8月1日に三浦半島剣崎沖のカワハギ釣り場が解禁になりました。当日はステファーノセッション2019が開催され、80名近い参加者が4船に分かれて解禁直後のカワハギ釣りを楽しみました。今回はステファーノメンバーの新製品「ステファーノ 攻 S180」インプレッションと、これからの剣崎沖攻略について解説したいと思います。
▲ 80名近い参加者が剣崎松輪港に集合
関東では竹岡沖と並ぶカワハギの一大釣り場、三浦半島剣崎沖が解禁されるとともに、今シーズンのカワハギ戦線が始動します。私もここ数カ月はマルイカやフグを楽しんでいましたが、例年8月の声を聞くとカワハギモードに突入します。
例によって8月1日は「ステファーノセッション」が剣崎松輪港をベースに開催されました。毎年この日を楽しみにしているのは私だけではありません。今年も熱心なカワハギファン80名近くが集まり、久しぶりの釣り場に繰り出します。
当日はシマノの新製品「ステファーノ 攻 S180」を始め、「ステファーノ H177 SP」と「ステファーノ リミテッド」の貸し出しや、早掛け賞、プチ大会の賞品提供もあり、参加者は十分楽しんでいただけたようです。
今回はスナイパー流の剣崎攻略法と、当日参加したステファーノメンバーによる新製品のインプレッションなどを紹介したいと思います。
攻 S180からSPにチェンジ
私が16名の方たちと乗船したのは棒面丸、右舷胴の間に座り皆さんの釣りを拝見しつつ竿を出しました。釣り場は港から5分ほどの15メートルダチ。開幕当初は浅場の根周りから狙っていくのが例年のパターンです。
8~9月、いわゆる夏カワハギのシーズンは産卵中、もしくは産卵直後にあたります。この時期は捕食スピードの遅いナイーブな個体と、エサがあればガツガツと喰ってくる高活性な個体とが混在しているときでもあります。
それはポイントによっても変わるし、潮の流れや日によっても変わります。まず当日の釣り場の状況を見るうえでタックル、仕掛けともパイロットパターンを使用します。
▲ スタートはステファーノ 攻 S180を使用
開始時は潮の流れも緩やかで、浅場を攻めるパターンだったので「ステファーノ 攻 S180」にハリス長、枝ス間隔とも10センチ、オモリ25号、ハリは大型を考慮して吸わせ力の7.5号でスタートしました。
当日は想像したとおり、まだ産卵の終わっていない個体も交じる低活性なカワハギを狙う状況でした。
釣り方としては根の上ギリギリを揺さぶり続けてカワハギの捕食スイッチを入れ、小さなアタリを拾って自動的に掛けていくパターンです。
この釣り方ではSPやリミテッドでは拾えないような小さなアタリもあって、Sの目感度が活躍しました。
▲ 1枚目を釣るのに少し手間取った
ところが時間がたつにつれて潮が速くなってきます。船長からはオモリ30号の指示、それでもオモリが浮き上がってくる状態。こうなるとSではゼロテンションをキープするのも難しくなり、リミテッドかSPへの交換を余儀なくされます。
▲ 潮が速くなってからはステファーノ 攻 H177 SPにチェンジ
激短カーボンソリッドの2本は速い潮にも穂先が負けず、的確な仕掛け操作を実現してくれます。私は途中でSPに替えましたが、リミテッドでもよかったかもしれません。
潮が速いのでチョイ宙で誘って底で喰わせるパターンとなります。相変わらず活性は低く、巻き上げ途中でのバラシも多数ありましたが、なんとか形にはなりました。
ステファーノ 攻 S180名手たちのインプレッション
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池田 暁彦 Akihiko Ikeda's Impression
この日私はステファーノ 攻 Sの旧モデルと新製品を持ち込み、どんなふうに変わったかを比較してみました。新製品の大きな違いはバットパワーが強くなり、穂持も強くなって操作性が上がったことで、強く誘わなくても仕掛けが動いてくれます。逆に穂先はグラスソリッドのように軟らかくなってラインが震えるアタリも確認できました。バットがしっかりしているので、遠投も可能になり、オールラウンドに使える竿と感じました。
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芦沢 和則Kazunori Ashizawa's Impression
私にとって集寄の釣りは、板の動かしやすさ、潮の感じやすさが竿に求められる重要なポイントです。新製品は曲がりしろのある長めの穂先、穂持からバットにかけての反発力を見ると、まさに集寄特化といえるほどの仕上がりです。しなやかながら適度に張りのある穂先は仕掛けを送り込んでいくときの目感度、穂先の微妙な振れ幅が魅力。アタってからもカワハギがエサを放さずに着いてきてくれ、掛け所の判断がしやすいです。S180は軟らかめのオールラウンダー、かゆい所に手が届く孫の手みたいな竿です。
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飯田 純男 Sumio Iida's Impression
「S」の名称には軟調子のイメージがありますが、この竿は単なるSと一線を画しています。長めに設定されたカーボンソリッド全長を10とすると、1から10まで負荷に応じて曲がるイメージで、目感度のよさにつながっています。穂持からのパワーはフッキング力もあり、本体は大型が掛かっても喧嘩しないしなやかさを備えています。個人的には集寄の釣りと宙で誘い続ける釣り、ゼロテン釣法にマッチすると思います。
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宮本 英彦Hidehiko Miyamoto's Impression
集寄や中オモリも付けず、ゼロテンションを多用する私の釣り方にはピッタリ合った竿かもしれません。普段はステファーノ リミテッドを多用しているのですが、それより穂先が柔軟で明らかに目感度もアップしています。まずオモリ25号を使う浅場や平場での釣りで多用し、どんなアタリがきて、どんなアワセができるかをこれからじっくり検証してみたいと思います。
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小林 直樹 Naoki Kobayashi's Impression
横の釣りではキャスト、カーブフォール、サビキなどの動作が難なく行え、竿の柔軟性を活かして仕掛けを落ち着かせることもできます。縦の釣りで宙を狙うときには穂先が大きく曲がり込むので、目感度とともにアタリを弾くことなくタメを作れます。いずれにせよアタリがよく見えるのはトップから3~4番目のガイドあたり。アタリが出ると穂持の前後から徐々に曲がり込んでいく感じです。それだけでなくカーボンソリッドならではの手感度もプラスされています。
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大高 明人Akihito Ootaka's Impression
初めて使った印象は、浅場の小型狙いに使いたいと思いました。集寄を踊らせる際、穂先から穂持がムチのようにしなり、喰わせの間を取るため動きを止めると、ピタッと穂先が止まってくれます。オモリを切った状態でも使ってみました。穂先をフワフワさせたあとに止めたところで強いアタリ、すかさずアワセを入れるとガッチリとハリ掛かり。大型の強い引きもバットパワーがなんの不安もなくしっかり引き留めてくれました。
▲ 小林さんはサポート役を務めながらもポツポツと本命を手中
▲ サイズはほとんどが20センチ以上
この日は全船のトップで20枚、ほとんどの方が一ケタ台と低調ではありましたが、解禁直後としては例年どおり。これからカワハギの体力が戻り、水温も下がってくれば群れも固まってくるはず。竹岡沖、内房、相模湾方面からもよい釣果が聞かれてくるはず。そうなれば一気にカワハギシーズン突入となるでしょう。