DISRUPTION - 創造的破壊 -
「持論を否定せよ」振り返りが無ければ進歩もない。あらたな提案のために挑む創造的破壊。
ロッドができるまでの道筋をイチから見直し、テクノロジーも・コンポーネントの通説も…
全部一切既成概念を捨てて、最高のモノをつくるためにゼロベースで有無によるメリットとデメリットを照らし合わせる。適切なアクションに相応しい仕様へと到達するまでの、トライアンドエラーの軌跡。
2023年06月
※TOP WATER C68-Type1、CRANKING C68-Type2:2025年6月発売予定ロッドができるまでの道筋をイチから見直し、テクノロジーも・コンポーネントの通説も…
全部一切既成概念を捨てて、最高のモノをつくるためにゼロベースで有無によるメリットとデメリットを照らし合わせる。適切なアクションに相応しい仕様へと到達するまでの、トライアンドエラーの軌跡。
DISRUPTION - 創造的破壊 -
ディスラプション(DISRUPTION)とは、 “創造的破壊”を意味します。理想という未踏の大地へ最初の一歩を踏み出したい。その前に立ちはだかる最も大きな障壁は妄信的な自己肯定であり、疑うことを忘れた既成概念です。ターゲットルアーを絞り込み、そのルアーが持つポテンシャルを最大限に引き出すには何が必要なのか。素材のセレクトからテクノロジーに至るまでゼロベースから考え、仮説と検証を繰り返しました。そして導き出された最適解が、ディスラプションというルアーロッドです。古びた概念や常識は必要ありません。ディスラプションが求めるのは“本物”のみです。
“何よりもルアーありき”がディスラプションブランドの基本思想です。1つのルアーの持ち味をフルに活かすロッドであること。安易にスペックの裾野を広げると、性能を最大公約数で着地せざるをえません。ディスラプションが掲げる思想を貫くためには、ターゲットルアーを一点に絞り込む必要がありました。
2023年に発売されたディスラプションのファーストアイテムは、2ozクラスと4ozクラスのビッグベイトにフォーカスしたパワーモデルでした。そして2025年、これに続くディスラプションの第二弾として産声を上げたのが、『トップウォーター』と『シャロークランクベイト』に特化したモデルです。
「アマゾンでもどこでも使えるフリースタイルのルアーとして、トップウォーターは避けては通れない。トップウォーターを追わないフィッシュイーターはいない。よく飛んで動かしやすいロッドを探求したい」(秦拓馬)
「リトリーブで魅了するクランクベイトの魔力が色褪せることはない。どんなに材料が進化しようと、クランキングロッドに求められる性能はきっと変わらないよ」(加藤誠司)
シマノの心を揺さぶったのは、こんな2人のエキスパートの言葉でした。汎用性を求めすぎると必要なスペック要素が分散してしまい、高レベルな性能を1本のロッドにまとめ上げることが困難になります。究極を探求するディスラプションにおいて、レンジが固定されるルアーに着目したのはある意味、必然ともいえるものでした。
トップウォータープラグは操作系とリトリーブ系が混在し、クロダイやトラウトを狙う5g前後の小型から、マグロやヒラマサ狙いで用いる100gクラス大型まで多岐にわたります。そのなかでディスラプションがフォーカスしたのは、操作系の代表格であるペンシルベイトです。国内外で最もベーシックなサイズとされる14g前後のトップウォーターを快適に扱えるロッドをType1とカテゴライズし、狙ったポイントへ確実にルアーを撃ち込める飛距離、アクションの多くをアングラーのインプットに依存するペンシルベイトを的確に泳がせる操作性を、いかにして高めていくかを検討しました。
調子は飛距離だけでなく、ルアーの操作性にも大きく影響する部分です。つぶれとネジレを抑えるカーボンテープの横繊維、調子を司る縦繊維。ロッドの構造は常に「縦と横の配置関係」にあります。トップウォーターロッドとしてベストな操作性を得るにはどのような繊維配置で、どのような調子を作ればよいのか。調子の分析に際する大きなテーマは、ティップ先端が軟らかく無段階に曲がり込む『し』の字調子と、ティップ先端を硬質に仕上げ、曲がり込んだのちスナップのように押し出す『へ』の字調子のどちらがよいのか、という点です。
