三浦半島西側~相模湾にかけても多くのカワハギポイントが存在します。亀城根~城ケ島沖などが知られていますが、今回はほぼ周年狙え、これからの釣行にも役立つ腰越~鎌倉沖を紹介します。ただし、私自身の経験値が少ないエリアなので、池田丸カワハギ乗合担当、橋本浩平船長の話を元に話を進めます。
相模湾腰越港にはキハダ、イカ、アマダイなど四季の魚を狙う多くの船宿が存在しますが、カワハギを専門に狙っているのは2軒のみ。場荒れも少ないせいか、ロングランで釣れるのが特長でもあります。
釣り場の概要
腰越出船のカワハギポイントはいずれも航程5~20分の近場。風裏となる所も多いので、南からの強風以外は出船できるうえ、周年釣れるのも特長です。
メインとなるのは江ノ島を間近に望む腰越~七里ケ浜沖10~20メートルダチ。この釣り場の特徴はポイントに広がるカジメ帯にあります。その沖の25メートル前後、江ノ島の南側22~23メートルダチは岩礁帯となっています。
稲村ケ崎の沖にある定置網周り30メートル前後も好ポイントです。所どころに根があるものの、比較的平たんな海底となっています。
水温の下がる1~3月にかぎって亀城根の40~50メートルダチに走る場合もありますが、通常は腰越~鎌倉沖を狙うと思っていいでしょう。
腰越出船で総じて言えるのは、カジメ帯の上や岩礁帯を狙う場合が多いということ。そのあたりを念頭に置いてタックルや釣り方を組み立ててください。
▲ 整備された腰越港は駐車場のスペースも広い
▲ 活性が上がればダブルもめずらしくない
タックル、仕掛けと釣り方
カワハギの型はオールシーズン大中小の交じりですが、中大型主体がそろうのは夏から秋にかけてでしょう。
それほどの深場は狙わないだけに、竿は「ステファーノCI4+MH」をパイロットとして硬めで「ステファーノCI4+H」、軟らかめで「ステファーノ180」とします。
▲ 縦の釣りがメインなのでやや硬めの竿からスタート
仕掛け選びに迷うところですが、とりあえずはオーソドックスなパイロットバージョンでいいでしょう。ハリの選択も吸わせ系かハゲ系か迷いますが、吸わせ7号でスタートするのが無難。もちろん予備として攻掛4.5号もお忘れなく。
▲ とりあえずは吸わせ系のハリを使う
腰越沖は岩礁帯やカジメ帯、ツブ根周りと変化に富んだポイントがあり、様ざまな釣り方を要求されますが、仕掛けを投げると根掛かりに泣く場合が多いようです。
必然的に縦の釣りが基本となるので、集寄は使いません。後述しますが、この釣り場ではアシストが重宝しますので、何組かは用意しておきましょう。
ここでは当地独特のカジメ帯を狙う釣り方を紹介しましょう。
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カジメは水深20 メートルまでの浅場に群生しています。オモリが着底するとフワッ、持ち上げるとズリズリッという感触が伝わったら、そこはカジメ帯。
カジメ帯の中にはベラ、キタマクラなどのエサ取りに交じってカワハギもいますが、仕掛けを下ろすと真っ先に喰ってくるのはエサ取り。とくに腰越沖はキタマクラの多い所なので、いくらエサがあっても足りないほどです。
狙い所はカジメ帯の最上部から1メートル上まで。喰い気のあるカワハギだけを狙う釣り方です。
まずオモリが着底したら素早く2メートルくらい高さ出しをして、揺さぶりながらオモリがカジメに触る程度まで下ろしていきます。
その位置でアタリを待つか1~2メートル上の間を誘い上げ、誘い下げでアタリを取っていきます。
カジメ帯の攻略で活躍するのがアシストです。エサ取りの活性が高いときは、オモリ着底と同時にエサを取られてしまうので、少しでもエサ取りから守るためにもアシストを使うのです。
また仕掛けを張ったままで喰いの悪いときなどは、長めのアシストを付け、テンションフォールを駆使して喰わせることもできます。
▲ ボトムラインの上にボンヤリ映っているのがカジメ帯
カジメ帯ではそれほどの大型は交じりませんが、宙で掛ける楽しさを味わえます。また、根掛かりやエサ取りに苦戦している方を尻目に、一人入れ掛かりショーを味わえるのもカジメ帯ならでは。それも独特の攻略法を習得すればこそ、なせる楽しみなのです。
▲ 周年狙える腰越沖はファンにとってもありがたい
▲ カジメ帯の上ギリギリをトレースするように狙う