入れ掛かりをもたらす戦略的パワーロッド!個性さらに極まる。
6代目スペシャルトリプルフォース。大鮎&瀬釣りで入れ掛かりをもたらすロッドとして、パワーだけでなく軽さや操作性のバランスも徹底重視。さらに数々のテストと釣果から導き出された専用設計を施し、各アイテムの特性がさらに磨きがかかる。
2026年01月 発売予定
6代目スペシャルトリプルフォース。大鮎&瀬釣りで入れ掛かりをもたらすロッドとして、パワーだけでなく軽さや操作性のバランスも徹底重視。さらに数々のテストと釣果から導き出された専用設計を施し、各アイテムの特性がさらに磨きがかかる。
パワーを維持しつつ操作性を高めることが命題
スペシャルトリプルフォースは瀬竿を超越した、競技でも活躍するポテンシャルを備えた軽量パワーロッドである。2006年に初代が誕生し、2017年に登場した4代目からは、胴調子の「急瀬G」と先調子の「急瀬T」を代表とする個性派集団がラインナップ。そして誕生から20年を経て完成した6代目は、特化した個性とパワーを継承しつつ、操作性を極限まで高めることを命題に開発された。軽さと掛け性能を磨き上げ、急瀬Gと急瀬Tには先鋭的な「85」レングスを新たに追加した。
軽量化の成功とワンピースのような曲がり
前モデルから引き継いだモデルは総じて軽量化に成功した。早瀬V90で3g、急瀬T90で5g、急瀬G90で2g、急瀬GH90では10gという驚異的な軽量化を実現。パワーを保ちながら無駄を削ぎ落とせたのは、パワー伝達性を高精度に解析できる先進テクノロジーによるものだ。軽くなってもパワーやタメ感はむしろ向上しており、各節の継目がギクシャクせず、ワンピースロッドのようにしなやかに曲がる。Gは胴調子、Tは先調子としてスムーズな曲がりを発揮するチューニングを施した。スペシャルトリプルフォースのマスターピース、急瀬G90は、振ったときにはシャキッとした張りがありながら、大鮎が掛かると元竿までスムーズに曲がって力を引き出す。担当インストラクターの坂本禎が「神ロッド」と称したほど完成度が高い前モデルのバランスをあえて崩さぬよう、緻密に性能を高めている。
シリーズ最強の急瀬GH90は、急瀬G90の設計思想をもとに10gの軽量化と、尺アユをも抜く底力を備える劇的な進化を遂げている。一方、テクニカルモデルの急瀬T90も先調子の操作感を洗練させつつ、曲げ込んだときのロック感がかなり軽減されている。早瀬V90に関してはFWの血統を引き継いだ設計で、ゼロを取るテンション管理も行ないやすく操作感がアップ。幅広いシーズンに対応する。
先鋭的な85ラインナップ 個性が際立つ付属替穂
新たに加わった85(8.5m)レングスは、6代目のテーマである操作性向上を象徴する存在だ。前モデルでは急瀬S85(本調子)のみだったが、今モデルでは先調子のTと胴調子のGという、風神・雷神のような2本が誕生。点で探る縦の釣りを極めたのがT、ベタザオで動きのある引き釣りにマッチするのがGである。短尺化する竿は突っ張るような硬さが強調されがちだが、高精度に解析された調子設計でスペシャルトリプルフォースらしいパワーと操作性を獲得している。操作性のアップといえば、パワーセレクトシステムの替穂も大きく貢献する。早瀬Vには新開発のソフトタイプチューブラーを装備し、「モア・バーサタイル」を実現。急瀬Tには先径0.7mmのパワータイプソリッドを採用し、繊細さと強靭さを両立する「モア・テクニカル」を追求した。急瀬Gと急瀬GHには、巨鮎狙いや大型オモリを駆使した高負荷の操作に最適なパワータイプチューブラーが付属している。Hランクも上がる「モア・ギガパワー」の穂先となる。
小澤 剛 Tsuyoshi Ozawa
これまでにない急瀬竿の85 早瀬V90はゼロ感度と万能性がアップ!
