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HOW TO サーフゲーム
- Study.02 -

回遊魚(青物)

雄大な海原に向かってフルキャストする爽快感! サーフから楽しむ回遊魚(青物)ゲームは、シンプルなタックルを使って、引きの強いターゲットたちを狙える、魅力溢れる釣りだ。釣って楽しいのはもちろん、食べても美味しい魚が揃うのもうれしい。ここでは50cmクラスまでの回遊魚、すなわちワカシやイナダ(ブリの若魚)、ソウダガツオ、カンパチ、サバ、シイラなどを対象に、メタルジグを中心としたルアーフィッシングと弓ヅノを使った釣りの全体像を紹介する。

サーフの回遊魚釣りとは

サーフでの回遊魚狙いでは飛距離や操作性という観点から、近年は鉛やタングステンを素材にしたメタルジグが主力。しかし、古来から動物の角や貝などを素材にした漁具だった「弓角」(以下弓ヅノ)も回遊魚には有効で、現在では素材も樹脂製を中心としたものに変化。投竿を使って大物を狙うファンも多く、一般的な釣り道具として定着している。ということで、ここではメタルジグと弓ヅノの釣り方について注目しよう。

こうした疑似餌を使った回遊魚釣りの舞台は、サーフのなかでも足元から急に落ち込む、いわゆるドン深形状であったり、外洋に面した潮流の速いサーフが舞台となる。シーズンは6~11月いっぱいが目安。魚がキャスト範囲に回遊してくるかどうかで状況は大きく変わるのが特徴。情報収集が非常に重要で、釣れているときに出撃! が好釣のキモだ。

メタルジグで仕留めたヒラソウダ。パワー満点のスプリンターを、シンプルなタックルで狙えるのが醍醐味。時期によってメインターゲットは変わっていくのも魅力だ。

必要なタックル

ではルアーと弓ヅノで回遊魚を釣るのに必要なタックルを見てみよう。

ロッド

ルアーゲームで使用するロッドは、長さが10ft前後、ミディアムからミディアムヘビークラスのシーバスロッド、またはショアキスティングロッドが理想的だ。

キャストしてはリトリーブを繰り返す釣りなので、なるべく軽量なものを選ぶとよい。体力に自信があればロングロッド、ヘビータイプ、自信がなければショートロッド、ライトタイプを選ぶのが基本だ。

弓ヅノを使った釣りでは、ルアーゲームと同等のロッドでもよいが、できればワンランクパワーアップしたものを使うのが理想。

ミディアムヘビークラスのシーバスロッド、またはショア用キャスティングロッドのほか、ライトな投竿(4m前後)を使ってもよい。携行性に優れた振出タイプの高性能万能ロッドなら、よりアクティブに楽しめる。

ショアからのジギングゲーム、いわゆるショアジギングは近年、人気急上昇中。専用ロッドも多く、アングラーの体力や志向にあったロッドを選ぶことができる。

釣り方の特性、引き抵抗の大きさから、弓ヅノ用には、ルアー用よりもワンランクパワーアップしたものが使いやすい。振出式のものも使いやすくておすすめ。

リール

ルアーの場合、リールのサイズは4000~C5000番が使いやすい。スピードが速めのアクションにも対応でき、回収も速いハイギアタイプがおすすめ。

ルアーをアクションさせる際、ラインテンションが抜けた状態でリールを巻くことが多いので、それほどパワーは必要ないのが特徴だ。

弓ヅノを使う場合は、常にリールを巻き続ける釣りになるのが特徴。引き抵抗も大きいので、ルアーの場合よりワンサイズ大きいリールを選ぶと、快適に釣りを楽しめる。

C4000番サイズを基本に、巻き取りスピードをしっかり確保できるハイギアタイプを選択するとよい。

ルアーゲームの場合は、ワンピッチアクションという基本アクションの特性上、意外にリールにかかる負担は小さい。軽量で巻き取りスピードの速いタイプを選ぶのがおすすめだ。