テストにて検証したところ、『し』の字調子は曲がりが非常に綺麗な反面で細かい操作がティップに吸収されてしまい、アクションのレスポンスは今ひとつ。飛距離においても思ったほど伸びませんでした。逆に『へ』の字調子は機敏なアクションを付けやすく、キャスト時も硬質のティップがリリース直前にルアーを押し込むためか、とりわけ10〜14gの軽量トップウォータープラグでは『し』の字ティップよりも飛距離が出るという結果を得られました。指先の爪のように先端に硬度と重量を意図的に設けることで、振動感知性能と操作レスポンスを高めることが可能となりました。
また、TOPWATER C68 Type1では、高密度のラバーコルクをグリップエンドに搭載しました。その理由は、世界のビッグフィッシュと対峙するフリースタイルロッドであるからです。アマゾンに生息する巨大なフィッシュイーターのファーストランは強烈で、ルアーを吸い込むやいなや一気に走り、ロッドエンドを跳ね上げます。このときのヒジに受ける衝撃の強さは、実際に経験した人でなければ理解できないでしょう。ビッグフィッシュと渡り合うためには、快適性も不可欠なのです。
急激なロッドエンドの跳ね上がりからヒジへの衝撃を緩和する高密度ラバーコルクをグリップエンドに採用。ビッグフィッシュと真っ向勝負を挑むための快適装備です。
クランクベイトは、シャローランナーから4m以上も潜るディープダイバーまで様々。その中でディスラプションでは、水目直下のサーフェスレンジから120cm前後をカバーするシャロークランクベイトをType2とカテゴライズし、今回のターゲットルアーとしました。サイズはラージマウスバスやスモールマウスバス、スポッテッドバス、シーバス、ロックフィッシュなどの標準とされる1/4〜3/8oz(7〜10g)を想定。一口にシャロークランクベイトと言ってもルアーによってリップの大きさに差があり、リトリーブした際に感じる抵抗も違います。ディスラプションCRANKING C68 Type2では小さなスクエアビルタイプにフォーカス。クランクベイト本来の使い方である定速リトリーブを前提とし、極めて弱く抜けるような振動をリアルに感じつつ、ルアー本来の泳ぎを引き出す追従性に重きを置いてチューニングを施しました。
ディスラプションCRANKING C68 Type2の開発に際し、最も優先される要素はクランクベイトの細やかな振動に対する追従性能です。この追従性能を高めるためティップからハイパワーXを外し、徹底的に軽量化を図ったサンプルを用いてテストしたところ、軽いティップは振動の戻りが速く、ルアーの動きから滑らかさが失われてしまうという結果になりました。手感度や目感度も期待していたレベルには達していません。そこで得た結論は、ティップから重量を奪ってはならない。むしろ適度な重みは載せたほうがよいということです。
ティップに重量を載せると追従性としなやかさを得られる理由は、古典物理学であるニュートン力学の「運動の第二法則」と呼ばれる、次の方程式で理解することができます。
ma=F(質量×加速度=力)
このままではわかりにくいので、具体的な釣り用語に置き換えてみましょう。
「ティップの重さ×ティップの動き=巻く力」
クランクベイトの場合、基本的にリトリーブの「巻く力」は常に一定。であるならば、ティップの重さが増すほどティップの動きが遅くなり、結果、ロッドの調子は曲がりやすく、しなやかな方向へ移行するということになります。
