前回報告したとおり、いったんカワハギ釣りのメソッドから離れて、他の釣り物にスポットをあててみたいと思います。沖釣りは魚種多彩、その中で私がカワハギに次いで釣行回数の多いのがマルイカとフグです。今回は本来なら好シーズンとなるマルイカ、私なりの釣法を解説しましょう。
▲ アワセはシャープに(バイオインパクト マルイカ)
三浦半島久比里では周年カワハギ乗合を出しているように関東エリアではまだまだ狙えますが、産卵の終わる夏までいったんカワハギから他魚種の釣法解説に切り替えたいと思います。
私の釣行回数からみると、カワハギの次に多いのがマルイカ、フグです。とくにマルイカは本格的にカワハギ釣りが始まる夏までの期間、もっとも足を運ぶ釣り物となっています。
今シーズンは本来なら盛期インしているはずですが、開幕も遅れ、釣果にもムラがあるようです。今後の上昇を願う意味でも、まず私なりのマルイカ釣法を解説しましょう。
▲ 渋い日に釣れた1杯は格別
全長10mの仕掛けがキモ
▲ 三浦半島西部~相模湾の出船では三戸浜~城ケ島沖を狙う
アタリの感知、アワセのタイミングなど、マルイカ釣りはカワハギ釣りと共通する部分を多く持つテクニカルな釣りです。本格的に始めてまだ10年くらいですが、現在の主流、ゼロテン釣法を習得してからなんとかベテランに肩を並べられるようになりました。
▲ マルイカではリールを包み込むように持つとタタキやアワセをしやすい
マルイカのゼロテン釣法で、まずキモとなるのがタックル、とくに竿です。目感度を優先させるための長く細い穂先、イカを掛ける穂持のパワー、扱いやすい長さと軽さなどを考慮しての竿選びとします。
▲ バイオインパクト(上)とマルイカBB、リールはいずれもベイゲーム150DH
私が愛用しているのがシマノ「バイオインパクトマルイカ」で3アイテムあるうちの82 SS165です。穂先にタフテックα、スパイラルXコア+ハイパワーXのブランクスというテクノロジー。わずか71グラムの本体重量ともあいまって十分過ぎるほどのスペック。
予備として持参するのが「マルイカBB」の82 SS155という、コストパフォーマンスに優れた専用竿。いずれもゼロテンに特化したモデルといえます。
使用するリールは「ベイゲーム150DH」、マイクロモジュールギアの滑らかな巻き心地、55ミリ長のパワーダブルハンドル、十分な糸巻き量など、マルイカには最適なリールだと思っています。
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釣り方は図にあるとおり。ひとくちにゼロテン釣法といっても、人それぞれで様ざまな釣り方があります。私の釣り方はオモリ着底→タタキ→ステイ→巻き落としという一連のパターンをスピーディーに行うことにあると思います。ステイの時間は2~3秒、❶ ~❺の動作を2~3回繰り返して、触り(アタリ)がなければすぐに巻き落としします。
▲ ステイの時間は2~3秒
というのも、活性の高いマルイカだけを掛けにいきたいからです。やる気のあるマルイカは触っては離れ、触っては離れを繰り返す傾向にあるようです。
これは「触りを取ってアワセる」というゼロテン本来の釣り方だけでなく、触りを出さないマルイカも拾える利点があります。とくに50メートルを超える深場、潮の速いときなどには効果的です。
もう一つが仕掛けのパターンです。私の仕掛けは全長が10メートルくらいになるようなセッティングとなっています。よほど浅いポイントを狙わないかぎり、この10メートルという仕掛けの長さがゼロテン釣法におけるタナ取りの分岐点。
これまでの経験から上のスッテばかりに乗ってくるとき、スッテの数を増やして仕掛けを長くすれば解決すると思いましたが、手返しがもたつき、落下スピードも遅くなったり、触りがボケてくるという短所もありました。
そこでスッテの数を通常6本、多くても7本までに抑え、捨て糸部分(下のツノからオモリまでの長さ)を長く取って調整したのが図にある仕掛けです。
▲ 相模湾ではこんな組み合わせが先発部隊
▲ スッテはクリア系をメインに持参
読者ならお分かりでしょう、カワハギ仕掛けでいうアシストと同じです。
経験上、三浦半島~相模湾のポイントでは下のスッテにほとんど乗らず、上のツノばかりに乗ってきたことが多いです。逆に外房小湊、内房勝山~館山沖などで下のスッテばかりに乗る場合は、1.2メートルまで詰めるようにして調整します。
アシストは1~2メートルまで数種、用意しておくのが手っ取り早い方法です。
▲ ムギイカ以外にヤリイカもよく交じる