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ステファーノ 攻 4アイテムを知る

9月に入ってからも、今一つカワハギの状況が上向きません。ここへきて、内房竹岡~金谷沖、相模湾腰越沖からも乗合がスタートしましたが、よくてトップ2ケタ程度。依然として高水温などが関係しているようです。さて今回は「ステファーノ 攻シリーズ」に新たにHHH173が加わったこともあり、もう一度攻シリーズについて解説します。

 シマノのハイエンドなカワハギ竿のシリーズには現在「ステファーノリミテッド」に2アイテム、「ステファーノ 攻」に4アイテム存在します。前回まではリミテッドを解説したので今回は攻、4アイテムすべての特性を紹介してみます。

▲ ステファーノ 攻シリーズは4アイテム

 攻シリーズはリミテッドシリーズに比べ、個性を持たせているのが特長です。リミテッドは、カワハギ竿の「ど真ん中」といえるバーサタイル調子、ゼロテン、タルマセ、宙の釣り、浅場から深場まで、高次元でカバーする順応性を備えています。

 今回紹介する攻シリーズは、ど真ん中とは一線を画す調子。リミテッドより軟らかめ、もしくは硬めのポジションで、どちらかといえば限られた局面での存在感を発揮する竿となっています。

各アイテムの特長

極軟グラストップで徹底的に目感度重視。
ステファーノ 攻 SS175

 穂先に柔軟なグラス、穂持からバットにかけてはHHH相当の硬さを持つという特殊な調子。極軟穂先のグラス製ビビッドトップはとくに低活性時のわずかな触り、エサ取りのアタリも確実に目感度として表現してくれます。


 スナイパー釣法ではゼロテン、オモリを付けたまま集寄だけを揺らした状態でのアタリの感知、宙での穂先を曲げきった状態で穂先の不自然な動きのアタリのほか、手感度のアタリも表現してくれます。

喰わせ重視の柔軟設計、低活性時に活躍
ステファーノ 攻 S180

 穂先のタフテックインフィニティを長めに取り、胴からバットにもやや柔軟性を持たせたS調子。集寄や中オモリを使用しオモリを底に着けて釣る場面を想定し、動かす、止める、待つの誘いで底ダナ、低活性時のアタリを取っていく。捕食パターンの遅いときにもアタリを弾かず喰い込ませる釣りに最適です。


 スナイパー釣法では投げてカーブフォール、オモリ着底後はテンションフォールを駆使した横の釣り。カワハギの口を下に向かせて違和感なく掛けていくパターンに効果的です。


これぞスナイパーロッド、手感度と操作性
ステファーノ 攻 H177SP

 スナイパー釣法に最適な竿として誕生したのがこの竿。カーボンモノコックグリップ搭載による手感度重視のH調子でありながら、激短カーボンソリッドの目感度とも相まって、前アタリの触りも表現。リールシートは攻シリーズ唯一のトリガー付きマルチパーミングタッチCI4+シート搭載。


 まさにスナイパー釣法のためにある竿。ブレなく確実な誘いを演出し、縦の釣り、横の釣りなど自由自在。スナイパー釣法のオールマイティロッドです。


手感度重視、攻撃的な釣りに最適な超硬調子
ステファーノ 攻 HHH173【NEW】

 HHH171がリニューアルして今年新登場となったのがこの竿。文字どおり超硬調アイテム、SSとは対極にある手感度重視モデルで、宙釣り、誘いから積極的に掛けにいく攻撃型釣法にすすめたい1本。カーボンモノコックグリップの搭載で手感度はさらにアップ。Xシートフロントトリガーの搭載は、疲れの軽減とパーミング性能も向上しました。


 スナイパー釣法では宙から縦の釣りに多用。とくに深場、速潮時の縦の釣りではSP以上に活躍する場面もあります。個性あふれる竿ですが、マニアにはとても人気のある竿です。

南房洲ノ崎沖での実釣

▲ 左から長めのグラスを配したSS、タフテック∞のS180、激短カーボンソリッドのH177SP、HHH173

 ステファーノ 攻4アイテムを持参して釣行したのは、今期初となる南房洲ノ崎栄の浦港、早川丸さんからの出船です。

 9月中旬から乗合をスタートしましたが、他の釣り場同様、とても好調とはいえない状況です。とくにカワハギ釣り場としては南方に位置しているせいか、高水温の影響がもろに現れているようです。

▲ この日は館山~富浦沖まで幅広く攻めた

 5時半に出船し、スタートは館山湾内の15メートルダチ、その後富浦沖、洲ノ崎沖など初期の釣り場はくまなく回りました。館山湾内は私のホームグラウンドでもあり、夏~初秋にかけては捕食スピードが遅く、底中心のタナでじっくり喰わせる釣り方がメイン、必然的にS180が最適となります。

▲ 館山湾周辺は鈴木さんのホームグラウンド、S180を使用することが多い

 10センチハリス、吸わせ系のハリ、キャストしてカーブフォールから揺さぶり、止めという横の釣りを駆使しますが、他の釣り場同様、元気なのはキタマクラばかり。

▲ 掛かれば良型は今期の特長

 1時間もたってようやく1枚目を釣りましたが、あとが続きません。掛け遅れもあったので途中からHHH173にチェンジ、数枚を追加して12時前に納竿としました。

▲ 終盤はHHH173で掛けにいく釣り方を披露

 洲ノ崎沖も本格化とはいえない状況ですが、原因はハッキリしています。10月以降、水温が下がってくれば例年どおり中大型の数釣りが楽しめるはずと確信しています。

▲ 20センチ弱の中型も数上がった

使用タックル製品情報

ステファーノ 攻 SS175 / S180 / H177SP / HHH173

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PROFILE プロフィール

鈴木 孝(すずきたかし)

1963年生まれ。カワハギをはじめ、マルイカ、湾フグなど「アタリをとる釣り」に精通。東京都江戸川区在住。釣り歴45年以上。幼少のころから様ざまな釣りに親しむ。船釣りは中学生のころから自宅から近い浦安の吉野屋に通い詰め、ハゼ、シロギス、カレイなど江戸前の小物釣りを楽しむ。現在はカワハギを中心にマルイカ、アナゴ、フグなど釣行は年間70回以上。カワハギ歴は約15年以上。2007年ごろから競技に重点を置くようになり、様ざまな大会に出場するようになる。主なタイトルは2015シマノステファーノグランプリ優勝。シマノインストラクター、チームステファーノ&くろしおマスターズ所属。