テストの結果を踏まえ、ハイパワーX をティップまで入れて先端部へ局所的に重量を残したサンプルを試したところ、過度なティップの跳ね返りがなくなってロッドそのものが曲がるバランスへと変化しました。ルアーもよく泳ぐ。手感度、目感度ともに良好。何より調子が実にしなやか。軽いカーボンベースのロッドでも、グラスコンポジット並みの柔軟さが作れることに気づきました。さらに適正なティップ重量を絞り込む過程において、「ティップを重くするのであれば、タングステンを巻いてみてはどうか」というアイデアが出ました。穂先に重量のあるタングステンを巻くというのは、2003年に発売されたへら竿『特作 一天』で採用された手法。穂先に重量を持たせることによって、振り込みを安定させることが狙いです。
加藤誠司プロとともに行ったフィールドテストでよい結果を出したのが、このタングステンを巻いた重めのティップでした。リトリーブしてルアーの抵抗が乗ったところでゆったりとロッドに曲がりが入り、ティップは跳ね上がることなくクランクベイトのプルプルという心地よい振動だけを表現してくれます。
「カーボンなのにグラスコンポジット並みのモタレ感が出ています。素晴らしいですね」
海外のトーナメントでも活躍するクランクベイトのスペシャリストが太鼓判を押す出来映えでした。
へら竿に用いられたテクノロジーを応用し、タングステン素材のエキサイトトップを採用。あえて重量を乗せることで、しなやかで追従性の良いティップを実現しました。
フルカーボンモノコックグリップにコルクコーティングを施すことで、軽さはそのままに温もりのある手触りを実現しました。
ディスラプション CRANKING C68 Type2では、従来のフルカーボンモノコックグリップの外装のみに極薄のコルクをコートする新たな仕様を採用。これにより、中空ブランクスの軽さはそのままに、温もりのあるコルクの手触りを実現しました。
ビッグベイトは重く硬質で、サイズの大きな物体が瞬間的な切れ味を魅せるルアーカテゴリーのひとつ。これでしか捕食しない、もしくは威嚇のスイッチが入らない狡猾な大物は世界中に広く存在します。それこそが他のルアーでは真似できない魅力であり、ハードルアーであるビッグベイトが持つ特権でもあります。
シマノが見据えたのは、フィッシュイーターに強烈に響くリアクション性能を最大限に引き出すロッドを作り上げること。もっと多くのビッグベイターが、もっと多くのドリームサイズと出会えること。ひとことで表現するなら、全てのシマノタックルと等しく、アングラーの夢を叶えたいという想いが根底にあります。そんな原動力こそが創造的破壊、ディスラプションの原点です。
シマノバスロッドにおけるビッグベイトロッドは、SB(Swim&Big bait)という略称で定義されています。スイムベイトとビッグベイト、2タイプのルアーを両立させるべく、比較的広い適正ルアー幅にスイートスポットを持たせてきました。
ビッグベイトは浮力のある樹脂や発泡ウレタンなどのマテリアル、かつ中空ボディであることが多いため、キャスト時の空気抵抗が大きくロッドの反発力を使いづらい。一方でスイムベイトは、重心位置が一点集中しているものが多く、それゆえ空気抵抗が少なく反発力を活かしやすい。つまり、ビッグベイトの適正ルアー幅を優先した範囲を決めて投げやすいウェイト数値を設定したものの、スイムベイトであればそれより若干重めのウェイトに対応が可能である、という意図がありました。いわば、ソルトウォーターのショア用ロッドのプラグ適正、ジグ適正と同様の考え方です。
しかし、ディスラプションの着地点はバスロッドではありません。ましてやソルトウォーターロッドでもありません。対象魚に制限はなく、括りはビッグベイトというルアーのみ。世界を視野に入れた、新たなフリースタイルのカタチを追求しています。
とするならば、ディスラプションだけに特化させたパワーランクに設定することは命題。従来のSBの枠組みを超え、ハード系ビッグベイトのみに方向性を振り切った適正ルアー幅。あえてスイムベイトへの対応力は切り捨て、ハード系ビッグベイトのみで釣るためのベストなロッドを目指したのです。本質的なベストを狙って厳選したのは2つのパワー設定です。
●XX(=2X/ダブルエックス)…2oz.クラスを中心に3oz.クラスまでカバー
