2024/06/03
コラム
春のハイシーズンを迎えた北海道のサクラマス。海藻が生い茂るゴロタ場で攻略する。
はじめまして。サポートアングラーを務めさせていただいている矢野元基です。
普段は妻の愛実と北海道で主にトラウトをメインに釣行しています。
初投稿は今が旬の、海サクラマスを「カーディフ ウインドリップ85S」で狙った釣行の様子を紹介させていただきます。
北海道では空前のサクラマスブーム。釣り場として選んだのはゴロタ場。
まず、本州では主に川で狙われるサクラマス。北海道では河川で釣ることが禁じられるため、海や湖で狙うことになります。
全道で地域差はありますが、12月から7月の終わりまで狙って釣ることができ、1年の半分以上がシーズンと言えるでしょう。今年のゴールデンウィーク初日の土曜日、大型が狙える道南へ釣行してきました。
今回の目的は「ゴロタ場」の攻略。北海道のフィッシングシーンでは空前の海サクラマスブーム。
人気ポイントの磯やサーフは深夜から人が入り、土日祝になると数m間隔で釣り人が並ぶ大変な混雑となります。
一方、波打ち際に海藻が繁っているゴロタ場はトレースラインが限られランディングしにくい、歩きにくく立ちにくいなど「やりにくい」が満載のため釣り人が少ない傾向です。
夜明け後にゆっくりエントリー出来るポイントが多い印象。
しかし、ベイトが根回りや岸際に溜まるため、サクラマスも定位しやすく人気ポイントに及ばずとも釣果が期待できます。
ミノーが引けない状況。そんな時に活躍するルアーとは。
午前4:40頃、妻と道南の初場所となるゴロタ場へゆっくりと準備してエントリー。
偏光グラスをしていても安心して歩ける時間帯です。波は低く凪に近い状況で水色は若干濁っており、先行者は7名ほど。大きく張り出した岬の周囲に集中しています。
岬の手前に昆布が繁り、遠浅で沖の広範囲に水面に迫る根が点在する足場を発見。トレースラインは極々限られています。
ミノーはまず引けず、難易度が高い立ち位置のためか、そこは人気がなく先行者がいませんでした。
まだ完全に夜が明けていないため、全ての根の位置と高さを把握できていません。
このようなシチュエーションでは「カーディフ ウインドリップ85S」の出番。
このルアーはジェットブーストを謳うタングステンをバネとシャフトで重心移動させるギミックで遠投ができ、かつジグミノーのジャンルでは抜群に浮力があります。
つまり、遠浅な状況の沈み根回りなど、波によって海藻が持ち上がるような場所でも浮力を生かし、その上をトレースし続けることが可能です。
広範囲に広がる昆布エリア。生い茂る場所をどう攻略するか。
まずは2週間ほど前に釣行した際に、妻が良型のサクラマスを釣ったSチャートGOLDを選択。
チャート系は朝マヅメや濁りがある場合に水中でよく目立ちます。また、ゴールドベースのため日中においても、マヅメ特有のシルバー系のベイトに太陽光が反射し金色に輝くような魅せ方もでき、マヅメ時と錯覚するのか魚のスイッチが入りやすいと感じる色味です。
狙うは30mほど沖から70mほど先まで広範囲に昆布が茂る根回り。水深は2〜3mで、波の波長に合わせてユラユラと水面下1m近くまで昆布が持ち上がっていました。
さらに、水面近くまで迫る飛び根もあります。根の先までキャストし、昆布に引っかからないよう着水後すぐにリトリーブを開始。ロッドを左右に振り飛び根を縫う様にコースを調整します。リーリングスピードはC5000XGで1秒間に1回転以下にすると、昆布を拾ってしまう状況。
サーフでは1秒間に3〜4回転の超早巻きで水面スレスレを誘うのが好みですが、ゴロタ岩の上からキャストしているため、足場が高くルアーが水面を割らない様に1秒間に2回転ほどのただ巻きで誘います。
手前4mほどは水面まで完全に昆布が繁り、ロッドを立てルアーを回収する必要があります。数投ほどしていると、射程圏の根回りでサクラマスのモジリ。積極的にベイトを追っている様で、期待に胸が高鳴ります。
すると、近くでキャストしていた妻にヒット。魚が右横に大きく疾走し、ドラグが唸り大型の予感。
しかし、バレてしまいます。回収したルアーを見ると、残念ながら自作フックのアシストラインが千切られていました。
サクラマスはトラウトの中でも歯が鋭く細かいため、フックが口の中に掛かると擦れてアシストラインを切ることがあります。
これは、イワシを捕食している場合などバイトが深い活性の時に顕著です。ヒットルアーは「ウインドリップ85S」のピンクバックでした。
待望のヒットに緊張が走る。暴れるサクラマスに対してバラシをできるだけ防ぐコツ。
悔しがる妻を横目に黙々とキャストをしますが、何もない時間が30分ほど続きます。
時刻は5時30分過ぎ。日が登り始めたため、TシルエットBLKに変更。ブラックに輝くこのホログラムは水中でのシルエットがウインドリップのカラーリングの中で最もハッキリする色味ではないでしょうか。
この目立つルアーに気付いてくれと願い、キャストを開始。 数投し、40mほど先の昆布の直上をトレースしていると待望のヒット。
鋭い小刻みな突っ込みからサクラマスと確信。サクラマスは水面付近に魚体を持ち上げるとバタンバタンと水面を叩きながら激しく暴れます。
そのため、なるべく水面を割らない様にロッドを立てずに横に傾け低くファイトすることがバラしを避けるコツ。
暴れさせずどうにかランディング圏内に寄せることができました。
手前は昆布が繁っているので、沖目でランディングする必要があります。
「ボーダレスランディングシャフト550」は軽さの割りに剛性があり、シャフトを水平に近い角度でフルに伸ばしてもたわまず操作しやすいです。
波の波長に合わせてサクラマスの頭をこちら側に向け誘導し、4mほど沖で無事にネットイン。64cm3.4kgのグッドサイズでした。
混雑せず、ゆっくりポイントへエントリーしても竿を振れる遠浅なゴロタ場の魅力に取り憑かれそうです。
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