カワハギトーナメントも年内で一段落。思うような成績は残せませんでしたが、来期につなげる感触は得られることができました。年明けからはのんびり、じっくり、試行の繰り返しでカワハギと対峙し、自分なりの引き出しをもっと増やしていきたいと思います。
▲ ステファーノ 攻 S180は柔軟な調子設定。穂先の目感度は抜群だ
前回に引き続き、今期の動向に合わせた最適な釣り方、竿選びについて話を進めます。
12月に入って速潮も落ち着き、各釣り場とも本来のカワハギ釣りが楽しめるようになりました。今期は開幕から今一つの状況が続いていましたが、ようやく水温が下がってきたせいか、ここへきて釣況が上向いてきた釣り場が目立っています。
依然として10メートル台の浅場で釣れるポイントもあり、年明け以降もまだまだ楽しみな状況となっています。
今回、おすすめするのは「ステファーノ 攻 S180」、つまり全体的にしなやかな調子を持つ竿の、状況に合わせた使用法と釣り方です。
縦や宙の釣りでも効果的
スナイパー釣法では基本的に「ステファーノ 攻 H177SP/同リミテッド」を始めとした硬めの竿を使いますが、捕食スピードが遅かったり、エサの喰い込みが悪いときなど、つまり活性の低い場合はしなやかな穂先を持つ目感度に優れた竿、S180の出番となります。
自重わずか76グラム、カーボンソリッドの繊細な穂先、穂持からバットにかけては粘りのあるパワーでバラシも防いでくれる柔軟調子の設定となっています。
スナイパー釣法で釣る場合、オモリ25号、潮の緩いポイント、30メートル以下の浅場などでの使用をおすすめしますが、もともと軟らかめの竿が好みの方は、オールシーズン愛用されているとも聞いています。
S180はスナイパー釣法、横の釣りでの使用が一般的です。キャストしたあと、通常は高さ出しで2メートルくらい揺さぶりで聞き上げますが、S180を使用する場合は50センチまでにとどめておきます。柔軟な穂先は穂持まで曲げすぎてしまうと目感度が損なわれるからです。
詳細は図にあるとおり、カーブフォールで下ろしたあとはゼロテンで待つか、再び高さ出しの繰り返しとなります。
この竿はタフテック∞搭載の穂先部分、オモリを背負わせたときの曲がりしろを長めに設定してあるので、オモリを底に着けた状態での目感度に優れ、アタリを弾きにくい長所があります。
▲ バラシを防止する粘りとクッション性も特長
ゼロテン時のフトコロが広いので道糸を張ったり緩めたりも自在、もたれるだけのアタリも穂先の曲がり具合で感じ取ることができます。
▲ アワセが決まれば気持ちよい曲がりを見せてくれる
もう一つは縦の釣りでの使用です。もちろん高さ出しから誘い下げ、ゼロテン釣法なども可能ですが、最近エキスパートが採用しているのが、オモリ1個分から50センチくらい底を切ってユラユラと揺さぶってアタリを待つ釣法です。
小さなアタリを目感度、もしくはカーボンモノコックグリップを通して伝わる手感度で取り、掛けにいく釣り方です。
タナが低かったり、活性の低いカワハギには効果的で、横の釣りから仕掛けが船下にきたら、この釣り方に切り替えるのも効率的です。
▲ 活性の低い状況で活躍する
宙の釣りでもS180が活躍する場面がありますが、主に浅場、潮が緩いときなどに有効です。アタリがあっても弾いてしまったり、アワセても掛かりにくいときなどにS180のしなやかさがオートマチックにハリ掛かりさせてくれます。根の荒い剣崎沖、内房や相模湾の根周りを狙うときなど、攻 H177SPやリミテッドの予備として持参することをおすすめします。
穂持から胴にかけては掛けるパワーも備えている
▲ 良型の多い釣り場ほど安心できる
最後にS180を使用したときのおすすめ仕掛けです。活性の低い状況下では、吸わせ系のハリ(ハリス10センチ)を使うのが一般的ですが、3本のうち1本はハゲ系(同6センチ)を交ぜるといいでしょう。突然活性が上がって、ハゲバリばかりに掛かることも少なくないからです。
12月中旬現在、依然として竹岡沖、下浦沖、剣崎沖などでは30メートル以浅のポイントがメインなので、しばらくはS180が活躍する状況が続くはずです。