●XXXX(=4X/フォーエックス)…4oz.クラスを中心に6oz.クラスまでカバー
国内のみならず世界を見渡せば、ビッグベイトのウェイトは主に2サイズ。2ozクラスと4ozクラスを軸としたモデルが実に多く、図らずも世界でビッグベイトが投げられ続けてきた結果の集約値であることがわかります。
ディスラプションが世界のフィッシュイーターを狂わせる、この2サイズをターゲットとしたことは必然でした。
2~3oz.クラスと4~6oz.クラス。2つのパワーランクを求めたビッグベイトロッドを設計するにあたり、それぞれ主軸となる用途をまずは検証。各モデル最適なレングスと共に、適材適所のブランクス設計で日々形作られていきました。
2~3oz.クラスをターゲットにしたモデルの名はC610-XX。投げて巻くだけのみならず、テクニカルな操作が求められるモデルには、長過ぎず短過ぎない絶妙なレングスと共に、繊細なロッドワークに応える調子が求められました。
採用されたロッドテクノロジーは、アルティメットブランクスデザイン(=UBD)。理想のアクション、テーパーを実現すべく、適材適所で弾性率の異なるカーボンシートを配置できるシマノ独自の画期的な技術。ムダを廃することで軽量化にも貢献することができます。
トゥイッチやジャークでテクニカルな操作を繰り返す際、求められるのは2~3oz.クラスのウェイト及び抵抗を抑え込むティップのパワー。そして、キャスト時は溜めて弾き出すベリーからバットの高反発力も不可欠です。1本のブランクス、各セクションがそれぞれの役割を担うにはUBDの有効性が欠かせない要素でした。
一方、4~6oz.クラスは、その名もC78-XXXX。ジャイアントベイトとも呼ぶこのクラスを自在に扱うロッドには、他に類を見ない圧倒的なパワーが求められます。
ブランクスの根幹には構造的にネジレを防ぎ、高強度かつ美しい曲がりを見せるスパイラルXコアを採用。徹底的にねじれを追放した高弾性ブランクスにより、全身から漲るロッドとしてのパワーはもちろん、遠投した先のジャイアントベイトをしっかりと操る操作性や、ビッグターゲットの口に掛けるフッキング性能など総合的な釣獲力を高めています。
また継数はXXがグリップジョイント1ピースに対して、XXXXはワンアンドハーフの2ピース並継構造。それぞれが最も機能するテーパーを検証した上で、携行の利便性も追求。国内のみならず海外遠征も視野に入れたアングラーの要望に応えます。
グリップはC610-XXがパーフェクションシートXT、C78-XXXXがパーフェクションシートCI4+を採用。シートは内径・外径の異なる4タイプをテスト及び検証に基づき決定。グリップには、アングラーが握った負荷を確実に伝える特注超硬質EVAを選択(C78-XXXXはエンドグリップにはラバー素材を採用)。キャスト時の入力パワーがバットの曲がりで損なわれにくくするため、リング片側をシート内部で金属パイプ化して、さらには、グリップエリアには超超高弾性カーボンを採用。いずれもパワーロスをなくし、最大限にパワーを発揮する仕様です。
また、ロッド開発時には各モデルに最適なリールを組み込み、検証テストを繰り返したことも付け加えておきたい事実です。XXにはアンタレスDCやアンタレスDC MD、XXXXにはカルカッタコンクエストMDやスコーピオンMD。リールの高さやライン放出高、そしてフィーリングまでの全てを設計に落とし込み、トライ&エラーの果てに完成。各ロッドのポテンシャルを最大限に味わうことができるセッティングがそこに存在しています。
これまで別の味付けのロッドを右腕としてきた両雄が互いのビッグベイト論を打ち出していく。開発当初、それぞれが求めた本質とは何か。
「追わせて焦らせて本能で喰わせるために、スピード域を変化することができる距離が欲しい」(秦)
高速巻きからの8の字釣法でターゲットに対してパニック状態のベイトフィッシュを演出するのが秦の主軸パターン。