急瀬G85はG調子をベースにした8.5mの短尺モデルです。9mから50cm短くするだけで、重さやダレ感のデメリットは消えて、軽くて感度も良く、風斬りもスムーズになります。ただパワーロッドの短尺化はどうしても竿が突っ張って硬くなってしまう。それをどう解消していくかが大変でしたが、胴に乗る急瀬Gのパワーはそのままに、操作性をさらに高めることができました。流れの筋を探ったり、テンションを微調整したりと細かい操作がきっちりやれて、掛かれば胴にグッと乗るパワーを発揮します。これまで85の急瀬竿はあまりなかったと思うけど、非常にハイレベルな仕上がりになりました。
早瀬V90はオトリ操作の核心であるゼロテンションの感知力を向上。シャープには仕上がっていますが、荷重がかかると胴にしっかり乗るので安心感があります。替穂にソフトタイプチューブラーを付けたおかげで、シーズン初期から使いやすい。全国いろんな川で試しましたが、16~23cmくらいのアユはもちろん、不意の大物にも対応できる。この一本でオールシーズン釣りこなせるバーサタイルな軽量パワーロッドになっています。
島 啓悟 Keigo Shima
短くすることが困難な先調子 タメ性能との両立をいかに見出すか
先調子の急瀬T(テクニカル)は、トリプルフォースらしいタメ性能をもたせるのは毎回苦労するんです。バットに張りがないと操作感が悪くなり、張りを強めすぎればタメ性能が弱くなる。新たに開発された急瀬T85に関しては短くなるぶん、操作の精度も高まってオトリのレスポンスもよくなるのですが、タメ性能を引き出すのが難しかった。穂先周りのブレを収束させたのと、新たに付属されたパワータイプソリッドを組み込めば相反する要素をバランスよく整えてくれ、ピンポイントを緻密に攻略できます。とくに竿を寝かせて使いにくい大石底の変化に富んだ川では効果的です。
一方の急瀬T90は先調子でありながら胴までしっかり曲がり込む。先調子なのに曲がりが止まるロック感、不安感がかなり解消されているのが驚きです。フラット河川から大石底まで対応するオールマイティな使いごこちです。付属のパワータイプソリッドを使えばよりソフトなオトリ操作も可能です。急瀬T85も急瀬T90も、先調子の操作性とタメ性能を高い次元で両立させることができました。
坂本 禎 Tadashi Sakamoto
完成された調子をブラッシュアップ そのうえでGH90は大きな進化を遂げた
「急瀬G90」は細身胴調子ながらシャキッとして操作性が高く、鮎が掛かればバットまでスムーズに曲がる。前モデルで非常に高い完成度をもたせることに成功し、多くのファンに使ってもらうことができました。今モデルではその調子を崩さず、より高い精度の操作感が得られるような緻密なチューニングをしています。バランスを整えることがシビアな中、さらなる軽量化に挑戦。持ち重りと振り重り感は軽減されて感度も向上しています。オトリをより高精度に管理できます。
一方の「急瀬GH90」は、そのG90をベースにさらなる高次元の進化を遂げたモデルです。HランクをH3.5に上げるストロングモデルながら、なんと10gの劇的な軽量化に成功しています。元竿までしっかりと魚が乗り、無理をしないと獲れないような荒瀬の大鮎にも安心して挑める竿に仕上がっています。大きなオモリの操作がしやすく、曲げ込むほどに力を発揮する付属のパワータイプチューブラーを使えば尺鮎クラスでもタメがきく。全国の大鮎河川に対応する「軽さと強さの新境地」を実現できたと思います。
坂本 禎 Tadashi Sakamoto
操作性をどこまで上げられるのか?
