2015/07/01
コラム
山本太郎直伝 ウキダンゴ釣り(紀州釣り)入門 基本編「釣り座設定と一連の動作」
ウキダンゴ釣り(紀州釣り)の場所選びと投入法
足場がよく、ポイントになる砂地が近い堤防がおすすめ!
シャクで投げるとラク
まずウキダンゴ釣り(紀州釣り)をはじめようと思うなら、比較的足場のよい堤防が最適だ。
堤防は足元の際から5、6mほど先まで基礎石が入っており、その基礎石の向こう側はフラットな砂地になっていることが多い。
フラットな砂地は、ウキダンゴ釣りでは釣りやすい条件の一つになってくる。
それは海底に岩礁などの凹凸がないので、タナが一定になるから。やっかいな根掛かりもない。
また、砂底にいる魚は、岩礁帯にいる魚よりも、ダンゴのマキエで足止めしやすい。
という理由で、ウキダンゴ釣りでは砂地狙いがひとつのカギになるのだ。
堤防といっても長くて広い。どこで竿を出すのか悩んでしまうだろう。フカセ釣りなら潮通しのいいところ、先端部などに陣取るのが普通だが、ウキダンゴ釣りの場合はそれは避けるようにしたい。
というのも、先端筋は潮の流れが速く、着底するまでにダンゴが流されてしまってポイントがズレたり、潮に押されラインが湾曲してふくらんでしまうと、サシエを引っ張ってしまうことになる。
サシエを引っ張るのがなぜいけないのかは後で説明するが、とにかく潮が無用にラインを引っ張るのを避けるため、潮流が緩めのところ選ぶのが基本。
堤防なら先端よりも、少し中に入った場所に陣取るとよいだろう。
堤防で釣る利点としては、ポイントが比較的近いのであまり投げなくてもすむ。
その点でもビギナーにおすすめといえる。
ウキダンゴ釣りでの投げ方は、野球のように上から、ソフトボールのように下から、あと専用のシャクで投げる3つのパターンがある。
上から投げるのは少し慣れが必要で難易度が高いので、シャクを使うことをおすすめする。
ラクに距離を飛ばすことができるはずだ。
実践テクニック
タナ取りと山立て
畳2枚分ほどのスペースをイメージし仕掛けがウキを引っぱらないタナに設定
ウキダンゴ釣りでは、ウキを使うことが必須なので、ウキからハリまでの長さを、その日、その場所の状況に応じて決めなくてはいけない。それがタナ取りだ。
まずはオキアミをハリに刺し、ダンゴを割れないくらいにしっかり握って投入してみよう。
ウキダンゴ釣りのダンゴは、投げやすいよう、イカダ釣りより小さめのダンゴでOKだ。
まず、自分が投げられる範囲に、縦に並べた畳2枚分ほどのスペースをイメージする。
そこにずっとダンゴを投げ続けるイメージを持っておく。ここで行うのが山立てだ。
遠くの島などの地形を目標に、投げる方向を覚えておき、いつも同じ一定方向へ投げる。
距離感は、「あ、足りない」とか「お、投げすぎ」とか、投入するほどに感じがつかめていくはずだ。
ダンゴを投入すれば自ずと海底へと沈んでいく。
しっかりタナ合わせをしよう。
ウキ止め糸を動かせばタナが変えられる。
タナ合わせは、ウキが沈んでいる状態から、足していく(ハリからウキ止めまでの距離を長くしていく)方が分かりやすい。
ウキがかすかにシモる※とトントンで、これは水深とウキ下が同じ状態だ。
トントンではサシエを仕掛けが引っ張るので、ダンゴが割れた瞬間に浮き上がってしまう。
そうなるとエサ取りの餌食になりやすく、チヌの目に止まる前に喰われてしまうことになる。
ここからプラスαしてみよう。具体的には、半ヒロ~1ヒロ※ほどウキ下をプラスしていく形になる。仕掛けがウキをひっぱらないよう、ウキがシモらないよう調整していく。
しもらない最適なタナになれば、ダンゴが割れても、ウキが浮き上がらず、チヌがサシエをしっかり見て喰ってくれる“間”を作ることができる。
※シモる:ウキが海中に沈むこと
※1ヒロ:両手を広げた幅
ダンゴ投入とラインメンディング
外ガイド竿なら糸がらみに注意しウキを引っ張らないようラインメンディング
ダンゴの投入はリズムが大事だ。ダンゴを握ったら、シャクへダンゴを乗せておき、手に付いたダンゴの粉をはらって、右投げなら左手で竿を握る。そしてリールをベールオープンにし、中指でスプールを押さえ、ラインを海面に少し出しておく。
ここで、外ガイドの竿であればガイドに糸がらみがないかを確認することが大事。
右手で投げるなら竿先は少し左へ振っておくことも忘れずに。
そして、右手でシャクを握り、投げる方向を見定め、ダンゴを投げたら、追随するように、竿先を上げ、ウキがスムーズに飛んでいくよう軽くしゃくる。これが一連の投入動作だ。
その後は、ウキにウキ止めが到達するまで、ラインの張りを見ながら竿をしゃくってラインを出していく。
このあと、潮の流れに応じて仕掛けがウキを引っ張らないようにラインを出す、ラインメンディングを行うことが大事。
これらをしかっかり実践すれば、見事にウキが入り、猛々しく首を振るチヌの独特な引きを味わえる瞬間がもうすぐそこだ。
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