一連のストーリーを完結できる時間、つまり「飛距離が欲しい」が結論。食わせるまでのプロダクティブゾーンの拡大を求めました。
「バットでパワーが逃げると、思い通りにルアーを操作できない」(奥田)
4oz.超のビッグベイトをハンドル操作だけで全ての泳ぎを管理するのが奥田スタイル。そこに求められるのは長いバット、即ち曲がらないセクションが広いこと。「バットパワーを極限まで高める」ことで自らの意志通りのアクションを伝えることを理想としています。
それぞれのスタイルやゲームメイクが異なるのは至極当然。交わりと食い違いを繰り返す中で、テストを重ねるうちに見えてきた二人の要求はいつしか重なり合い、本質へとたどり着いていきました。魚に口を使わせるという根本を辿れば、キーポイントは実に似通っていたのです。
「飛距離が出ることで、ルアーを喰わせるための演出の質が上がる」(秦)
「ブランクスの曲がらない部分が長くなることで、ルアーが大きいほどルアーアクションの質を上げることができる」(奥田)
彼らがロッド性能に求めていた結論は“大きなルアーに弱さを与える”ためのロッド性能でした。ビッグベイトとは、そのボリューム感だけが本質ではなく、強さの中に垣間見える、アクション時に見せる弱さがターゲットたちの本能を刺激するというのです。
アクションをリーリングで付けやすい硬質なプラグであるハード系ビッグベイトは、ロッドを振り切ってストロークで飛ばすことが飛距離の要。ブランクスの硬い部分が長ければ長いほど、反発力を活かしてより飛ばせることは明白。ねじれを追放して、ブランクスの元から硬い部分が長い。かつ肉薄でシャープな鋭いロッドがディスラプションの結論です。
二人が求めたビッグベイトロッドの理想がここに実現しています。
[TOPWATER C68 Type1]
僕がペンシルベイト用ロッドに求める条件とは、狙った場所へ気持ちよく遠投できて、掛けた魚をしっかりキャッチできるパワーと粘りを備えていること。そのうえで自分が思ったようにルアーを操作できることです。ペンシルベイトは釣り人側が操作しないと動かないルアーですから、特に操作性は重要ですね。僕はペンシルベイトを“楽器”だと思っているんです。操作する中でどのように水を絡めるかによって音色が変わるんです。水を散らしたり纏わせたり、掻き回してみたり、柔らかく水を持ち上げてみたり。水の膜を自在に操ることって、不要に水を切りすぎるロッドだと難しいんですね。その点、ディスラプションTOPWATER C68 Type1の調子は絶妙です。硬めのティップが細かいアクションをレスポンスよくルアーに伝えてくれるので緻密な操作が可能。またキャスト時もリリース直前にティップがルアーを押してくれるのか遠投が効くし、その距離感もつかみやすい。ディスラプションTOPWATER C68 Type1はよく飛び、ルアーへの水の絡みを自在に表現できるロッドですね。
[Cranking C68-Type2]
魚を迎えに行くのではなく、魚を動かして喰わせる釣りが好きな僕にとって、表層で小刻みに首を振って魚を刺激するシャロークランクベイトは大好きなルアーのひとつ。シャローエリアのみならず、ディープエリアでも多用しています。ディスラプションCranking C68-Type2は狭いエリアでゆっくりボートを流しながら、50〜65㎜のシャロークランクを岸際に落としてテンポよく探るような釣りをイメージしてテストしました。僕がクランキングロッドに求める最も大きな要素は、クランクベイトの泳ぎを妨げないしなやかさと、手元へルアーの振動を伝える感度。よい意味でのダルさというか、グラスのようなモタレ感を軽いカーボンで出したかった。こんな無茶ともいえるリクエストを実現してくれたのが、タングステンを仕込んだ重めのティップでした。過度な反発が抑えられ、ティップがきちんと振れてルアーが綺麗に泳いでいることを知らせてくれます。手元にもクランクベイトの振動感がリアルに伝わってきて、釣りをしていて心地いいですね。飛距離も申し分なく、狙った場所へ正確にルアーを落とすことができます。