スペシャルトリプルフォースの人気を決定的にしたのが「急瀬G90」である。Gとはギガパワーの頭文字だ。細身の胴調子でありながら操作性が高く、極限まで曲がるバットが多くの大鮎ファンをとりこにした。急瀬Gが生まれた背景には坂本禎の意見が大きく反映されている。
「私がトリプルフォースに関わるようになったのは2代目の急瀬パワーからです。当時は現行のTに近い先調子が主力でしたが、私が頻繁に行く鬼怒川、那珂川、神通川、九頭竜川のような底流れの速い川に対応しやすい胴調子の竿ではありませんでした。そこで提案したのが、細身胴調子の急瀬Gというモデルになります」
坂本は王道瀬竿の「アドバンフォース」に、尺鮎専用機の「ドラゴンフォース」と、シマノパワーロッドのフォースの血統に深く関わる。獲るための性能をとことん追求してきた中で、掛け性能に優れる高い操作性を求められるのが「スペシャルトリプルフォース」である。これまでに磨き上げてきた急瀬G90とはどんな竿なのか。とくに高い評価を得たのが前モデルである。
「イメージ的にはトーナメントロッドを肉厚にしたような竿です。細身肉厚なパワーロッドであっても、操作しているときにダワダワとしたダレる感じがない。芯が通ったシャープな操作感がありながら、魚が掛かったらバットまでしっかり曲がって急流の大鮎をタモまで飛ばす。途中で曲がりが止まるようなロック感が出ず、不安が生じないようにする。こうしたコンセプトを大切に作っているので、味付けを劇的に変えるわけにはいきません。調子のバランスを崩さずに操作性を高めること。そのひとつが2gの軽量化でした」
トリプルフォースは本格瀬竿ではなく、あくまで軽量パワーロッドである。さらなる軽量化は、その実測値以上の高バランス化を実現し、持ち軽さや振り軽さによるストレスフリー性能が向上。操作性も感度も明らかに向上したと坂本は断言する。
シャープな操作の先に。限界孤を描け!
急瀬G90のHランクはH3.2である。元竿付近までしっかりと魚の引きをクッションする曲がりにひずみはなく、しっかりと曲げ込むことができれば満月のようにしなる。
「サイズ対応幅でいうと、掛けて面白いのは20~26cmですが、使い込んで竿に慣れると、もっと大きなサイズの取り込みもできるようになります」
今モデルの実釣撮影で坂本は徳島県・吉野川を釣った。28cmクラスがアベレージという状況である。急瀬G90で相手にするには大きすぎるサイズだったが、吉野川下流部の「ケタの瀬」や「生コン前」といわれるフラットな瀬であれば、十分なパワーを発揮して引き抜くことができ、返し抜きも問題はない。
「鮎が仕上がる7月から終盤まで鬼怒川、那珂川、神通川、九頭竜川以外にも、米代川、四万十川、吉野川、九州河川などのパワーが必要な大河川には全部持っていきました。瀬釣りも大鮎ねらいも精度の高い操作が楽しめましたね」
ダワつかない調子はベタザオの引き釣りだけでなく、竿を立てた泳がせ釣りもしやすい。これらの掛け性能もまたスペシャルトリプルフォースのマスターピース「急瀬G90」の真骨頂である。
一日中持てる軽快&ストロング
スペシャルトリプルフォースのなかでも、今回最も劇的な進化を遂げたのが「急瀬GH90」である。「急瀬G90」のHランクはH3.2。それに対し「急瀬GH90」はH3.5。アドバンフォース急瀬クラスに匹敵するパワーを備えながらも、軽快な操作性を実現している点がこのモデルの大きな魅力だ。シマノ開発陣によれば従来の設計思想をベースに、パワー伝達効率をさらに高める先進チューニングを施したという。急瀬G90をベースにしたワンランク強いロッドを目指して解析した結果、まだ洗練の余地があったのだ。
「調子から軽さまで、大きく変わったのが急瀬GHです。パワーのある胴調子なのはそのままですが、より元竿付近までしっかり魚が乗るようになりました。前モデルはやや張りが強く、30cm近い魚が2匹掛かると限界点を感じる不安さが否めませんでしたが、今モデルはより粘り強く曲がり、タメがきくようになっています。荒い瀬で掛かっても怖くないですね」
とくにその進化を実感したのが、坂本のホームグラウンドである鬼怒川だという。
