今回もスナイパー釣法を応用したフグ釣りを紹介します。前回は東京湾の湾フグでしたが、今回は茨城~外房にかけての通称「外フグ」の釣り方について説明します。小さなアタリを取り、掛けて釣るフグはカワハギ釣りとほぼ共通、オモリの重さも同じとなれば、スナイパー釣法が適応する要素は十分。これから本格化する茨城方面で参考になればと思います。
▲ 外フグはゼロテンションを安定して維持することがポイント。まさにスナイパー釣法の出番
外フグの盛んな港は外房大原港ですが、5月の連休明けから禁漁となってしまいます。一方、茨城方面では目下ヤリイカで賑わっていますが、一段落する5月以降から乗っ込みの好シーズンとなります
▲ 25~30センチ級の良型がそろうのが特長
外フグに適したタックル
オモリ10号で狙う湾フグに対し、外フグは25~30号、アオヤギエサを使用します。この重さはまさにカワハギ釣りと共通、スナイパー釣法の経験者であればスムーズにトライできるはずです。
竿先に出る小さな動きでアタリを取るフグ釣りでは、繊細で柔軟な穂先と、確実にハリに掛ける穂持から胴にかけてのパワーを持つ極先調子の竿が向いています。
▲ 外フグにはこんな調子が適している
ある意味カワハギ竿に共通していますが、手感度より目感度、シャクリやすさを優先すると、やはり専用竿がおすすめ。私が愛用するのが「リアランサーXカットウフグ」です。
- リアランサーXカットウフグ
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全長 1.55m -
継ぎ数 2本 -
自重 85g -
オモリ負荷 25~40号 -
カーボン
含有率80.5% -
メーカー希望
本体価格3万5500円
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穂先は柔軟で繊細、グラスソリッドにカーボンテープで補強したハイパワーXソリッド採用、ブランクスは軽量カーボンにスパイラルX構造でシャープに操作することが可能です。
予備として持参するのは「ステファーノ攻SS175」、同じくグラスソリッドにカーボンブランクスは、カワハギ竿ながら外フグにも通用する性能を十分に持ち合わせています。
リールは剛性、パワー、巻き心地に優れた「ベイゲーム150DH」がおすすめ。深場狙い、予期せぬ大物などに対しても55ミリパワーダブルハンドルに特大ハンドルノブ装着で、パワフルな巻き上げと滑らかな巻き心地を与えてくれます。
道糸はPE1.5~2号、先糸は6~7号とやや太めのシステムなのは、根掛かりしたときに、掛けバリが伸びて回収できることもあるからです。
▲ 自製仕掛けは最低でも10組を持参
外フグこそスナイパー
▲ 掛かり所もバッチリの1尾目
外フグのキモは安定したゼロテンションの維持と、機敏でシャープなシャクリ(アワせ)にあります。
平場では軽くキャストして仕掛けが着底したらゼロテンションを維持。この方面はナギといっても多少のウネリは覚悟する海域。両手で竿を支えるスナイパー持ちはウネリや風に対しても、穂先がブレづらく安定したゼロテンションをキープできます。
▲ 鹿島港出船では30メートル前後を狙う
数秒待ってから50センチ(仕掛けの約2倍)幅でシャープなシャクリ、アタリがなければ50センチほど誘い上げ、カーブフォールの手順です。シャクリは誘いにもなり、寄ってきたフグに対する空アワせにもなります。
アタリは仕掛け着底時の瞬間、ゼロテンションのキープ時に出るのがほとんど。アタリはわずかに穂先が動く程度のものから、手感度で伝わるものまで千差万別。少しでも異変を感じたらアタリ即アワせで掛けにいきます。
たとえ掛け損じても一つのエサに執着、エサがなくなるまで追いかけてくる場合が多いので、ひと呼吸おいてエサを喰う間を取りながら掛かるまで何度もアワせてみてください。
▲ 喰いが立ったら手返しよく釣ろう
また、6月あたりから乗っ込みの群れを狙うとき、根の真上を攻める場合があります。2本の掛けバリの付いた外フグ仕掛けでは、着底即根掛かりの事態も多く、いくら仕掛けがあっても足りません。
少しでも根掛かりを防ぐために、1本バリでの対応、加えて底から0.5~1メートルのタナをキープすることも頭に入れておきましょう。
▲ ゲストにはムシガレイのほかイシガレイ、ナメタガレイが交じることも