約4年間続いたコラムは今回が最後となりました。スナイパー釣法の解説をメインに、ステファーノ製品紹介、関東各地のカワハギ釣り場攻略、そしてスナイパー釣法を応用したフグ、マルイカなどの釣りも紹介してきました。まだまだ言い足りないことは山ほどありますが、次のステップを目指していったん幕を引かせていただきます。
▲ 夜が明けたばかりの富浦沖で第1投
コラムのスタートは2016年でした。それまで、どちらかといえばマイナーだったスナイパー釣法でしたが、今では船に乗れば必ず見かけるほどとなりました。これからもカワハギ最強釣法として、微力ながら強くアピールしていくつもりです。
スナイパー釣法の利点
まだまだご存じない方のために、改めてスナイパー釣法のメリットを紹介します。
- 1上下の誘い幅を稼げる
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両手で竿を持ち、竿を海面と平行に構えるスナイパー持ちは、竿全体を上下にスライドさせることで、誘いの幅が広がります。ウネリがあるときでも穂先がブレないので、仕掛けを安定させられます。
- 2感度を高める
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視線の真正面に穂先を保つので、目感度が上がります。さらに利き手をリールシート、もう一方の腕の手中にリアグリップを置くことで、これまで以上に手感度を高めることができます。
- 3疲労の軽減
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両手持ち、リールシートの位置を支点としたテコの原理を応用することで、長時間の釣りでも疲労を抑えてくれます。女性や子ども、非力な方にもおすすめできる釣り方といえるでしょう。
- 4的確な誘いが可能
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肘の曲げ伸ばしと上下の動きを組み合わせると、誘い上げ、誘い下げ、揺さぶり、タルマセ、ゼロテンションなど様ざまな誘いを的確に行えます。
- 5その他
- 両手持ちの特徴から電撃アワセを抑止でき、その時どきに合致したアワセ時を判断しやすくなります。またパワー、感度、調子、操作性など、竿本来が持つ特性、素材による違いなども判断しやすくなります。
以上がスナイパー釣法のメリットです。そしてこの釣り方をサポートするのがシマノの「ステファーノ」タックルです。竿にしろリールにしろ、スナイパー釣法には最適なタックルです。これから本格的にカワハギ釣りを覚えたい方、初心者の方もぜひスナイパー釣法を実践していただければと思います。
▲ 大きく体をのけぞらしてアワセるのもスナイパー釣法の特徴
思い出の地、内房富浦沖
▲ 乗船者10人でゆったりと
コラムを締めくくるにあたり、なんとしても訪れたかったのが内房富浦沖の釣り場です。ここは常宿だった那古船形のくろしお丸(現在は廃業)で、私自身がスナイパー釣法を熟成させた地でもあるからです。
乗船したのは内房勝山港の萬栄丸。地元勝山沖にも好ポイントが点在しますが、この時期は富浦沖がメインとなります。まずは18メートルダチからのスタートでした。コラム最後ということもあり、今回だけはスナイパー釣法に最適な竿「ステファーノ 攻 H177SP」を使用します。
▲ ステファーノ 攻 H177SPで一日を通すことに
富浦沖の象徴ともいえる大房岬周辺は水深10メートルから50メートル前後の深場まで、根あり砂地ありの変化に富んだポイントですが、宙でアタるのは少なく、ほとんど底狙いとなります。加えて捕食スピードが遅いのも特徴です。
この日は浅場狙いなので、スナイパーズメソッド横の釣り、軽く投げてカーブフォールさせ、オモリ着底後にくるアタリを取る釣り方でした。
▲ 中盤からは入れ喰い状態に
いつもなら揺さぶりで誘いますが、この日は仕掛けを動かさず、小さなアタリを取り、早アワセせずに本アタリで掛けていきます。水温が下がってくると、こんな釣り方が富浦沖の攻略法となります。
前日はトップで11枚という喰い渋りでしたが、この日は潮の流れがよかったのか開始からポツポツと釣れ上がり、2時間ほどで早くもツ抜け。中盤からさらに活性が上がり、一時は1投1枚の入れ喰いもあり、終わってみれば27枚の好釣果でした。型もワッペンは交じらず、20センチ前後の良型中心。締めくくりとしては最高の釣りを楽しめました。
▲ この日は数型ともに大満足の一日だった
▲ 20センチ前後と型もまずまず
▲ この時期に27枚なら上出来
- コラム終了にあたって
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4年間にわたり、掲載させていただいた「スナイパーズメソッド」も今回で終了です。振り返れば取材で色いろなカワハギ釣り場に出向き、スナイパー釣法でパターンを見い出しつつ自分自身の引き出しも増やし、「カワハギ釣りを細分化して考える」ことができるようになりました。
とともにコラムで紹介したアイテム、ハリ、仕掛け、集寄、中オモリなどスナイパー釣法での使用方法、理論~結果、そしてこの4年間で発売されたステファーノ5種類の竿の特長や使い分けなどが皆様にも少しは伝わったのではないかと思っています。
コラムは終了しますが、スナイパー釣法はまだまだ進化していきます。またこのような機会をいただければ、いつでも協力する所存です。長い間のご愛読、ありがとうございました。
鈴木 孝