「シーズン後半になると、急瀬Gでは心許なく感じる大きな鮎が掛かるんです。そんなとき、急瀬GHのほうが圧倒的にマッチします。ツルツルの岩盤底で魚についていくのが大変なポイントでも、29cmクラスが掛かってもぶち抜ける。やはりGHクラスのパワーがあれば無理がきく。魚に走られても下る距離が短くて済むのも強みです」
調子やパワーの向上も目覚ましいが、何より圧倒的なのは“10gの軽量化”だ。「ズシッとくる持ち重り感が劇的に抑えられています。これは本当にすごい!」と坂本は興奮気味に言う。自重は270g。ちなみにアドバンフォース急瀬90は285gである。数値上の差よりも実際に持ったときの操作感は想像以上に軽く感じるという。取り込み時の安心感という点ではアドバンフォースに一歩譲るものの、手元に伝わる“持ち軽さ”は新次元。坂本は「女性や年配の方でも扱えるパワーロッド」として、新生・急瀬GH90に大きな期待を寄せる。
曲げ込むほどにみなぎるパワーと粘り強さ
さらに注目すべきは、替穂として設定された「パワータイプチューブラー」だ。これを装着するとHランクがH3.5からH3.7へとアップ。より強靭なモードへ切り替えられる。
「魚が大きくなって抜きづらくなったときや、3号以上のオモリを多用する場面、あるいは荒瀬でテンポよく釣りたいときにはパワー穂先をおすすめします。竿全体が10cm短くなって硬くなりますが、魚が掛かってからはバットまでスムーズに乗って、より強い力を発揮します。調子がガラリと変わったように感じるほどです」
穂先よりも2番、3番で調子を取るような感覚になり、まさに曲げ込むほどにパワーが湧き上がる設計である。
「徳島県の吉野川で尺鮎を抜けたのも急瀬GHです。28cmクラスがアベレージ、尺がからむ9月下旬でも安心して使えました。利根川や富士川、球磨川の人吉市街地など、28cm以上が頻発する河川でも十分な余裕がありました」
近年はシーズン後半に魚が巨大化する川が増えており、「肉厚で強度があって安心感のある竿を求める声」が高まっている。坂本は言う。
「一本選ぶなら、これじゃないかと思います。操作感とパワーのバランスが非常にいい」
シーズン後半の大アユに、ただ硬いだけのゴツい竿ではなく、繊細な勝負ができる。急瀬GH90は、そんな理想を体現する新時代のパワーロッドである。
小澤 剛 Tsuyoshi Ozawa
小澤剛の挑戦
「正直、プレッシャーは相当ありました」
そう語るのは、急瀬G85を監修した小澤剛である。坂本禎が磨き上げた“G調子”は、トリプルフォースの人気を決定づけた。2020年、コロナ禍でトーナメントが軒並み中止となったこの年に、小澤は自身のYouTubeチャンネル「友釣り無双」を開設。日々の釣りを更新する中で、急瀬G90を手に九頭竜川の良型を次々と釣り上げ、その模様を配信した。影響力は大きく、翌21年に発売された5代目スペシャルトリプルフォースは爆発的な人気を記録。九頭竜川の主要釣り場は、スペシャルトリプルフォースを持つ人で埋め尽くされんばかりの光景が見られた。90の完成度を知る小澤にとって、85を監修するのは大きな挑戦だった。
「急瀬Gはドラゴン坂本の代名詞です。85という長さは僕の提案ですが、G調子をいじるのは怖かった。最初は自分には荷が重いと断ったほどです」
それでも着手したのは、確かな手応えがあったからだ。
「9mから8.5mにするだけで、重さやダレ感といったデメリットが消えて、いい部分だけが残る。軽く、感度も高く、風斬りもいい。自分のねらったところに仕上がるはずとは思っていました」
しかし竿は短尺になるほど硬くなり、張りが強くなりがちである。オトリを動かすためにはある程度のしなやかさも兼ね備えたい。小澤は胴に乗る急瀬Gのパワーを維持しつつ、操作感を高める85レングスの調子を磨き上げた。
「90ではボケがちな、イトの微妙な張り加減が、85ならクリアになります。僕の言う細かい操作は、流れの筋を緻密に探ることもそうですが、テンションの調整ができるかどうかが一番重要です。張り加減を雑にすればオトリはすぐに弱ってしまう。緩めすぎれば川底で休んでしまうのです。オモリを使ったときも同様で、張りを保っていないと根掛かりやトラブルが多発します」
