今期のカワハギは不調のままでシーズンを終えるのかと思いましたが、ここへきて各地とも徐々に上昇気配となってきました。ただし、台風通過の影響か速潮、濁り潮に見舞われる場合が多く、釣り方にはひと工夫必要です。今回は速潮対策をメインに竿選びと釣り方を解説します。
大会、取材、プライベート釣行とここ数カ月はカワハギ三昧。8月以降、大型台風が通過するまで、一時はどうなることかと思いましたが、天候が安定するとともにようやく上昇気配となってきて、胸をなで下ろしています。
▲ 竹岡沖も中小型が交じりだし、日に日に釣況が上向いてきた
この間、主に釣行したのは東京湾竹岡沖、三浦半島剣崎~城ケ島沖です。いずれも私が得意とするポイントですが、今年は例年どおりの釣り方が通用しません。
台風の影響でしょうか、今年はどの釣り場も速潮に見舞われる日が多いうえ潮の濁りもひどく、カワハギがいても口を使わせるのに苦労しています。
しばらくはこんな状況が続きそうなので、これまでの経験から現在の状況に対応した釣り方、竿選びなどを紹介してみたいと思います。
硬めの竿でレスポンスよく
濁り潮対策については、発光体や発光ビーズの使用、グロー系のオモリの使用など、色いろと対策はありますが、フグを寄せるデメリットもあり、どちらともいえません。釣り場の様子で判断するしかないと思います。
今回取り上げるのは速潮対策で、これは30メートル以上の深場狙いでも役立つはずです。
▲ 速潮にはステファーノ攻 H177SPとステファーノリミテッドがおすすめ
▲ 速潮対策には道糸を細くする手もあるが、根掛かりが心配。基本的には1号で通す
先日、剣崎沖へ釣行したときのことです。指示されたオモリ30号で釣り始めたのですが、投げても仕掛けがすぐに船下へ戻ってしまいまったく横の釣りができませんでした。
船下狙いに切り替えても、チョイ宙で待っているつもりが、いつの間にかオモリが浮き上がってしまい、数メートルも上で釣っていたこともありました。
▲ 宙で釣るときは仕掛けをあまり動かさないこと
▲ 潮上に向かって軽く投げる程度。ほとんどが船下勝負だ
原因は速潮です。周囲の釣り仲間に聞いてみると、やはり同じような日が何度もあったようです。速潮にはそれなりの釣り方が必要と思い、自分なりの対策を考えてみました。
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- 仕掛けの注意点
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まったく潮が動かないときと違い、仕掛けやハリスがほどよく張ってくれるのでアタリは出やすくなります。そのメリットを活かして喰いのよい10センチハリスがおすすめ。ハリは底狙いなら吸わせ系、宙ならハゲ系がおすすめです。
- タナが底の場合
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まず、横の釣りは切り捨てて縦の釣りに徹することです。縦の釣りでは、オモリが着底したら2メートルほど高さ出しして揺さぶりながら誘い下げていく釣り方ですが、速潮では高さ出しを1メートルほどに抑えます。
オモリを着けた状態から、前回解説したテンションフォールやナチュラルフォールの繰り返し。根のきついポイントではあまりフォールさせると根掛かりしやすいので、すぐさま高さ出しに移ります。
底狙いだからといってあまりオモリを底に置きすぎるとオマツリの原因となるので、テンポよく仕掛けを上げ下げするのがコツです。
速潮時は捕食スピードが遅くなるので、じっくり喰わせて合わせることも必要です。
- タナが宙の場合
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剣崎沖や竹岡沖の深場狙いでは度たび宙釣りが効果的となります。縦の釣りでは宙でアタリを取り、誘い下げで喰わせる釣り方を行います。
もちろんその釣り方で十分なのですが、底はエサ取りだらけ、カワハギはその上層で喰ってくるケースも多々あります。たとえば底から1メートルで喰ってくるならその場所で仕掛けを止めてアタリを待つ釣り方、つまり竿を動かさずジッと待つ(時おりは底ダチを取る)だけ。これは速潮時にとくに効果的です。
- 速潮時の竿選び
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軟らかめの竿では潮に押され、目感度はもちろん、小さなアタリを消されてしまうこともあります。いずれにせよ、速潮時に有効なのは胴に張りがあり、軽量高感度、手感度優先の硬めの竿となります。
一推しは「ステファーノ攻 H177SP」となります。小さなアタリも漏らさず伝え、捕食スピードに合わせたタイミングを提供してくれるはずです。レスポンスに優れているので、オモリの着底も分かりやすく、速潮であろうと思いどおりに仕掛けを動かせるからです。
浅場や緩めの潮での底狙い、宙でアタリを弾いてしまうようなら「ステファーノリミテッド」と使い分けます。
次回は今シーズンの状況に合わせた「ステファーノ攻 S180」の効果的な使用法などについて紹介します。