いよいよカワハギの本格的シーズンです。これから数回にわたって、シマノのカワハギ専用シリーズ、ステファーノ2018の新製品について解説したいと思います。今年のステファーノは昨年にも増して魅力的な製品が数多くあります。まずは竿、高性能でコストパフォーマンスに優れた「ステファーノSS」3アイテムからです。
「この仕上がりで、この価格!?」
初めてこの竿の紹介を見たとき、正直そう思いました。テストでは何度も使いましたし、いくらかのアドバイスもさせていただきましたが、シマノの最新テクノロジーがほとんど搭載されているにもかかわらず、この価格とは思いませんでした。
さらにステファーノSSの発売コンセプトは単に価格だけにありません。カワハギ攻略のさらなるアプローチ、ステファーノシリーズのコンセプトなどが、幅広く理解できる竿だと思っています。
▲ 発売前の試釣でもステファーノSSは大活躍してくれた
高スペック、軽量、高感度
▲ M、MH、Hの3種類。全長はすべて1.8メートル
ステファーノSSにはM、MH、Hの3アイテムがあります。全長はすべて1.8メートルに統一、自重64~65グラム、素材や機能などはほぼ同じとして、調子に差を持たせてあります。
まずは素材性能から解説します。本体は高弾性カーボンにネジレやつぶれ剛性の向上、強度と軽量化を実現したスパイラルXを施しています。穂先はタフテックカーボンに同じくハイパワーXで強化したハイパワーXソリッド。リールシートにはフィッティングサポートCI4+シートを採用。
シマノの最新テクノロジーをほぼ搭載しており、感度や操作性については今さら言及する必要もありません。何より60グラム台の自重はハイエンドの竿に匹敵する軽さだと思います。
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幅広く使える設定、リーズナブルな価格で提供
- ステファーノSSの詳細
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ステファーノシリーズのコンセプトである軽量、高感度、シマノの最新テクノロジーであるタフテックカーボン、ハイパワーX、スパイラルXなどを受け継ぎつつ、オールチタンフレームSiC ガイドなども搭載、にもかかわらずコスパにも優れている。アイテムは3種、釣り方、好みなど初心者からベテランまで幅広く使える設定。3種とも本体素材のほか、全長、先径はすべて同一、違いは調子設定だけなので、迷わず選択できる。発売中。
調子と使い分けなど
まず調子、硬さについて説明します。Mは穂先から胴にかけてしなやかな調子、ゼロテンや集寄を利用したハワセ釣りなどに対応します。浅場の宙釣りなどにも、弾くことなく自動的に掛ける柔軟性を持ち合わせています。
スナイパー釣法で言えば、テンションフォール、スライドなど横の釣りに向いています。目感度に優れているので、底べったりのタナ、低活性時のアタリが小さいとき、産卵期や高水温期などはとくにおすすめです。
MHはオールラウンドタイプ。宙釣り、ゼロテン、ハワセ釣りなどに無理なく使用できる調子となっています。スナイパー釣法でも縦、横いずれの釣りにも応用可能です。
Hは手感度に優れた9:1調子。宙釣りから誘い下げなど、主にバーチカルに誘い、小さなアタリを取って積極的に掛けていく釣りに適しています。深場や潮の速いときの操作性に関しても際立っています。
スナイパー釣法ではカーブフォール、フリーフォールでの触りから前アタリの感知、宙での掛け合わせなど縦の釣り全般にすすめたい調子となっています。
▲ 3アイテムにオモリ30号。手前からM、MH、H。先径がすべて1.0ミリなので、それほどの差は出ないが、穂先から胴にかけての調子が異なっている
SSのコンセプト
▲ 8月1日の剣崎沖解禁イベントで初公開された
ステファーノSSをおすすめしたいカワハギファンは次のような方です。
まず中級者~ベテランまでで、これまでステファーノシリーズを一度も使用したことのない方に、カーボンソリッド(タフテックカーボン)穂先と高弾性カーボンの本体がもたらす高感度を味わっていただきたいのです。グラスや金属の穂先と違って、いかにアタリの伝達速度と感度表現に優れているかが実感できると思います。
普段軟らかめの竿をお使いの方は深場や速潮用のサブロッドとしてH、硬めが好きな方は低活性時用のサブロッドとしてM、そんな使用法もあるでしょう。
初心者用としておすすめしたいのはMHです。カワハギ釣りに適した竿とはどんなものかがお分かりいただけるはずです。MHをステップとすれば、自分の釣り方にはどんな調子のどんな竿が合っているかが自然に分かるはずです。
ステファーノ未経験者、サブロッド、入門者用。これらすべての条件をそろえた竿がステファーノSS。ハイエンドロッド並みのスペックを持ちながらもこの低価格、いかにコスパに優れているかがお分かりいただけると思います。
▲ イベント終了後、ファンに新製品の紹介と特長などを解説