もちろんFWのような競技系ロッドに匹敵するゼロ感度は表現できない。しかし「軽量パワーロッドとしての合格点はクリアしている」と小澤は自信を持って言う。
誰もが丁寧な釣りができる
小澤が急瀬G85を欲したのは、九頭竜川中部でのこと。大河川でも細かい操作ができれば釣果は上がる。
立ち込める釣り場なら、9mでなくとも釣果は伸ばせる。もちろん小・中規模の河川でも使いやすい。小澤は、良型の掛かる九頭竜川の勝山や岐阜白川でもテストを繰り返した。
「24~25cmが釣りごろで、九頭竜川では26cmも問題なく抜けました。短いぶんシャンとしていながら、掛かれば胴にグッと乗ります」
今回のカタログ撮影は、益田川の焼石で行なわれ、25cmクラスが連発した。体高のある魚もすばやく浮かせ、回転率が上がる。パワーロッドならではの痛快な釣りを楽しんだ。
「85という長さは、釣りを丁寧にしてくれます。うまくなりたい人、丁寧に釣りたい人は85を使えば釣果が伸びるはずです。長い竿は重くて疲れる。そうなれば集中力も続かない。それが50cm短いだけで一気に解消される。僕の場合、テスト以外の普段の釣りでは8.5mを使うシーンが多くなりました。9mと8.5mで釣り比べても、釣果はほとんど変わりません。あと、風対策にも大活躍。例えば、九頭竜川なんて昼から必ずと言っていいほど風が吹く。操作は乱れて、釣果も落ちる。そんな嫌な状況でもストレスなく入れ掛かりを楽しめるロッドが急瀬G85です。」
世の中に8.5mの急瀬竿はそう多くない。しかし今やスタンダードなレングスであり、高まる期待にしっかりと応えてくれる一本だ。
島 啓悟 Keigo Shima
先調子の高レスポンスとタメ性能の両立
島啓悟は超急テーパーソリッドのRSシリーズをはじめ、多彩な鮎竿の監修に関わってきたが、重きを置いているのは穂先周辺での緻密な操作性である。スペシャルトリプルフォースにおいては、先調子のTを磨き上げてきた。普段は90を多用する島だが、今回は新たに85を手掛けた。その道のりは一筋縄ではいかなかった。
「8.5mは僕のホームである長良水系において今やスタンダードな長さです。緻密にピンポイントを攻め切るなら、竿は短いほうが絶対的に有利。テクニカルなT調子ならなお一層その良さを発揮します。ただ操作感を損なわずにパワーを兼ね備えなければいけない。最初の試作は“棒”のように硬くて張りが強すぎました。タメ性能をもたせるために曲がりの調整を行ない、穂先周りのパーツを組み替えていろいろと試した結果、しなやかに軟らかくしすぎると今度は操作レスポンスが悪くなる。先調子らしい操作感が出ない。まあまあ時間をかけましたが、合格点が出せる調子になったと思います」
島の理想とする先調子は先端が極端に曲がるラディカルテーパーである。一般的な先調子では曲がり代が長すぎて操作感が物足りないという。「クッとイトを張ったときに、すぐにオトリが尾を振るビリビリ感が伝わるのが理想です」と語り、そのためには穂持ちより下の“張り感”をある程度強く仕上げる必要がある。曲がり込むタメ性能に調子を振れば、この張り感は弱まってしまうのだ。
「急瀬Tらしく先のほうを軟らかくすると頭が左右にブレる領域が強くなる。掛けた魚がカチッと止まりにくい。これを調整するのが難しかったんです」最終調整として、先端周辺のブレを収束させるために穂持ち部分をややしっかりとした設計にした。これにより「多少の持ち重りを感じるかもしれませんが、そこは8.5mという長さが軽快さをカバーしてくれます」と島は言う。
パワータイプソリッド さらに高まる操作性と底力
竿の穂先周辺を活かしたレスポンスの良い急瀬Tの操作性と、スペシャルトリプルフォースらしいパワーの両立を実現すべく、今モデルには「パワータイプソリッド」が付属されている。
「8.5はパワータイプソリッドを組み込むことで、急瀬Tらしい操作感をより実感できるようになります。パワーロッドとは思えないくらい高精度にオトリを動かしやすい。とくに変化の多い河川でのピンスポット操作は、いい感じのフィーリングです」
当然ながら8.5mは9mに比べレスポンス性能が高まる。島がよく釣る長良川水系をはじめ、岐阜県の大石底の変化に富んだ釣り場ばかり。流れが複雑な筋のひとつひとつにオトリを入れ込み、留めて操作することがやりやすくなるのは想像に難くない。
