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有望釣り場の攻め方と最新ロッドの使い分け

カワハギ釣りは年が明けても依然として厳しい状況が続いています。今回は関東周辺でも比較的釣果の上がっている三浦半島下浦沖と剣崎沖の釣り場を、シマノの最新ロッド「ステファーノ攻H177SP」と「ステファーノリミテッド」の使い分けを含めて解説したいと思います。

 年明け以降、カワハギ釣りのメインとなっているのは東京湾竹岡沖、内房金谷~館山沖、三浦半島下浦~剣崎沖、城ケ島沖、亀城根周辺などの釣り場。いずれも昨年からの厳しい状況を引きずり、トップ10枚前後で推移しています。

 その中でも有望といえるのが下浦~剣崎沖の釣り場です。トップで40枚以上を記録した日もあるうえ、良型がそろっており釣り味、食味とも十分。しばらくは堅調に釣れ続くはずです。

▲ 下浦~剣崎沖の釣り場は良型ぞろい。ワッペンクラスは皆無だった

 今回はこの釣り場を狙うにあたり、シマノの最新ロッド2本を使い、どんな釣り方、どんな使い分けをしたらいいかを解説しましょう。

下浦沖25~30メートル

 三浦半島久比里、鴨居大室港の乗合船がメインに狙っています。港から近く、南西の風にも強いのが特長で、釣期もほぼ周年に渡っています。水深は10~30メートルですが、この時期はやや深場のツブ根や根周りを攻めています。

▲ 下浦沖25メートルダチ。ツブ根の周りにはエサ取りとカワハギの入り交じった反応が

 下浦沖の特長はキタマクラやエサ取りが多いこと。カワハギのタナはほぼ底で、エサ取りをかわしながらの釣りとなります。

 釣り方としては基本的にスナイパーズメソッドの横の釣りを応用します。キャストしてのカーブフォール、ガン玉を使用してのテンションフォールなどですが、意外に効果的なのがアシストです。

 エサ取りをかわす意味で、キャストしてのズル引き、高さ出し~ゼロテンからのテンションフォールなどにアシストは重宝します。

 私の経験からいえば、浅場ほどアシストが効果的。これもエサ取りの有無と関係しているかもしれません。

 おすすめロッドは「ステファーノリミテッド」です。活性の高い秋と異なり、カワハギのアタリは微妙。手感度より目感度優先の釣りとなるからです。

▲ これからの時期にこそ感度とレスポンスに優れた竿が威力を発揮する

 捕食スピードも遅いこの時期は、柔軟な穂先に出る微弱なアタリをとらえ、じっくり喰わせて手感度まで達したら掛けにいく釣り方です。慣れてくればエサ取りと本命のアタリの違いも分かるはずです。

使用タックル製品情報

ステファーノ攻H177SP
ステファーノリミテッド

ステファーノ最新ロッド

ステファーノリミテッド

▲ スパイラルXコア、ナノピッチ、ハイパワーXソリッドなどシマノのロッドテクノロジーを集約した1本。かつてない軽さと感度を実現した。

  • 全長
    1.75m
  • 自重
    54g
  • 先径
    1.2mm
  • 継ぎ数
    1本
  • メーカー希望
    本体価格
    7万8000円
ステファーノ攻H177SP

▲ スナイパー釣法対応の1本。カーボンモノコック、トリガー付きマルチパーミングタッチCI4+シートなどを搭載し、硬めの設定でレスポンスのよさ、アワせの効くパワーをも併せ持つ。

  • 全長
    1.77m
  • 自重
    87g
  • 先径
    1.2mm
  • 継ぎ数
    1本
  • メーカー希望
    本体価格
    6万5000円

剣崎沖20~40メートル

 関東の一大釣り場ともいえる剣崎沖は上記の港に加え、地元剣崎松輪、間口港の乗合、仕立船が狙っています。

 水深は10~40メートルですが、下浦沖同様、この時期はやや深場の20~40メートルがメイン。起伏の激しい根上、根際などを狙うのが特徴です。

▲ 剣崎沖では20センチ以上の良型が中心

 釣り方の基本はスナイパーズメソッド縦の釣り。キャストしたら一発で根掛かりするポイントなので、主に船下を攻めることになります。

 底周辺はエサ取りが多いので、根掛かりを避けつつ根をうまくトレースしながら釣る方法です。高さ出しから誘い下げ、誘い上げの繰り返し、カワハギが浮いているようならタナを決めて宙の釣りを心がけます。

 ベタ底でしかアタらないときは、オモリを底に着けて聞き下げ、またはアシストを使用してゼロテンからのテンションフォールで狙います。

▲ アシストが功を奏して連釣モードに

 それには「ステファーノ攻H177SP」がおすすめ。上下の誘いは目感度より手感度に頼ったほうが効率的。指先に伝わる小さなアタリを感じ、それが目感度に変わったとき掛けにいくイメージです。

 ただし、手感度でアタリを弾き、なかなかハリ掛かりしないときはステファーノリミテッドに替える方法もあります。

▲ 下浦沖では目で追って手感にきたときに掛けにいく。うまくアワせが決まった

 今シーズンのカワハギは魚影そのものが少ないようですが、そのぶん価値ある1枚を釣る楽しみが増えています。

 カワハギシーズンはまだまだ続きます。シマノの最新ロッドを携え、とりあえず2ケタを目標に釣行してみてください。

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PROFILE プロフィール

鈴木 孝(すずきたかし)

1963年生まれ。カワハギをはじめ、マルイカ、湾フグなど「アタリをとる釣り」に精通。東京都江戸川区在住。釣り歴45年以上。幼少のころから様ざまな釣りに親しむ。船釣りは中学生のころから自宅から近い浦安の吉野屋に通い詰め、ハゼ、シロギス、カレイなど江戸前の小物釣りを楽しむ。現在はカワハギを中心にマルイカ、アナゴ、フグなど釣行は年間70回以上。カワハギ歴は約15年以上。2007年ごろから競技に重点を置くようになり、様ざまな大会に出場するようになる。主なタイトルは2015シマノステファーノグランプリ優勝。シマノインストラクター、チームステファーノ&くろしおマスターズ所属。