カワハギシーズンとなりましたが、全般的にやや遅れ気味で9月中旬現在、まだまだ釣果は低迷しています。それでも水温の低下とともに、徐々にではありますが釣果は上向きつつあります。今回は主にスナイパー釣法に対応する新しい釣り方と仕掛けを提案してみました。通常の釣りはもちろん、喰い渋り対策の一つとしても役立つと思います。
本格的なシーズンには今一つのカワハギですが、竹岡沖ではワッペンサイズが上向いてきたり、剣崎沖では良型中心に15枚以上の釣果があったりと、今後の釣況に明るい展望も見られています。
▲ 今シーズンはどこの釣り場も良型ぞろい
カワハギファンにとってみれば、どんな状況にも対応できる引き出しを持つことが必要です。今回は「スナイパーズメソッド」に新しい釣り方と、付随する仕掛けシステムなどを2回に分けて説明したいと思います。
▲ 大会の先陣を切って「ステファーノグランプリ2019勝山予選」が9月7日に開催された。鈴木さんは抽選で利八丸左舷胴の間となる
▲ 鈴木さんはトップ6枚で同数ながらジャンケンで2位、無事予選通過
捕食スピードに対応
▲ 9月中は都内の釣具店3店舗で鈴木さん講師によるステファーノミーティングが開催された
カワハギ釣りにおいて、当日のタックル、仕掛け、釣り方を組み立てるうえで目安となる一つにカワハギの活性に比例する捕食スピードがあります。
捕食スピードの遅早はカワハギがエサを見つけたあと、すぐに近寄って一気に吸い込む=捕食が速い、ゆっくりとエサに近づきかみ砕くように喰い込む=捕食が遅い、そんな言い方をします。
スナイパーズメソッドでは縦の釣りにしろ、横の釣りにしろ、前アタリを感じて掛けアタリが出るまでの時間の間隔、つまり喰わせの間に合わせて釣り方、仕掛けのシステムを解説してきました。
喰わせの間を測るうえでキーポイントとなるのがフォールスピード(仕掛けを落とし込んでいく速さ)となります。カワハギを下に向かせて捕食しやすいエサの動き、落下スピードを調節する速さのことです。
捕食スピードは活性で大きく変わります。釣り場の状況、潮の流れ、群れの大小、ワッペンサイズの多少によっても変わります。当然ながら、高活性のときほど喰わせの間を短くするためフォールスピードを速くし、低活性のときは喰わせの間を長くするためフォールスピードを遅くするわけです。
今までのスナイパーズメソッドでは図にあるとおり、捕食スピードとフォールスピードに合わせた釣り方、仕掛けシステムを4つのパターンで解説してきました。
今回、その中のテンションフォールとフリーフォールの間に「ナチュラルフォール」を提案させていただきます。
というのも、シマノから高比重ビーズ(フォールビーズ)を組み込んだ仕掛けが発売されたことで、それぞれのパターンを操作しやすくなったことにも関係します。
- Stephano 幹糸仕掛け フォールビーズ
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▲ シマノの新製品、ステファーノ幹糸仕掛けFB(フォールビーズ)。3種で様ざまなフォールパターンに対応する
▲ 緑のビーズが従来のHDビーズ、白が高比重のフォールビーズ
従来の4パターンでは対応できない捕食スピードを持つカワハギに、ナチュラルフォールを組み入れることで、今まで取れなかったアタリが分かるようになるという考えです。
フォールビーズは従来品「楽々HDビーズ」と同じサイズ、潮切れがよいのでアタリが出やすく、感度も向上しています。
これを仕掛けに組み込む位置や数を変えることで、ナチュラルフォール自体も3パターンに細分化。カワハギの活性、アピールしたいタナに合わせて使い分けが可能です。
さらにフリーフォールをのぞく他のフォールパターンにもこの仕掛けを使用すれば、様ざまな捕食パターンに対応できるでしょう。
ナチュラルフォールの詳細については次回紹介します。