は、今回、非常に大きな効果をもたらしているのではないでしょうか。これは是非みなさんに体感してもらいたいですね。」

穂先部に搭載された「ハイパワーXティップ」の恩恵も大。繊細な振り込み時の操作性向上に加え、取り込み時も最後まで穂先に「力」が残り、特にボートフィッシングでは一番嫌な手前で潜られる現象を大幅に軽減することに成功している。

軽さに加え、基本性能を大幅に引き上げた「LⅡ」 パワーに加え、より洗練度を高めた「PⅡ」

さて、前作6代目「閃光」から、軽さの「L」とパワーの「P」の二系統に分かれたことで、軽量長尺ロッドの大いなる矛盾から解放された閃光シリーズ。今回の7代目でもその方式は踏襲されており、それは「LⅡ」、「PⅡ」というネーミングにも表れている。

閃光の基本モデルである「LⅡ」は、もはや「軽いのは当たり前」とばかりにその軽さも手にしつつ、前述した「スパイラルXコア」、「ハイパワーXティップ」等の採用により、軽量長尺ロッドとしての基本性能が一段も二段も高められている。

 

「もう振った感じからして別の竿といった印象で、軽いんだけど、とにかく芯があって振り込みやすく、ある程度の大型でもしっかりと『引ける』竿に仕上がっていると思います。また風にも一段と強くなっていますので、野釣りで不意に風が強まった時でも、そのまま臆せず使い続けることができますね。それを素材を硬くしたり肉厚にして実現したのではなく、しなやかさはそのままに『技術』で実現したところが7代目の凄さでしょう。これは本当にありがたい進化です。」

 

そして閃光シリーズの「パワー」の分野を受け持つ「PⅡ」である。

前作の「P」はある種の衝撃を持って迎えられ、野に管理にハードに使用するストロングなアングラー達に受け入れられると同時に、少々ゴツ過ぎると捉える向きもあった。今回の「PⅡ」では、より一般のアングラーのテイストとマッチするよう再調律されており、「LⅡよりはパワー仕様だが、行き過ぎていない」という絶妙なところをカバーしている。

 

「前回の『P』は、もう見た目からして太かったりしたので、それだけで敬遠する方もいたかもしれません。しかし今回の『PⅡ』は軽量長尺ロッドとしての基本に立ち返り、より洗練度を増した仕上がりを心掛けました。やり過ぎないように、ということです。いい意味で、選ぶ際に『LⅡ』にするか『PⅡ』にするか迷ってしまうような、そんな感じです。もちろん『LⅡ』に比べれば強くはなっていますし、より先調子的な感じになるので、ある程度の腕力のある方なら、『LⅡ』より『PⅡ』の方が軽く感じられるというような逆転現象もあえて狙っているところです。」

実際、西田もあちこちのフィールドで『LⅡ』と『PⅡ』を振り比べているというが、「自分的な好みを言わせてもらえるなら、完全に『PⅡ』」と断言するほど好感触を得ているという。確かに豪腕・西田ならではの回答とも言えなくもないが、前述したとおり、ある程度腕力に自身がある方なら、今回はあえて『PⅡ』の方を選ぶ人が多くなることもありそうだ。

握りには「しっとり綾織握りⅡ」が採用され、より手のひらへのフィット感が増している点も嬉しい。

前作では「少々ゴツ過ぎる」と捉える向きもあった「P」だが、今回の「PⅡ」ではあからさまなゴツさを抑えつつ、軽量パワーロッドとしての洗練度が大幅にアップした印象だ。絶対的な軽さは「LⅡ」に譲るが、先調子的なシャキっとした感触が際立つため、人によっては「PⅡ」の方が軽く感じられるという逆転現象も起こるかもしれない。

野に管理に、最高の軽量長尺ワールドを…

最後に西田に、新しい7代目閃光シリーズがマッチするシチュエーションについて聞いてみた。

「自分的には、やっぱりこの時期は西湖や精進湖といったヤマでのボートフィッシングでまずは使っていただきたいですよね。何よりこのレインボーのデザインが湖面に最高に映えますし、振っているだけで気持ちがいいですよ。より力強くなった『LⅡ』でのチョウチン両ダンゴ、最高ですよね。より大型が揃う時はモタつきを抑えられる『PⅡ』。風が強い時もいいですよね。

三名湖のような魚影の濃い準山上湖での例会で競うのもいいでしょう。軽やかな『LⅡ』かパワーの『PⅡ』かは、もう完全に好みの領域ですね。

あとはもちろん、管理釣り場でも抜群です。近年は大型主体で、かつ長竿が振りやすいように釣り座感覚が広くとられた釣り場が増えましたので、ぜひ長竿を気持ちよく振り回してください。チョウチン両ダンゴや繊細な沖セットなどは『LⅡ』、ペレ宙、ペレ底などには『PⅡ』がよく似合いますね。」

 

虹色に乗せて無限に夢が広がる長尺ロッド、「飛天弓 閃光 LⅡ」&「飛天弓 閃光 PⅡ」。

あなたも最高の「相棒」を手に、ダイナミックな長竿ワールドを堪能してみてはいかがだろう?

プロフィール

西田 一知 (にしだ かずのり)

[インストラクター]

関東へら鮒釣り研究会で97年、09年、10年、11年に年間優勝して史上5人目の横綱位に就く。09年シマノへら釣り競技会 野釣りで一本勝負!! 第3位。30尺の使い手で長尺の釣技に長ける。「関東へら鮒釣り研究会」「コンテンポラリー・リーダーズ」所属、「KWC」会長。

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