[BIG BAIT C610-XX / BIG BAIT C78-XXXX]
「自ら仕掛ける」という部分において、BIG BAIT C610-XX、そして BIG BAIT C78-XXXXの2本は、ルアーの操作性に非常に長けたロッドになっています。従来から求められている「ロングキャスト性能」と「正確性」を高めたうえで、さらに「ルアーを自在に動かせる」という点にもこだわりました。トゥイッチやジャークをしたときの感覚は、ルアーの動きが今までのSBモデルと全然違うと思います。ひとことで言うと、より動かしやすくなったのですが、例えるなら『自分の手でルアーを持って動かしている』ように感じる動きを見せてくれます。自分のロッド操作が、ダイレクトかつ正確にルアーに伝わっている感覚ですね。
これは単にロッドが軽くなっているからではなく、ルアーを動かすために必要なパワーが上がっているためです。アクションのキレは今まで以上で、魚の反応も非常にいいです。パワーが有り余っている感じで、アクションさせているだけで勝手に掛かってしまうような強さがあります。逆に言うと、パワーがあり過ぎてハリが伸びてしまうのではないか…と、いらぬ心配をしてしまうくらい、パワーがあるのは事実です。
[BIG BAIT C610-XX / BIG BAIT C78-XXXX]
「ビッグベイトは、ベイトタックルを使うことが大前提ですが、ソルトウォーターではベイトを使ったことがない人もいるでしょう。バスフィッシングを通過せず、ソルトウォーターから釣りを始めた人も多いですから、スピニングしか使ったことがない人もいると思います。
でも、今、世の中は変わりつつあります。ビッグベイトの威力に気付いて、その愛用者は確実に増えています。スピニングしか使ったことのない人も、今こそ自身の釣りをアップデートするときです。
ベイトリールのライントラブルが怖い? それはもう過去の話。現代のDCブレーキ搭載リールは非常にキャストしやすく、電子制御によりトラブルも抑えられています。まずはC610-XXにアンタレスDC MDを組み合わせて、大き過ぎないビッグベイトをスローに投げることから始めて、徐々に体を慣らしていけば、いつの間にかロングキャストもできるようになっているはずです。ビッグベイトで仕掛けに行くスタイルには、ディスラプションが欠かせない存在であることに、いつしか気付くことになると思います。
高強度素材の採用で進化した、次世代の基本構造。
シマノ独自の設計・製造方法により、曲げ、ネジレ、つぶれなど、あらゆる方向に対して、さらなる高強度化を徹底追求。ロッド性能を根幹から高めるシマノ独自の基本構造スパイラルXに、ナノアロイ®テクノロジーにより実現した高強度樹脂を用いたカーボンテープを使用。選りすぐりの素材でさらなる高強度化を実現しました。一般的な構造との比較で、ネジリ強度1.4倍、つぶれ強度2.5倍を達成(当社比)。さらにスパイラルXとの比較でも、ネジリ強度10%アップ、つぶれ強度15%アップを達成(当社比)しました。
※ ナノアロイ®は東レ(株)の登録商標です。
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本来のロッド性能を引き出すシマノオリジナルガイド[Xガイド]。
ロッドメーカーの観点から生まれたXガイドは、ブランクスが備える潜在能力を十二分に引き出すために誕生しました。軽さ、トラブルレス、キャスト性能を高次元に融合させたシマノオリジナル高性能ガイドです。
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EVAもコルクも使用しない常識破りの高感度グリップ
リールシート後方からリアグリップまでを中空一体成型で創り上げた新次元のグリップエンド構造、それがフルカーボンモノコックグリップです。ティップから入力された振動の伝達を阻害する要因を徹底追放。今までの常識を覆す軽量高感度グリップです。
