10mロッドのメリットは理解していても、その重量から手を出せなかった…という友釣り師に贈る超軽量モデル。元上パーツを交換することで9mに変更できる新機構、レングススイッチシステムを搭載し、幅広い場面で使える新コンセプトのロングロッド。
10mロッドのメリットは理解していても、その重量から手を出せなかった…という友釣り師に贈る超軽量モデル。元上パーツを交換することで9mに変更できる新機構、レングススイッチシステムを搭載し、幅広い場面で使える新コンセプトのロングロッド。
ロングロッドのメリットは単純明快。
周囲より長い竿を使っていれば、誰も触っていないサラ場に手が届く。
つまり、ほかの釣り人より、釣れるということ。
しかし、これも単純な理屈として、
竿は長ければ長いほど持ち重りが大きくなる。
ゆえに、釣り人は標準の9mより長い竿を使いたがらない。
さらに言うと、短めの竿のほうが好まれる風潮もある。
であるならば、軽くて使いやすい10mロッドがあれば、
そこには十分な勝機があるはずだ。
シマノが最新の技術で鍛えた、あらたなる快刀。
その名は、スペシャルナギナタ。
ロングロッドのイメージを覆す、超軽量10mロッド、ここに見参。
一歩先への想いを叶えるロングレングスロッドの可能性
あともう少し、一歩だけ前へ…。友釣り師であれば、誰もが感じたことがあるであろう、この葛藤。小さな川では持て余してしまうほど長く感じた9mのロッドが、滔々と流れる大河川を前にすると、なんとも心もとなく感じてしまう。
未踏のポイントに手の届く、全長10mのロングロッド。竿が1m長ければ、ラインの長さと合わせて、最長2m先を釣ることができる。こんなわかりやすい理屈を前にしながら、10mロッドに躊躇してしまうのは、その重量の問題が大きい。寝かせて使う瀬釣り用ロッドであれば、1mの延長は、その重量以上に大きな持ち重りを生んでしまう。ゆえに、これまで10mロッドを操れるのは、腕力に自身のある釣り人に限られていたのは否めない事実であろう。
しかし、薄肉にしてもツブレにくいスパイラルXコアと最新の設計技術で、シマノはその常識を打ち破ることに成功。10mとは思えない驚異的な軽さを実現したのが、2023年の新作、スペシャルナギナタである。
FWとTFの流れを汲む2つのアイテムを設定
超軽量10mロッドとして誕生したナギナタには、2つのアイテムが設定されている。
「FW-Tuned100」は、シマノの主力ロッドであるスペシャル競FWをベースにチューニングされた、全長10mの超軽量、H2.6クラスのロングロッド。FW譲りのシャープな調子で、長竿のダルな印象を払拭する軽快な操作感がここち良い。泳がせ釣りはもちろん、瀬釣りでも、より自然なオトリの泳ぎを演出することが可能だ。
もうひとつのアイテムの「TF- Tuned100」は、トリプルフォースの流れを汲むH3.3のパワーロッド。そのロングレングスを生かして急流に切り込み、サラ場の良型をパワーで凌駕する、急瀬大鮎攻略のスペシャルモデルである。広範囲を一気に引いて探れる、スピーディな攻めも得意としている。
長竿の普段使いを可能とするレングススイッチシステム
そして、このナギナタに投入されたあらたなテクノロジーが、元上パーツを換装することで10mから9mに変更可能なレングススイッチシステムである。標準仕様からのマイナス1mを実現する替穂先ならぬ「替元上」は、FW-Tunedで約40cm、TF-Tunedにいたってはわずか約25cmの長さだが、十分な強度があり、曲がりのバランスも良好。穂先から元上の上までに変更はないので、調子が大きく変わることなく10m時と近しい操作感を得ることができる。元上を短くすると、当然その部分のバットパワーの立ち上がりにメリハリが利いて、魚を掛けたときはガッチリとした印象になる。
10mという長さは使用するシチュエーションが限定されるだけに、普段使いに適した9mとの兼用ができるこのレングススイッチシステムは、ロングロッドの実用性を大いに高めてくれる。ピンポイント使用のサブロッドからメインとしての起用へ…。わがままな要望に応える、もはや禁断とも言えるシステムが初登場。ナギナタなら、ロングロッドをより現実的な選択肢として捉えることができるだろう。
猿渡 俊昭 TOSHIAKI SARUWATARI
プラス1mの威力は想像以上 9mにも違和感なくスイッチ可能
FW-Tuned100は、まさにFWの10mバージョンといえる竿です。軽くて扱いやすく、長竿を使ったことのない人でも、違和感なく使える一本になっています。基本的にはシーズン初期~中期の鮎に適していますが、テストでは盛期の九頭竜川でも十分な仕事をしてくれました。
地元の長良川では、増水時の残りアカ狙いの釣りで、その威力をいかんなく発揮してくれました。周りの人がほとんど釣れていない状況で、20尾くらい釣ることができたのは、長竿だけが残りアカのポイントを触れたという証でしょう。
1mの差は大きいです。届かないところに入れられるメリットは、状況が厳しいときほど生きてきます。また竿に長さがあることで、無理に川に入らず釣れるので、水が高いときなどは安全性も高くなります。
レングススイッチシステムで9mにしたときも、調子は非常に良好。自分としては、この9mをメインロッドにして、必要なときに長くして使うという方法もありだと思っています。それくらい、9mも違和感なく使えるのが、この竿のすごいところ。もちろん、10m時の取り回しも非常に軽快なので、ぜひ体感していただきたいですね。
島 啓悟 KEIGO SHIMA
長さに余裕があるぶん軽くても竿自体が仕事をしてくれる