「テストしてきた川の中で最も数を掛けたのは九頭竜川でした。パーツを取り換えながら25cm前後のサイズとのやり取りを念頭にアイテムを作り込みました。普通にやれるサイズは25~26cmですが、小中河川や、無理せずやり取りできる川相なら28cmクラスも相手にできます」
先調子なのにタメが利くロック感を解消
急瀬T90は3代目である。島啓悟は前モデルまでの流れを汲みながらもバランスの取れたモデルに仕上げたと話す。
「初代は先だけが曲がって、胴はカチっとした調子でした。正直なところ、ブレが少なく掛けるまでの操作はいいんですが、下の強い部分まで竿が曲がり切らなかった。2代目は逆に下の力が出るように頭をしっかりさせたので、パワーはアップしたんですけど若干持ち重り感が強くなった。3代目急瀬T90が目指したのは、先調子でありながら胴調子のようなタメ性能。そんなトリプルフォースを僕はずっと求めているんですが、今モデルは理想的な一本に仕上がったと思います」
前モデルよりも5gの軽量化に成功。バランス的にも持ち重り感が解消され“先”を使った操作がよりしやすくなったという。
「先調子のTはパワーを発揮して反発力を引き出すまでが胴調子のGよりも速いです。粘りはG調子のほうが上ですが、急瀬T90は急瀬T85に比べると長さがあるので、しっかりと曲がってくれます。先調子竿はどこかで曲がりが止まる“ロック感”が生じるものですが、今モデルの急瀬T90はロック感がほとんどありません。竿の角度さえキープできていれば、魚が走って、もっていく領域から下が、ぐーっと曲がってくれる。その状況で抜くタイミングをうまく取れると、いい感じで魚飛んできます。タメが利いて曲がって、25~26cmが気持ち良く釣れる竿に仕上がったと思います」
オールマイティに使える
島は今モデルのテストは、盛期の長良川・板取川・九頭竜川、終盤の紀ノ川・根尾川で行なった。竿を寝かせて釣りにくい大石底の川では高い操作性を存分に発揮し、川を選ばずにその実力を感じ取れるという。
「9mはオールマイティさが魅力です。フラットな河川でも変化に富んだ大石河川でも竿先周辺を使えるので、曲がりの強弱や竿の角度を調整できます。魚を止める操作が身についていれば、かなり大きなサイズにも対応できます。紀ノ川のような押しの極端に強い河川でなければ、28cmクラスも引き抜くことができました。球磨川でも人吉の町中であれば、尺鮎が相手でもこの急瀬T90で釣っていましたね。下流へ下れたり、魚の引きに耐えられる緩い流れであれば、何とかなりました」
今モデルから付属の穂先には「パワータイプソリッド」が採用されている。誤解してほしくないのは、このソリッドが竿のパワーを上げるためだけのものではないという点だ。
「パワータイプソリッドは、より大きな鮎に対応するだけでなく、ソフトなオトリ操作もしやすくするための替穂です。90はチューブラーでも非常にバランスの優れた先調子に仕上げています。パワータイプソリッドは、パワーに優れることはもちろん、掛かる魚が思ったより小さいという状況に対応できる繊細さも両立しています」
急瀬TのHランクはH3.0である。急瀬GがH3.2なので硬さ表記は落ちるが、島にとってはこのくらいのパワーがちょうど良いという。
「僕がGを使うと身体がやられます。竿のパワーはあるんですが、しっかりと曲げてタメる操作は体力を使うんです。腕力のない人が1日使うとすれば、急瀬Tくらいのほうが負担は少なくていいのかなと思います」
繊細な操作を可能にし、ロック感のないタメ性能も備えた今モデルは使い手を選ばない。さまざまな河川で活躍することだろう。
小澤 剛 Tsuyoshi Ozawa
ゼロ感度を研ぎ澄ませる
小澤剛は早瀬V90をきっかけにスペシャルトリプルフォースに関わるようになった。早瀬Vの3代目となる今モデルではゼロ感度を高めること、より万能性を際立たせたのが特徴である。調子でいえば本調子でFWモデルの調子を踏襲している。小澤は全国どこにでもこの竿を持って使い込んだが、とくによくテストをしたのは普段の行動範囲となる長良川の郡上・中央や九頭竜川の中部・勝山、そして岐阜白川である。
