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サーフ予備知識「浜を知る」
- Base.03 -
サーフ予備知識
「浜を知る」
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サーフの特性[2]波と潮流

サーフの特性[1]では地形的変化について触れたが、ここでは次に重要な波と潮流について解説。先にも述べたように、地形の変化によって生じるのは波と潮流。これらによって魚の居場所が変わるのは分かったが、具体的にどのような状況変化が起きているのだろうか、さらにサーフの知識を掘り下げてみよう。

波高と潮汐の把握

サーフで釣りをするにあたり、まず気になるのが波の高さ。波が高すぎると釣りにならないのは言うまでもないが、逆に波がないベタ凪では流れが乏しく、必ずしもよい条件とは言えない。

ターゲットによって様々だが、総じて条件がいいとされるのは適度な波っ気のあるとき。程よい流れが発生しやすいうえ、釣りもしやすいからであろう。ポイントによって波の高さが及ぼす影響は異なるが、初めてのうちは釣行前に天気予報を確認する習慣をつけておきたい。

次に注意すべきなのが潮回り。一般的に釣りでは大潮が釣れるという話を耳にするが、「潮汐 一日の変化」の図で見て分かるように、満潮が必ずしも有利な訳ではない。逆に潮位が緩やかに変化する若潮や長潮のほうがチャンスタイムが長くなり、結果数釣れたというケースも多々ある。干満が大きくても立ちこめる位置も大きく変わり、攻めたいポイントにより近づける場合もあるので、釣行日の潮汐表は必ずチェックしておこう。

  • 2~3m近い波のときの海岸の様子。沿岸部には濁りが入り、隣接するヘッドランドの先端部には大きな波柱が立っている。こういった状況で竿を出すのは控えること。

  • 遠浅のサーフでは波がないと変化に乏しくなり、狙いをしぼるのにも苦労する。出かける前には必ず予報を確認し、ポイントにふさわしい状況か判断しよう。

  • 近年はスマートフォンで手軽に潮汐表が確認できる。状況が芳しくない時は潮の満ち引き時刻を確認し、場所を移動するか素早く判断したい。

地形と潮流の関係

サーフの特性[1]でも少し述べたが、平坦な海岸線が続くサーフでは多少の変化でも大きく潮流に作用する。よって変化のある場所を注意深く探るのがセオリーだが、広大なサーフで片っ端から変化のある場所に投げるのは効率的ではない。では、さらに何を把握すればよいのだろうか。

まず確認したいのが、流れの向き。下の図のように沖から入ってきた流れが海岸線にぶつかり、平坦な場所では左右に分かれて流れて行く。周辺に変化がない場所では左右に流れるだけだが、流れ込みや堤防、岬がある場所へ行き着くと沖へ向かう流れへと変化する。

こういった沖へ向かう流れを“流れの出口”と言い、入り口よりは有望なポイント。出口では流れてきたものがまとまるため、エサを求めて魚も集まりやすいからだ。流れているからと言っても沖から差しているような“流れの入り口”では、粘って期待薄なのがわかるだろう。

砂浜の先には岬があり、さらに奥へと複雑な海岸線が続く地形。刻一刻と変わる潮流は、周囲の地形の変化の影響も受ける。

離岸流とは

釣り以外でもよく耳にする離岸流。海水浴では特に注意が必要な現象だが、それだけ流れが強い場所というのは感じ取れるだろう。沖へ出る流れがあるということは、ポイントとしても一級ということだ。

簡単に説明すると、沖から連続して押し寄せてきた波が海岸線で留まり、逃げ場を求めて左右へ流れて行く。こういった現象が何カ所でも起こっているので、一定の場所で左右から来た流れが合流。それが大きな流れの筋となって沖へ出て行く。これが離岸流のメカニズム。

小さな払い出しとはまるで規模が異なり、流れが速くて押しが強い。よって流れの筋は深く海底が掘られており、様々な魚たちのえさ場になっている。発見したら、絶対に見逃せないポイントだ。ただし、離岸流は流されると大変危険。周辺の深みへ立ち込んでの釣りは控えること。

はっきりとした離岸流を捉えた写真。海岸線に漂う白い泡がスッパリと消え、グングンと沖へ流れる潮筋が見て取れる。特にヒラメの実績は高く、流れが淀む両端のラインにカケアガリがあるのでそこが狙い目。

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