カワハギファンにとっては厳しいシーズンでした。まだ一部の船宿で乗合出船していますが、ここらでいったんカワハギを離れ、フグ、マルイカの釣り方を紹介したいと思います。いずれも私がカワハギの次に好きな釣り物、スナイパー釣法にも共通する要素を多分に含んでいますので、本格的に始めたい方、今一つ釣果ののびない方には参考になるかと思います。
▲ スナイパー釣法は湾フグが起源、多くの部分がカワハギ釣りと共通する
すでにご存じの方もいるかと思いますが、スナイパー釣法は東京湾のフグ、通称「湾フグ」での釣りが起源です。私にとってはカワハギに匹敵するほど思い入れの強い釣り物で、一時は毎週のように通い詰めていたときもあったほどです。
スナイパー釣法の利点
わずか数ミリの穂先の動きでアタリを取る湾フグ(ショウサイフグ)では仕掛けの安定性、操作性がとくに重要となります。
両手で竿を持つスナイパー釣法は強い風やウネリに対しても穂先がブレづらいので、アタリを取りやすい利点があります。疲労度も抑えてくれるので、長時間の釣りにも対応できます。
▲ 10号のオモリを付けてこのくらい曲がる穂先の柔軟さが必要
フグ釣りではアタリ→即アワせが基本ですが、スナイパー釣法ではリールを支える手が支点となるアワせ方となるので、確実で迅速なアワせも可能となります。
最適なタックル&仕掛け
▲ リアランサーXワンフグ(下)と予備竿にステファーノ攻SS175
▲ 常に予備竿は必要
フグのアタリは基本的に目感度で取るので、柔軟な穂先とカットウバリに掛ける穂持のパワーが要求されます。
私が愛用している竿はシマノの「リアランサーXワンフグ」です。穂先には先径0.8ミリの柔軟なグラスソリッド、チタンフレームトルザイトリングガイド、ブランクスにはスパイラルX構造で感度は抜群、穂持ちのパワーもあって掛け損ねも防止してくれます。
リールは高速巻きタイプの「スティーレ100XG」を使用。掛けた後に海面に向かって泳ぐ傾向のあるフグに対して、ギア比が8もあるので素早い対応ができます。
仕掛けは一般的なカットウ仕掛けで、喰わせバリは付けません。カットウ仕掛けは掛けバリまでの長さを9.5センチと短めにして掛けやすくしています。
▲ 自製仕掛け。チラシ仕掛けも予備に持参
▲ エサ付けはエビがズレないように
▲ 30センチ前後を中心に40センチに迫る大型も
スナイパー釣法での釣り方
▲ ショウサイ狙いでのメイン釣り場は大貫沖だ
東京湾のフグは富津~大貫沖の水深5~10メートルがメインのポイントとなります。海底はツブ根があるものの、根掛かりは少ないので、キャストして幅広く探る方法が効果的です。
まず、軽く投げて仕掛けが着底したら1メートルほど高さ出し。その位置から穂先のコントロールで、ゆっくりとカーブフォールで仕掛けを下ろしていきます。速く下ろしてしまうと、掛けバリがエサの位置より上にきてしまい、着底直後のアタリを掛けられないからです(図参照)。
アタリは基本的にゼロテンションで取り、ステイの時間は活性の高いときは3秒前後、渋いときは10秒前後とします。また、潮が速いときは待ちすぎると仕掛けが流れてオマツリしてしまうので、潮の流れに合わせて短めとします。
アタリは仕掛けが着底した瞬間から数秒後にくることがほとんどです。
アワせは鋭く、穂先を30センチくらい強くシャクる感じで行います。うまく掛かればズンという重量感、掛かり所によっては穂先が激しく震えたりもします。ここが湾フグのおもしろいところ。一気にリールを巻いて、負荷を感じたらゆっくり巻いてヤリトリに入ります。
▲ 掛かり所を見て抜き上げよう
またカーブフォールで下ろしているときにエサに絡みついてくるアタリもありますが、仕掛け着底後にアワせを入れたほうが確実です。
湾フグは間もなく乗っ込みの好期。それまでは厳しい釣りが続くかもしれませんが、とりあえず2ケタ釣果を目標に釣行してみてください。
▲ いい日には2ケタ超えもある