「僕がよく行く釣り場でシーズン初期から使えるパワーロッドを目指しました。一番大事にしているのはパワーロッドなりにゼロがわかる感度、テンションを微調整できる操作性です。解禁日から終盤まで急瀬竿しか使わないような年配の方にも使いやすいと思っています。サイズ対応幅でいえば16~24cm、釣りごろが18~21cmですが、不意の大物に対応してくれます。長良川くらいの川の規模なら、初期から最盛期までこの一本でいけます」
そう話す小澤の今モデルのチューニングは初代と2代目の中間くらいのイメージという。
「初代はFWの肉厚バージョンをイメージしましたが、2代目は3番までを使ってもう少し引きやすい感じにしています。今回はその中間ということで癖のないオーソドックスな竿に仕上がっています。初代も2代目も僕の周りで使ってくれている人の評価は高かった。今モデルもゼロを取るためのシャープ感があって、魚が掛かればしっかりパワーを発揮します。とてもバランスの良い調子にできました」
操作の幅が広がるソフトタイプチューブラー
「今回の最大のキモは、替穂にソフトタイプチューブラーを付属したことです。前モデルまではパワー穂先が採用されていましたが、むしろ軟らかい穂先を付けてほしいと思っていました。そうすればシーズン初期から使えるからです。結果的に標準穂先も作りやすくなりました。僕は穂先に関して人一倍こだわりがあります。『穂先は一本で』といわれると非常に迷う。ゼロを取りやすくするか、引きやすくするかというところでバランスを見出すのが難しくなる。でも替穂にソフトタイプチューブラーがあれば、標準穂先の調子もピシッと決められます」
標準穂先はH2.75。ソフトタイプチューブラーを組み込むとH2.6になる。多様な河川やシチュエーションで幅広く使える性能はスペシャルバーサトルにも近いが、スペシャルトリプルフォースのほうが荷重をかけると胴にしっかりと乗って、パワーロッドらしい安心感がプラスされる。
高強度素材の採用で進化した、次世代の基本構造。
シマノ独自の設計・製造方法により、曲げ、ネジレ、つぶれなど、あらゆる方向に対して、さらなる高強度化を徹底追求。ロッド性能を根幹から高めるシマノ独自の基本構造スパイラルXに、ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを使用。選りすぐりの素材でさらなる高強度化を実現しました。一般的な構造との比較で、ネジリ強度1.4倍、つぶれ強度2.5倍を達成(当社比)。さらにスパイラルXとの比較でも、ネジリ強度10%アップ、つぶれ強度15%アップを達成(当社比)しました。
※ ナノアロイ®は東レ(株)の登録商標です。
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ブランクスを焼き上げる工程で使用する成型テープのラッピングを極めて細かいピッチで施す方法。ブランクスが、より均一な圧力で締め上げられるため、高強度化に大きく貢献しています。その細やかなピッチは、上質感のある外観デザインを描きます。
パラボラチューンはスムーズな調子を実現するために、各節の合わせ部分を見直し、強度を維持したうえで剛性の段差を排除。ワンピースロッドに匹敵する滑らかな調子とパワーを引き出すことに成功。また、磯ロッド専用に開発したバージョンとして、ロッド全体がスムーズに曲がるように各継部のブランクスの肉厚を最適化したパラボラチューンR、継部だけでなく前後の節のテーパー関係を見直し、より滑らかな曲がりの支点移動を可能にしたパラボラチューンR+が存在しています。
細くてネジレが生じやすい磯竿、鮎竿、へら竿などの細物穂先は構造的にスパイラルXが使用できません。そこで開発されたのが「ハイパワーXティップ」。穂先のネジレに対する剛性が大きく向上しました。
エキサイトトップをさらに進化させたエキサイトトップⅡ。鮎ロッドの穂先としては採用できないほどの超高弾性材料で作り上げたシマノオリジナルソリッドを、チューブラー穂先の先端に封入した構造です。