9mで扱いやすいパワーロッドはいろいろありますが、とくに瀬の大物狙いでは長いほど先のポイントを攻められますから、10mロッドはとても有効です。できれば、もっと長くてもいいくらいですが、実用的な範疇でいうと10mが限界でしょう。
TF-Tuned100は、急瀬で26cmの大型も余裕で狙えるパワーロッドです。H3.3のパワーがありながら、自重はわずか320g。このクラスのロッドとしては驚異的な軽さで、操作性にも非常に優れています。腕力に自信のある人なら、もっと硬い竿でもいいと思いますが、僕を含めて一般的な体格の人であれば、この長さでの適正値はH3~3.5の間くらいでしょう。硬ければ確かにパワーは出ますが、使うほうにもそれを支えるだけの力が必要になります。
とはいえ、竿は長いほうが大きく曲がってくれるので、1m長さが増すと同じ硬さの9m以上の仕事をしてくれます。普通のサイズ相手ならこの差はあまり気になりませんが、大きい魚を相手にするとき、9mよりもやり取りに余裕を感じられるはずです。
操作性に重きを置いた軽量なロッドですが、このような理由からパワーに不足を感じる状況はほとんどないと思います。10mのメリットを誰もが享受できる、トータルバランスに優れたパワーロッドといえるでしょう。
高強度素材の採用で進化した、次世代の基本構造。
シマノ独自の設計・製造方法により、曲げ、ネジレ、つぶれなど、あらゆる方向に対して、さらなる高強度化を徹底追求。ロッド性能を根幹から高めるシマノ独自の基本構造スパイラルXに、ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを使用。選りすぐりの素材でさらなる高強度化を実現しました。一般的な構造との比較で、ネジリ強度1.4倍、つぶれ強度2.5倍を達成(当社比)。さらにスパイラルXとの比較でも、ネジリ強度10%アップ、つぶれ強度15%アップを達成(当社比)しました。
※ ナノアロイ®は東レ(株)の登録商標です。
ブランクスを焼き上げる工程で使用する成型テープのラッピングを極めて細かいピッチで施す方法。ブランクスが、より均一な圧力で締め上げられるため、高強度化に大きく貢献しています。その細やかなピッチは、上質感のある外観デザインを描きます。
パラボラチューンはスムーズな調子を実現するために、各節の合わせ部分を見直し、強度を維持したうえで剛性の段差を排除。ワンピースロッドに匹敵する滑らかな調子とパワーを引き出すことに成功。また、磯ロッド専用に開発したバージョンとして、ロッド全体がスムーズに曲がるように各継部のブランクスの肉厚を最適化したパラボラチューンR、継部だけでなく前後の節のテーパー関係を見直し、より滑らかな曲がりの支点移動を可能にしたパラボラチューンR+が存在しています。
※TF-Tuned 100
エキサイトトップをさらに進化させたエキサイトトップⅡ。鮎ロッドの穂先としては採用できないほどの超高弾性材料で作り上げたシマノオリジナルソリッドを、チューブラー穂先の先端に封入した構造です。
交換パーツに変えるだけでロッドの全長が早変わり。釣り方や場所などに応じて戦略的に長さを使い分けることで、釣りの幅が一層に広がります。
節の継ぎ目はやりとり中にもっとも負担が集中する部分。Gクロスプロテクターは破損のリスクを大幅に軽減するとともに、玉口部分に精悍なルックスを与えます。
直接穂先に結びつけた天上糸を滑らせるとともにトップ自らも回転して糸ガラミを激減。繊細な穂先とほぼ同じ細さで、竿先が鈎先になったような感覚の感度を発揮します。(鮎竿、渓流竿に採用)
グリップ性に優れ、濡れても滑りにくく、理想の操作をサポート。高いグリップ力でありながら必要最小限の塗装膜なので、軽さや感度にも貢献しています。
節の継ぎ目はやりとり中にもっとも負担が集中する部分。Gクロスプロテクターは破損のリスクを大幅に軽減するとともに、玉口部分に精悍なルックスを与えます。
付属の替元上パーツを変えるだけで調子を変えることなく、ロッドの全長が10m→9mに早変わり。釣り方や場所などに応じて戦略的に長さを使い分けることで、釣りの幅が一層に広がります。
品番 |
全長(m) |
H表示 |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
元径(mm) |
適合オモリ(号) |
適合水中糸(ナイロン・号) |
適合水中糸(メタル・号) |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
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FW-Tuned 100 | 10.00 | H2.6 | 8 | 143 | 252 | 1.5 | 25.0 | 0-3 | 0.1-0.6 | 0.04-0.2 | 99.5 |
280,000円 |
340832 | * |
TF-Tuned 100 | 10.00 | H3.3 | 9 | 142.5 | 320 | 1.8 | 26.1 | 0-8 | 0.175-1 | 0.06-0.3 | 99.5 |
298,000円 |
340849 | * |
■別売専用ソリッド穂先/先径 0.7mm 18,000 円 ●FW-Tuned 100(13YHX)●TF-Tuned 100(13YHY)
※FW-Tuned 100: 9m変更時の重量は222gです。
※TF-Tuned 100: 9m変更時の重量は280gです。
※元径は後端から100mmの外径を表示しています。