関東エリア最大級のポイントを持つのが三浦半島剣崎~城ケ島沖にかけての釣り場です。底形状は砂泥地、ツブ根、岩礁帯と様ざま、水深も8メートルの浅場から60メートル近い深場までと幅広く、実に変化に富んだポイントといえます。加えて9月から翌年の初夏までとシーズンも長く、関東のカワハギファンなら一度は訪れる最もなじみ深い釣り場なのです。
▲ 冬の城ケ島沖、通称「島下」には各港からの乗合船が集結する好ポイント
剣崎沖にかぎっていえば、三浦半島久比里や周辺の港からも狙いますが、禁漁期の設定や漁場エリアの制限などもありますので、今回は剣崎~佐島港出船に限らせてポイント解説と釣法を説明します。
釣り場の概要
狙えば周年釣れますが、盛期は9月~翌年の3月でしょう。初期の水温が高いころは図にある間口前、水深10メートル台の岩礁帯中心に狙います。
潮が速く釣りにくい日もあるうえ、根掛かりしやすい欠点もありますが、主に宙の釣りで産卵後の中大型中心に、浅場ならではのスリリングな釣りが楽しめます。
秋から年末までは水深20~30メートル台に移行します。図にある剣崎沖の「エンゴ」「ツブ」「毘沙門前」「安房崎」「ホテル下」「釜根」などを状況に応じて攻め分けます。ポイントにより砂泥地あり、ツブ根あり、岩礁帯ありで、タナも底べったりから2メートル以上も上の宙までと様ざま。必然的に状況に応じた釣り方が必要で、カワハギ釣りの引き出しが多いほうが有利となります。
水温が下がってくると水深40メートル以上の深場を狙うことが多くなります。「エンゴ」「吉野瀬」「釜根」などもありますが、メインは「島下」と言われる城ケ島沖です。
砂泥地に根が点在するポイントで、まさにカワハギが固まる越冬場所とも言われ、魚影の濃さでは関東随一でしょう。島下には剣崎周辺はもちろん、油壺、三崎、佐島方面からも乗合船が集まり、大船団が形成される日もあります。
▲ 「深場では硬調子の竿が有利になります」とことさら竿選びを強調する
タックル、仕掛けと釣り方
剣崎~城ケ島沖ではポイント概要にもあるとおり、浅場では岩礁帯、深場になって砂泥地、ツブ根となるので、基本的に縦の釣りがメインとなります。
まずはタックル準備ですが、
①初期の10~25メートル
②中後期の30~50メートルに分けて用意します。
▲ 初期と中後期とで2パターンの竿を使用する
①ではパイロットとしてステファーノ180、ワンランク軟らかめとしてステファーノCI4+M、硬めとして同CI4+MH。②ではステファーノCI4+MHをパイロットとしてワンランク軟らかめで同180、硬めとして同CI4+H、ステファーノ攻HHHとなります。
とくに後期の50メートルダチでは、仕掛けを動かしたり、手感度を得たりするうえで硬めの竿は必須となります。
仕掛けは図のとおり、縦の釣りがメインとなるので、スタートはシンプルなものになります。ハリは下に吸わせ7号10センチ、上2本は平場なら吸わせ7号6センチ、根周りなら攻掛4.5号6センチで様子見とします。
▲ ほとんどの釣り場がオモリ30号使用となる
▲ 吸わせ、ハゲ系と様ざまなハリを使用するので、種類は多くなる
▲ 「剣崎沖は大きなエサも有効です」と左から大粒、硬めの中、小粒と3種類持参
この釣り場でも横の釣りが効果的な場合もありますが、前号の竹岡沖の釣り方で紹介しましたので、今回は縦の釣り、宙釣りにスポットをあててみます。
まずパイロットの釣りでカワハギのタナ、サイズ、捕食スピードなどを検証します。とくにこの釣り場では底形状、カワハギの反応などが大切なので、探見丸の使用が絶対的となります。
宙を狙う場合には2種類の釣り方があります。
- Aタナを決め撃ちする場合
- たとえば底から2メートル前後のタナでよくアタるときは、オモリが着底したら揺さぶりながら3メートルまで誘い上げ、1メートル誘い下げて2メートルで揺さぶりながらアタリを待ちます。
この場合は、3本とも吸わせ(力)6センチを使用して、宙にいる活性の高いカワハギにエサを飲み込ませて掛けていくイメージです。
- B底から宙まで幅広く釣れるとき
- 底でも釣れるし宙でも釣れるとき、つまり泳層が幅広いときは誘い上げ、誘い下げの繰り返しで底から宙まで、アタリがあったところで掛けにいきます。
この場合は3本ともハゲ系のハリ攻掛4.5号を使用し、ハリ先でガンガン掛けていくイメージですが、掛かりの悪いときは吸わせも使用します。
剣崎~城ケ島沖はシーズンが長く、ポイントによって様ざまな対応が必要なので、上達するには最適な釣り場です。今シーズンも好調に釣れているようなので、私の剣崎通いはまだまだ終わりそうもありません。