穂先に特殊設計を行うことにより、目で見る感度、手に伝わる感度が大きく向上しました。今まで得られることが出来なかった感度を得ることにより、魚に対してのアプローチが大きく変わります。
新開発、タフテック∞は一般的なソリッドに対して巻き込み強度3倍、巻き込み量5倍を実現(当社比)。強いタフテックαを凌ぐ高強度ソリッド穂先です。
節の継ぎ目はやりとり中にもっとも負担が集中する部分。Gクロスプロテクターは破損のリスクを大幅に軽減するとともに、玉口部分に精悍なルックスを与えます。
直接穂先に結びつけた天上糸を滑らせるとともにトップ自らも回転して糸ガラミを激減。繊細な穂先とほぼ同じ細さで、竿先が鈎先になったような感覚の感度を発揮します。(鮎竿、渓流竿に採用)
グリップ性に優れ、濡れても滑りにくく、理想の操作をサポート。高いグリップ力でありながら必要最小限の塗装膜なので、軽さや感度にも貢献しています。
※エキサイトトップII:標準チューブラー穂先
※エキサイトトップ:替穂チューブラー穂先
※タフテック∞:替穂ソリッド穂先
※パラボラチューン:急瀬GH 90、急瀬G 85、急瀬G 90のみ
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品番 |
全長(m) |
H表示 |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
元径(mm) |
適合オモリ(号) |
適合水中糸(ナイロン・号) |
適合水中糸(メタル・号) |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
JANコード |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 早瀬V 90 | 9.0 (9.0) | H2.75 (H2.6) | 8 | 136.5 | 230 | 1.8 (1.7) | 24.7 | 0-4 (0-2) | 0.15-1 | 0.05-0.25 | 99.8 |
283,000円 |
274182 | 4969363274182 | * |
| 急瀬T 85 | 8.5 (8.4) | H3.0 (H3.2) | 7 | 142.5 | 237 | 1.8 (0.7) | 24.8 | 0-6 (0-3) | 0.2-1 | 0.05-0.3 | 99.8 |
278,000円 |
274229 | 4969363274229 | * |
| 急瀬T 90 | 9.0 (8.9) | H3.0 (H3.2) | 8 | 142.5 | 240 | 1.8 (0.7) | 24.8 | 0-6 (0-3) | 0.2-1 | 0.05-0.3 | 99.6 |
288,000円 |
274236 | 4969363274236 | * |
| 急瀬G 85 | 8.5 (8.4) | H3.2 (H3.5) | 7 | 142.5 | 245 | 1.9 (2.1) | 24.4 | 0-8 (0-10) | 0.25-1 | 0.07-0.3 | 99.8 |
278,000円 |
274199 | 4969363274199 | * |
| 急瀬G 90 | 9.0 (8.9) | H3.2 (H3.5) | 8 | 136.5 | 250 | 1.9 (2.1) | 24.2 | 0-8 (0-10) | 0.25-1 | 0.07-0.3 | 99.8 |
288,000円 |
274205 | 4969363274205 | * |
| 急瀬GH 90 | 9.0 (8.9) | H3.5 (H3.7) | 8 | 136.5 | 270 | 2.0 (2.2) | 24.8 | 0-10 (0-12) | 0.3-1.2 | 0.08-0.4 | 99.6 |
298,000円 |
274212 | 4969363274212 | * |
※H表示・全長・先径・適合オモリの( )内は替穂先仕様です。
※元径は後端から100mmの外径を表示しています。
※ソフトタイプチューブラー替穂先:早瀬V
※パワータイプチューブラー替穂先:急瀬G、急瀬GH
※パワータイプソリッド替穂先:急瀬T