日本海側と太平洋側など、日本全域で見ると地域性の違いはあるが、サーフの四季の移り変わりはおおむね同じ。春から徐々に水温が上がり始め、季節風が治まることで波も穏やかになり始める。夏~秋に向けて徐々に魚たちの活性が上がり、水温が低下する冬には収束していく。
しかし、大半が外海に面しているため天候の影響を受けやすく、急激な水温変化や時化が続くこともしばしば。よって釣果が長期間安定することが少なく、タイミングを見計らうのが難しい面もある。
そんなサーフにとって重要なカギを握るのが、“ベイト”の存在。サーフに限ったことではないが、環境変化が激しく、魚の出入りが頻繁なフィールドでは、エサとなるベイトの有無が最も釣果に影響する。
となれば、例年どのようなベイトがサーフに集まり、それをどのようなターゲットか狙っているのか把握しておきたいところ。そのシーズナルパターンをつかんでおけば、難しいサーフの四季も攻略できるだろう。
サーフに集まるベイトは、春~秋に大型の群れで接岸するイワシ類、夏に浅場へ寄るシロギス、マハゼ、年中見られるボラ(イナッコ)といったものがメイン。稚アユや落ちアユといった期間限定ものもあるほか、岩礁や磯が混じる場所では小型のメジナも捕食対象になる。まれに釣り上げた魚が胃の内容物を吐き出すことがあるので、何を食べているのか分かれば、ルアーセレクトの参考にもなる。
そんなベイトたちを目当てに、四季折々のターゲットがサーフへとやってくる。ポピュラーなヒラメやシーバス、マゴチといった魚種は通年狙えるが、それぞれの魚種に数や型が望める最盛期(地域によって差あり)があることは知っておきたい。効率よく釣果を狙うなら、やはり釣れる時期を絞るのが最善策だ。回遊魚の場合は狙える季節、タイミングが限られるが、一種の祭り的熱狂をもって迎えられる非常に人気の高いターゲットである。