弓ヅノを使う場合は、常に一定の負荷が掛かった状態でリールを巻き続けるのが特徴。ルアーの場合よりパワー重視、しっかり握りこめるラウンド型ノブを装着したリールが望ましい。

ライン

ルアーゲームの場合、メインラインのPEは0.8号から1.2号を選択する。張りがあって絡みにくい、ルアーキャスティング専用設計のものを選ぶとトラブルレス、快適に釣りを楽しめる。単色のものでもよいが、ラインマーカーが入っていたり、色分けされたものであれば飛距離が把握できて便利。

弓ヅノを使う場合、メインラインのPEは、1号から1.5号を選択する。ルアーの場合より、キャストするときに衝撃がかかるので、やや太めのものを選ぶと安心だ。弓ヅノを使う場合もルアーゲームと同様、キャスティング専用設計のものを選ぶとライントラブルを起こしにくいのでおすすめだ。

ラインマーカー付きや色分けされたラインなら、ルアーや弓ヅノがどれだけ飛んだか、どのあたりでヒットしたかなどの目安となり、再現性の高い釣りを展開できる。

テンビン

弓ヅノにはオモリが付いたタイプのテンビンが必要となる。テンビンにはさまざまなタイプがある。

一般的なジェットテンビンでもよいが、弓ヅノ専用タイプであれば、泡を出したり、浮きあがりやすいタイプ、水面付近での使用を前提したタイプなど多彩な製品からチョイスできる。

重さは10号から15号くらいまでを目安に選択する。

テンビンの使い分けで、レンジを攻め分けることも可能。それによりターゲットを釣り分けることも出来る。弓ヅノは回転してハリスがヨレやすいので、リーダーとの接続部にはローリングタイプのスイベルを使用するとよい。

リーダー

ルアーの場合は、リーダーとしてフロロカーボン製20ポンドを目安に、1.5m程度を結節しておく。

弓ヅノの場合は、テンビンまでのリーダー、テンビンから弓ヅノまでのハリスが必要。この場合のリーダーは25~30ポンドのフロロカーボン製、もしくはナイロン製を50㎝程度結節する。ハリスは20ポンド。長さは75cmから1mほどセット。ハリスはリーダーより少し細いものを使うとよい。

リーダーはルアーゲームの場合でも弓ヅノを使う場合でも必須となる。得意な方法でPEラインと結節すればよいが、結び目が小さいFGノットなどが理想的。釣り場で素早くできるように練習しておくとよい。

ルアー

使用ルアーの中心はメタルジグ。メインウエイトは30~40g。なるべくシルエットが小さめのものを選ぶのがセオリーだ。

素材は鉛、鉛&タングステンのコンポジット、タングステンなどのなかから選択できる。タングステン製は高比重のためシルエットを小さくできるが、やや高価。鉛&タングステンのコンポジット製は動きの自由度がアップした最先端タイプ。それぞれの特性によって使い分けるとよい。

形状も選択が可能だ。大きくは扁平タイプと棒状タイプに分けられる。前者はスローからミディアムスピードでもよく動くのが特徴で、フォールアクションをおりまぜて、縦方向に誘うときにも効果的。後者は素早く沈み、高速リトリーブでも使いやすく飛距離も安定していため、活性の高い状況で手返しよく攻めたいときなどに活躍する。あらゆる状況に対応するために両タイプを揃えておくとよい。

このほか、シンキングペンシルやヘビーミノーなども用意しておくと攻略の幅が広がる。

関連商品情報:ショアキャスティング - コルトスナイパーシリーズ

メタルジグのカラーはピンク、ブルー、ブルーピンク、単色シルバーなどが基本色。フックはフロントに1~2本をセットするのが基本。フォール中のヒットが多いときは、リアにセットするのも一手。

弓ヅノ

弓ヅノの形状は弓型の本体にハリが埋め込まれ、ハリの根元に羽根をあしらったものが一般的だ。本体が天然素材のものは高価で入手も難しいが、現在は本体がプラスチックなどの樹脂製のものが普及しており、これを使うのが無難。

