2024/01/04
コラム
シマノトラウトロッドで初のグラスコンポジットのパックロッド
目指したのはダルくないグラスコンポジットロッド
S48UL-G/4、B48UL-G/4はグラス特有の利点でもあるムニュっと粘るしなやかさで、キャストにおけるリリースポイントの広さ、魚を掛けた後のクッション性能といった良さを表現したいけれども、キャスト後にロッドがブレることで発生するボニョンとした不快感は減らしたい。気持ちの良いグラスロッドをテーマに試作開発が始まりました。
新しいロッドの方向性が決定し、ブランクス設計と試作を経てプロトロッドが組みあがりました。期待と不安が入り混じったドキドキ感を持って、川に入って実釣評価です。キャストフィール、ロッドアクション、ファイト時のベントカーブなどなどを見てブツブツと考えながら評価を行うのですが、このプロトロッドはキャスト後の不快感は無いが、グラスの良さであるしなやかさが表現されておらず中途半端と判断しました。どうやらバット部分の硬さが問題のようです。会社に帰ってバット部の硬さ設定とグラス含有率の調節を行うことで改善案が決定し、再設計した改良プロトが組みあがりました。今度は期待通りに仕上がったドキドキ感を持って川で実釣です。問題箇所は改善されてvery good評価です。オマケに尺アマゴも釣れて気分は上々。新しいロッドのテーマ通りにダルさを感じない気持ちが良いグラスコンポジットロッドに仕上がりました。
軽量「UDグラス」素材
47UL-4(カーボン)と48UL-G/4(グラス)のアイテムセレクト方法
24トラウトワンNSにはカーボン素材で作られた47UL-4というパックロッドアイテムもラインナップされています。似たようなレングス、同じULパワーが2アイテム存在するのですが、メイン材がカーボンとグラスという大きな違いがあります。それじゃあわからないので、説明すると、カーボンはグラスよりも弾性率が高いので、キャストやロッド操作時にシャキッとしたシャープさと手感度の高さが特徴です。強めのトゥイッチでルアーをキビキビとアクションさせる人や、ダウンの釣りでルアーをボトムに送り込んでドリフトさせる場合のテンションコントロールにはカーボンの47UL-4がおススメです。アングラーがロッドから伝わる情報を感じてコントロールすることで魚を釣るマニュアル感覚といえます。
それに対してグラスは弾性率がカーボンよりも低いため、キャスト時のリリースポイントが広く、手首だけを使ったコンパクトなキャストがしやすいです。ラインスラックでルアーを流れに馴染ませてアクションさせる人や、渇水時や源流、小渓流といった水深が無いポイントを攻める場合に有効な軽量ルアーを使うシーン、シーズン初期の低活性時で魚のバイトが浅くバラシが多いシーン、テンションのかかるルアーをダウンでアクションさせて誘うシーンなどはグラスの48UL-4/Gがおススメです。
渓流相が好きなザッキーのチョイスとしては、関西の渓流解禁シーズンである3月は水温が低く魚も低活性で追いが悪いのでグラスの48UL-4/G。4月中旬から6月は魚の活性が上がって追いも良いのでカーボンの47UL-4。6月以降は多くの川で鮎が解禁されて人が多いので、鮎釣りの人が入らない上流域の狭い小場所メインとなりグラスの48UL-4/G。という感じです。あとは4~5月のハイシーズンでもバラシが多くて、新品の細軸フックに交換、ドラグを緩める対策をしても、まだバラす場合はロッドをグラスの48UL-4/Gに即変更してます。
仕舞寸法が短い4ピースロッド(余談)
4ピースロッドは小さく仕舞えるので源流の高巻きや、入川が大変な場所で両手が使えるという利点がありますが、釣り以外のところでもザッキー的に大きな利点があります。独身時代は給料=釣りと自由に楽しく釣具を買っていましたが、子持ち妻帯者でおこづかい制度になってからは「へそくり」という特別予算で隠れて釣具を買います。この時、ルアーやリールはバレませんが、2ピースロッドは目立ちすぎて嫁さんに見つかって事情聴取です。5ftクラス2ピースロッドの約80cm仕舞寸法では隠せる場所がかなり限定されます。これが4ftクラスで4ピースロッドの約40cm仕舞寸法になると隠せる場所が増える!車のラゲッジ下、出張用キャリーバックの中、物置の上段奥。いまのところバレてないですが、この文章を見られたら。。。。。。
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