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ステファーノ新製品での今シーズンのカワハギ攻略~後編~

12月になってカワハギ釣りが本格シーズンに入ったようです。釣り場によってはトップで50枚以上を記録しており、当たり年ともいえる状況です。季節は冬ですが、船上は連日熱い釣りが続いています。今回もシマノステファーノシリーズ新製品をメインに使用して、相模湾腰越沖の攻略法などを紹介しましょう。

▲ まずは江ノ島沖の荒根周りをステファーノ 攻 HHH173で狙う

 12月中旬現在、好調に釣れているのが東京湾~三浦半島にかけての釣り場です。代表的な竹岡沖、剣崎沖はトップで10~20枚と安定。内房金谷~勝山沖、久里浜~鴨居沖では日によりトップで50枚近い釣果も記録されています。

▲ 持参したのはステファーノリミリテッドシリーズ2本、ステファーノ 攻シリーズ2本

 そこで私が今シーズン出かけた釣行を元に、ステファーノ新製品2本の使い分けについて説明しましょう。

ステファーノリミテッド MH175A

 ご存じのように、軽さと感度を極限まで追求したカワハギ竿の最高峰。オールラウンダーとしての位置づけですが、新製品はやや硬めの設定で速い釣り、掛ける釣りに向く攻撃力を高めています。

 活躍するのは竹岡沖、鴨居沖、城ケ島沖、富浦沖など、比較的海底が平たんで、スナイパーズメソッド横の釣りに適した釣り場です。

 秋までは水深20メートルを切っており、S180のような軟らかめの竿に分があるケースもありましたが、ここへきて30メートルを超える釣り場もめずらしくありません。レスポンスに勝るMH175Aなら深場であろうと、潮が速かろうと思いどおりの仕掛け操作が可能です。

 激短カーボンソリッドの感度、Xシートフロントトリガーの操作性をフル活用し、攻めの釣りを心がけてください。

ステファーノ 攻 HHH173

▲ HHHのXシートフロントトリガーは操作性を高めてくれる

 超硬調、激短カーボンソリッド、高弾性ブランクスの本体は徹底的に手感度を追求しています。基本的には浮いたカワハギ狙いに最適ですが、昨シーズンあたりから宙釣りが可能な場面が少なくなっています。

 強いていえば金谷~館山沖の魚礁周り、剣崎~毘沙門沖の根周りなど。そのほか久里浜~下浦沖、竹岡沖のツブ根周りで時間によって浮くことがあります。

 そのためHHHを持参するときは、必ず予備としてオールラウンドのリミテッド、軟らかめのS180などを持参することをすすめます。

 ですが、カワハギの捕食スピードが極端に遅いとき、タナがベタ底であってもHHHで掛けにいく釣りが奏功する場面も少なくありません。

 このあたりがカワハギ釣りのおもしろいところ、竿選び一つで入れ掛かりも味わえたりするのです。

相模湾腰越沖 エサ取りかわしてワッペン攻略

 さて、今回紹介するのは相模湾腰越沖の釣り場です。私自身、今シーズン初めてで、どんな展開が待ち受けているのかとても楽しみでした。

 乗船したのは腰越港の池田丸、ほぼ周年カワハギ乗合を出船しているファンにとってはありがたい船宿です。

 6時に出船し、10分ほど走った江ノ島の前、20メートルダチに到着です。持参したのはステファーノシリーズ4本。この釣り場は荒根周り、必然的に縦の釣りとなるので、迷わずHHHを使用します。

 まだ暗いうちからの釣りなので、カワハギの活性は上がりませんが、キタマクラだけは元気です。タナは底中心。エサ取りに交じって時おりアタリを送ってくるのは15センチ弱のカワハギ、いわゆるワッペンです。

▲ エサ取りと本命のアタリを区別して掛けにいく

▲ 江ノ島沖ではこんな小型も

 さすがHHH。フグ、ベラ、カワハギのアタリをしっかり区別して手元に伝えてくれます。数枚の本命を釣ったところで、船は10分ほど走って稲村ケ崎の沖合、30~35メートルダチへ移動します。

 ここは平たんな砂泥地にツブ根が交じる海底。まずはS180でキャストしての横の釣りで釣り始めますが、今度はトラギスの猛攻撃です。カワハギも相変わらず中小型が中心ですが、船中では数枚大型が上がっています。掛けにいってしまうとワッペン、大型は底で仕掛けを動かさないほうがいいようです。

▲ 30メートルダチではトラギスとベラに悩まされた

 昼前にツ抜けを果たしましたが、掛け損なったり、バラシがあったりで納得できません。そこで、今後は久しぶりに「ステファーノ 攻 H177SP」にチェンジ。釣り方も縦の釣りに変え、底から2メートルまでをていねいに誘います。

 するとどうでしょう、時合がきたのかもしれませんが、投入ごとにアタリ。今まで底ばかりだったタナも1メートル上でアタるようになりました。

▲ 久しぶりのSP。もっと早くHHHに替えていれば

 これならHHHに戻す方法もあったでしょうが、交換に時間をかけるのが面倒で、そのまま納竿の13時まで釣り続けてしまいました。

 釣果は13~23センチを17枚、船中では3~17枚でした。竹岡沖に似た海底条件でS180に固執してしまいましたが、もっと早く硬めの竿を使って縦の釣りに徹すればと後悔しました。

▲ 終盤になってようやく掛けた良型

▲ 終盤に一時入れ掛かりの時間帯も

これからの釣行におすすめ - ステファーノ 攻 HHH173

 これから水温が下がってくると、カワハギは深場へ落ちていきます。30メートル以上は当たり前、城ケ島沖や富浦沖では50メートルを超える釣り場も狙うようになります。


 そんなときこそHHHの出番。深い水深や速い潮の流れであっても、穂先から竿全体の張りがしっかりと受け止め、目感度では取れないアタリを的確に送ってくれます。私の釣行でも使用頻度が高くなるのはこれからだと思っています。

使用タックル製品情報

ステファーノリミテッド MH175A
ステファーノ 攻 HHH173 / S180 / H177SP

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PROFILE プロフィール

鈴木 孝(すずきたかし)

1963年生まれ。カワハギをはじめ、マルイカ、湾フグなど「アタリをとる釣り」に精通。東京都江戸川区在住。釣り歴45年以上。幼少のころから様ざまな釣りに親しむ。船釣りは中学生のころから自宅から近い浦安の吉野屋に通い詰め、ハゼ、シロギス、カレイなど江戸前の小物釣りを楽しむ。現在はカワハギを中心にマルイカ、アナゴ、フグなど釣行は年間70回以上。カワハギ歴は約15年以上。2007年ごろから競技に重点を置くようになり、様ざまな大会に出場するようになる。主なタイトルは2015シマノステファーノグランプリ優勝。シマノインストラクター、チームステファーノ&くろしおマスターズ所属。