スナイパー釣法におすすめの仕掛けについて、2回にわたって紹介します。基本的にカワハギ仕掛けは胴つき3本バリ、それはスナイパー釣法でも変わりませんが、幹糸や枝間部分に工夫を凝らしてあります。1回目は縦の釣り、次回は横の釣りとに分けて解説します。
▲ 9月以降は大会がめじろ押し。寸暇を惜しんで釣行する日々が続く
カワハギ仕掛けの基本は、全長60センチ前後の幹糸に、オモリの接続部分から5~10センチ間隔で、ハリスを付ける3個の接続金具が付いたシステム。幹糸上部に集寄や中オモリが付けられるスペース、下部にハリの部分が集中した胴つき仕掛けとなっています。
▲ スナイパー釣法の仕掛けは全体的に長め、捨て糸も10センチは取る
▲ 探見丸搭載船では水深だけでなく底の状況もつかめるので、仕掛けの組み立てが容易
全長や枝間に関しては、個々の釣り方、釣り場状況などによっても変わってくるのは皆さんもご存じでしょう。スナイパー釣法でも縦の釣りか横の釣りかで多少の違いがあります。
使用する道糸はオールシーズン1号、末端処理はビミニツイストでダブルラインとし、穂先の破損を防ぐために蛍光パイプを通し、スナップをつなぎます。このシステムですべての仕掛けに対応します。
具体的な仕掛けの説明に入る前に、基本形を説明しておきます。仕掛けの全長が110センチと通常より長めなのは、集寄や中オモリを付けるスペースであり、以下に説明するアシストを考慮して、上部を詰めていくこともあるからで、ショックリーダーとしての役目も持たせてあります。
基本仕掛けA
スターティングでの仕掛けです。縦の釣りで以前説明したパイロットの釣りで使用する仕掛けで、当日のカワハギがどのタナで、どんな誘いで、どんな食い方をして、また底の状態やエサ取りの有無、適合するハリとサイズなどをリサーチするためのものです。
枝間10センチ、ハリス6センチは私の基本サイズ、縦の釣りなのでハゲバリ(攻掛)を使用します。
この仕様で、カワハギの活性が低く、タナが底と判断した場合はオモリ上の長さ(捨て糸)を5センチに詰めます。同じく活性が低く、アタリが小さいときは上部を20~30センチ詰めて全長を短くします。
▲ ハリス止めは「楽々HDビーズ」を使用。パッケージには枝間の長さを記入しておく
基本仕掛けB
Aの仕掛けにアシストを付けたものです。アシストとは「高足」とも呼び、主に根がきつい所などで使用しますが、そのほか色いろな場面で活躍します。
まず、底にエサ取りが多いとき、オモリ着底とともにベラやフグにエサを取られてしまう場合です。
次にタナが高いとき。最低でも30センチ、1~2メートルと高めに浮いているときも使用します。
もう一つがオモリを底に置いた状態で、フリーフォール、テンションフォールの落とし幅を広く取るときに役立ちます。
アシストは通常40センチ、あまり短くしても意味がないのでせいぜい20センチまででしょう。アシストを付けた場合は、幹糸の上部も同じ長さ分詰めていき、常に全長は110センチとします。
▲ これがアシスト。基本は40センチで30、20センチも用意
応用仕掛けC&D
いずれも幹糸上部に集寄、または中オモリを付けたときのパターンです。縦の釣りでの集寄や中オモリは、アタリが出たときにカワハギを下に向けるために使います。また、そのまま横の釣りに移行できるメリットもあります。
集寄、中オモリを付けてアタリが鈍るときには使いませんが、集寄に限ってはエサを潮の流れに向かせ、カワハギに就餌させやすくなる長所があります。
Cはストロークの長いテンションフォールが実現でき、Dはアシストを加えることによってBのメリットも享受できます。
実践での応用
▲ 仕掛けの交換は頻繁。移動中でも手を休めない
Aの仕掛けからスタートして、ポイント形状、カワハギの活性などの情報を得ます。とくに重要なのが前アタリ、掛けアタリに至るまでの時間です。
前アタリ、掛けアタリの時間がいずれも短いときは、活性が高いと判断しそのままAの仕掛けで続行。前アタリが遅く掛けアタリまでの時間も遅いときは、活性が低いと判断しCの仕掛けに替えて、ゆっくりとした誘いを行います。
基本的には砂地でA、C、カワハギのタナが高ければアシストを付けたB、Dの仕掛けに変更します。アシストは根の高低を補う意味で、凹凸のある所でも役に立ちます。
また、縦の釣りで潮が速い場合は仕掛けが流されるのを防ぐため、しっかりと立たせるために集寄、中オモリを使用しないA、Bを使います。
その他、ハリの選択、ハリス長、集寄の使用法には様ざまなバリエーションがありますが、横の釣りでの仕掛け解説をへて、次々回にお届けします。