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感度の基準を変えた中空構造が生んだ軽さと高感度。
リアグリップをカーボン一体成型で中空構造化するという革新的なアイディアで、あらたな高感度ロッドの歴史を創り上げたカーボンモノコックグリップ。従来にない情報伝達力を獲得し、かつてない軽さと感度を獲得しました。
解説ページはこちら
キャスト時やファイト時に発生するネジレをさらに抑え込む強化構造。スパイラルXの最外層、あるいはカーボンシート縦横交差構造の上からカーボンテープをX状に締めあげていくのが特徴。これにより、ロッドの曲がりが釣り人の意図する方向性を保持し、ブランクスが持つ本来の性能がフルに発揮されます。
100種類以上の中から目的とする素材を厳選し、ティップ、ベリー、バットの各セクションに適所に配置する設計技術。 ブランクスに無駄な肉を残さず、理想の調子を実現。強度とパワーを保持しながら軽量化をもたらす新構造です。(バスロッドに採用)
穂先に特殊設計を行うことにより、目で見る感度、手に伝わる感度が大きく向上しました。今まで得られることが出来なかった感度を得ることにより、魚に対してのアプローチが大きく変わります。
カーボン繊維によって強化したシマノ独自の素材CI4をさらに進化させたCI4+。従来樹脂と比較してより軽量で高い強度を備えているのが特徴。
※Xガイド、エキサイトトップ:TOP WATER C68-Type1、CRANKING C68-Type2
※フルカーボンモノコックグリップ:CRANKING C68-Type2
※カーボンモノコックグリップ:TOP WATER C68-Type1
※アルティメットブランクスデザイン:BIG BAIT C78-XXXXを除く
品番 |
全長(ft.) |
全長(m) |
継ぎ方式 |
テーパー |
継数(本) |
仕舞寸法(cm) |
自重(g) |
先径(mm) |
ルアーウェイト(g) |
適合ラインナイロン・フロロ(lb) |
適合ラインPE(号) |
グリップ長(mm) |
グリップタイプ |
リールシート位置(mm) |
リールシートタイプ |
カーボン含有率(%) |
本体価格(円) |
商品コード |
JANコード |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
BIG BAIT C610-XX | 6'10" | 2.08 | グリップジョイント | F | 2 | 171.9 | 160 | 2.2 | 18-72 | MAX 25 | - | 313 | ストレート | - | DOWNLOCK | 89.1 |
58,000円 |
332554 | 4969363332554 | ** |
BIG BAIT C78-XXXX | 7'8" | 2.34 | 並継 | RF | 2 | 130 | 262 | 2.9 | 42-168 | MAX 35 | - | 444 | セパレート | - | DOWNLOCK | 96.6 |
68,000円 |
332561 | 4969363332561 | ** |
TOP WATER C68-Type1 | 6'8" | 2.03 | グリップジョイント | R | 2 | 174.3 | - | 2.0 | 7-28 | 8-16 | MAX 3 | 235 | カーボンモノコック | 262 | DOWNLOCK | 98.4 |
未定 |
381071 | 4969363381071 | ** |
CRANKING C68-Type2 | 6'8" | 2.03 | グリップジョイント | R | 2 | 174.3 | - | 2.5 | 5-21 | 7-14 | MAX 2 | 235 | カーボンモノコック | 262 | DOWNLOCK | 86.3 |
未定 |
381088 | 4969363381088 | ** |