2025/01/10
コラム
色華(いろは)でゆうゆうと釣る。
コクのある釣り味なのに切れ味抜群。
すっきり楽しむ軟式胴調子。
釣られた魚が玉網に入るまで
気づかなかったんじゃないかと錯覚するほど、自然に取り込めた。
その驚きに、自然と笑みがこぼれる。
「これは面白い竿だ」と伊藤氏は興奮を覚えた。
信州釣行帰りの伊藤氏は『特作 色華』の手応えに少し興奮している印象でした。幾度となくテストを重ねてきて、たった今、製品を手にしたばかりということで達成感に満たされていたのかも知れません。
これまで好きな竿、推し竿を挙げるのに『特作 伊吹』を選んできた伊藤氏は、特作シリーズに対する期待が人一倍強かったように思えます。
「僕は『特作 一天』『特作 伊吹』そして、この『特作 色華』という軟式胴調子三代に脈々と継承されているDNAみたいな意志に魅力を感じている釣り人のひとりなんですよ」
伊藤氏が考える軟式胴調子の魅力について改めて聞いてみました。「竹竿的な表現だと、総高野を彷彿とさせるスローテーパーの、ちょっとかぶる感じの調子が好きな人って少なくないんですよ。それを『元来のへら竿らしさを感じる』と、言い換えてもいいでしょうね」
この日、伊藤氏は『特作 色華』の11と13で1~1本半の両ダンゴを実釣しました。これらのアイテムは、へら竿としては中尺と呼ばれ、平場の池沼や湖などの野釣り場でも活躍する重要な長さです。
「テストじゃなくて製品としての『特作 色華』を振った僕の第一印象だけれど、心地よく魚の引きを味わえる良竿だなと思いました。いわゆる世間で言うカーボンロッドの感触って、曲がる竿でも天然素材に比べたらガツンとした手応えがあるものです。それが『特作 色華』は優しくフワフワと魚の挙動を伝えてきて、そのソフトな引きが実に味わい深かったんですよ」
1枚のへらぶなを釣る時に、深くヒーリングを感じられる竿で、何枚も釣れたら、確かに伊藤氏のような気分になることでしょう。
「まず、へらぶな釣りにおいて、その所作を4つに大別することができるよね。その順で『特作 色華』を説明しようか」そう語って、伊藤氏は以下のように解説しました。
- 振り込み性能―「エサの重さを感じて打てるか、イメージ通りに届けられているか、そういった点で、すっきりした穂先、穂持ちの効果や働きが感じられました。着水寸前までエサを感じながら操作ができました」
- アワセ―「こうした調子の竿の課題になる箇所だけれど、穂先の水切れがよかった。人それぞれに好みがあって、穂先の入れ具合があるだろうけれど深浅で水の抵抗を探ってみたけれど、スリムな穂先は水切れがよく、バランスよくきれいにアワセが利きました」
- 引き寄せる・浮かす―「ここに特作シリーズ軟式胴調子の進化を強く感じました。スパイラルXコアの効果で、大きく曲げて引きは楽しみつつ、余計には暴れさせず、ゆっくりと魚の顔を沖に出させることができました」
- 取り込み―「まるで魚は釣られたことに気づいていないかのようでしたね。玉網で追いかけることなく、一直線に水面を滑ってきて網中へ収まると、そこで気づいてバシャバシャ跳ねました。自然に取り込めた様子から気づいたのですが、投餌で寄せた魚群から1枚ずつ引き離すように釣ることになるため、魚が暴れると魚群を散らしてしまうのが常であるのに、この様子だと群れへの刺激は最低限に抑えられ、次投も同じ寄り量で喰わせられるから好釣果に繋がる気がしました」
このように「魚を釣るまでの所作」すべてにおいて『特作 色華』の特性を感じることができるという観点から、いかに独創性のある製品かお分かりになるでしょう。
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