カラーは多彩で、ホログラムやアワビシールなどのワンポイントもある。サーフからの場合、使用するサイズは40~50mm程度の小型のものがよい。

弓ヅノは回遊魚がシラスなどの小型のベイトフィッシュを捕食しているときに、とくに威力を発揮する。小型で軽やかな動き、フラッシングを伴う独特な動きがアピールするのか、メタルジグが釣れない状況でもコンスタントにヒットするときもある。サーフでの釣りではぜひとも用意しておきたいマストアイテムだ。

本体の基本カラーはブルー、ピンク、シルバー。ホログラムやアワビなどのシールを加えるのも効果的。ハリは交換ができないが、研ぎ直しが効くタイプが多いので、マメに研ぎ直すと復活する。

弓ヅノとハリスの結節方法は実にシンプル。弓ヅノの上部に空いている穴に、ハリが向いている側からハリスをとおし、反対側で8の字結びでコブを作り、引き留めればOK。推奨されているハリスの号数を守らないとスッポ抜けるので注意が必要だ。

釣り方一連の流れ

細かい違いはあれ、キャストから着水、着底までは、メタルジグを使う場合であっても弓ヅノを使う場合であっても変わることはない。

メタルジグを使う場合は、ワンピッチジャークが基本アクション。対して弓ヅノを使う場合の基本はただ巻き。小刻みにロッドをジャークしてもよい。弓ヅノはテンビンを介しているので、細かい演出は不得意。弓ヅノの持つ動きが頼りだ。

いずれの場合でも、ターゲットや状況によって表層から海底付近まで、レンジを攻め分けることが大切。着水直後から巻き始めれば表層を狙えるし、中層狙いのときはカウントダウンというテクニックを利用する。水深が深い釣り場や海底付近でのヒットが多い場合は、1回のキャストで何回か底を取り直すとよい。

メタルジグを操る場合の基本アクションは、ロッドを一回シャクると同時にハンドルを一回転させるワンピッチジャーク。グリップエンドを脇にはさみ、右手は人差し指と中指の間でリールフットを挟む。下から軽く支えるイメージで持つと疲れにくい。

基本的には横方向のワンピッチジャークだけでヒットが望めるが、着底直後は大きくロッドを縦方向にジャークしてアピール、それから横方向への小刻みなワンピッチジャークに移行するのも効果的。サバなどがフォール中にヒットしてくるときもジャーク&フォールは効果的。

弓ヅノはリールのハンドルを巻き続けるのが基本。ただ巻きでもOKだが、小刻みにロッドをシャクりながら巻き続けてもよい。基本的には着底させてから巻き始めるが、表層を積極的に攻めたい場合やカケアガリがきついポイントなどでは、着底させずに巻き始める。

ナブラやトリヤマが立ち、ソウダやシイラ、サバなどが表層で活発にベイトフィッシュを追っていることある。メタルジグを使っている場合にはロッドを立てて表層付近を攻める。弓ヅノを使っているときは高速リトリーブや、表層攻略用のテンビンをセットして対応する。

  • ルアー、弓ヅノを問わず、リーダーの結節部分はなるべくトップガイドから出すようにするとトラブルが少ない。タラシは1.5m前後が基本。弓ヅノの場合は少し長めでもよい。

  • 必ずキャストごとに後方確認する。安全のためはもちろん、ジグや弓ヅノを後ろの障害物や石に引っかけないためにも必要だ。

  • ルアー、弓ヅノともに振り子状に後方に振り、その反動とルアーやテンビンの自重を使ってロッドをしっかり曲げてキャストする。

  • ロッドを右手で押し込み、左手でグリップエンドを引いて振り切る。振り切ったロッドを止めることも大切。投射角度は45度前後が目安。

  • 飛んでいる間は、必要に応じてフェザーリング(スプールを指で押さえて糸の放出を抑える)を行い、余分な糸フケが出ないよう微調整する。とくに向かい風の場合は必須。着水後、フリーフォールさせる場合も同様に行う。

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