カワハギは周年の釣り物。バイオリズムで見てベストシーズンが秋から冬とすれば、これからの季節は最も下降線を描くとき。とくに決して好調とはいえない今シーズンはどんな展開が待っているのでしょう。今回は厳寒の2月に釣行した模様をもとに、これからのカワハギ攻略を考えてみます。
▲ スタートはS180、後半は177SPという使い分けだった
▲ 出船前に船長や常連さんの話を聞いて作戦を立てる
今シーズンのカワハギはここ数年の釣れ具合から見れば最低ともいえる状況でした。取材、プライベートを含めて相当数の釣行回数をこなしましたが、20枚を超える釣果は数えるほどしかありませんでした。
高水温、台風の連続上陸、潮流の関係など色いろな原因が考えられますが、明らかな原因は高水温にあると思います。たとえば東京湾のポイントでは、いまだに17度台となる日が少なくありません。
これは三浦半島周辺、相模湾でも同様です。結果的に40~50メートルの深場、つまり冬場に群れが固まるポイントではほとんど釣れません。現在狙っているポイントでも20メートル前後が中心です。こんな年はこれまで未経験、それが今期の釣れ具合につながっていると思います。
▲ 終日竹岡沖の水深20メートル前後を攻めた
強風のためSPにチェンジ
そんなシーズンでもカワハギ釣りはそれなりの楽しさを提供してくれます。今回はシーズン終盤の攻略法と8月の剣崎沖解禁までの流れを私なりに解説してみます。
2月中旬、釣行したのは三浦半島久比里の山下丸。このところの釣果は20センチ前後の中型を中心にトップで10枚前後。釣果が渋いといっても15人の乗船者、やはりこの時期なりのおもしろさを分かっている方がたに違いありません。
「竹岡~久里浜沖を狙います。この時期竹岡沖は終わっているんですけど、水温がまだ17度くらいあるんですよ」と船長。
例年なら下浦~剣崎沖を狙っているのですが、これも高水温が原因でしょう。でも食味のよい竹岡沖なら文句のあるはずがありません。
用意した竿は「ステファーノ 攻 H177SP/S180」それに「ステファーノリミテッド」の3本です。横の釣りメインの竹岡沖、捕食スピードの遅さを考慮してまずはS180を選びます。
ところがこの日は北風が10メートル以上というシケ。横風を受けながら30分ほどかけて釣り場に着き、20メートルダチで釣り開始。
仕掛けは図にあるとおり。オーソドックスなパイロット仕掛けで、状況によりハリを替えたり、集寄や中オモリも使います。
開始しばらくはアタリがありません。この時期はエサ取りも少ないので、アタればカワハギという感じです。
釣り方は軽く投げて、オモリ着底後に高さ出し。カーブフォールさせて揺さぶり、止めのパターン。スナイパーズメソッド横の釣りです。
30分ほどしてコツコツという小さなアタリが出始めます。明らかにカワハギです。何度か掛け損ねた末、止めの時間を長く取って合わせにいくと、うまくハリ掛かり。20センチ級の中型でした。
▲ この日は20センチ前後の中型だったが、キモはタップリ
しかし、風が強いので穂先が安定せず、小さなアタリを取りきれないので、途中からステファーノ 攻 H177SPにチェンジ。タナはベタ底ではなく、上バリにも掛かってくるので、集寄などは付けずに釣ります。
SPに替えてからアタリは取りやすくなったものの、掛けきれないケースも多く、「もっと風が収まればなぁ」と同行のステファーノメンバー、小林直樹さんも嘆いています。
▲ スナイパー釣法が3人並んだ
▲ 小林さん、一時連チャンタイムも
ただ、こんな状況でも断続的にアタリはやってくるので、手は休めません。というより、こうしたカワハギ釣りは、自分の引き出しを増やせる利点もあるからです。
午後からは風は収まったものの、潮が動かなくなり、アタリも少なくなってしまい、やがて14時半の納竿時間。船中の平均は3~4枚、小林さんが7枚を釣って竿頭でした。
▲ チームステファーノの中園智晴さんも同行し、中型ゲット
▲ 25センチ級が最大だった
これから7月いっぱいまでカワハギ乗合は久比里の3軒、小網代の1軒程度となります。久比里出船ではしばらく竹岡~久里浜沖、または剣崎~下浦沖を攻め分ける展開となります。
乗っ込みシーズンに入ると、10メートル前後の浅場も狙うようになるでしょう。6~7月は剣崎沖が禁漁となるので、鴨居~下浦沖がメインとなります、
いずれにせよこれからの時期のカワハギは捕食スピードが遅く、派手なアタリは出しません。しっかり喰わせて、小さなアタリを漏らさず取っていく釣り方になります。状況に合わせたタックル、仕掛け選びがより大切になります。