マアジ
どんな料理にも合うまさに〝アジ〟自慢
味の良さからこの名前が付いたとも言われるアジ。料理のバリエーションも豊富で、フライ、開き、なめろうなど、生のものから揚げ物まで多種多様。安くて美味しい大衆魚の代表格である。
そんなアジを買う際には、ぜひ体色に注目してみて欲しい。黒っぽいアジと黄色味の強いアジの2種類がいるはずだ。実はアジには行動の異なる2つのタイプがい、季節によって外洋を回遊していくタイプと、浅場に居付くタイプに分かれる。
出回っているアジの大半は漁獲量の多い回遊型で、その体色は黒味が強いのが特徴。回遊しているため脂の乗りが少なく、体高が低いので身も少なめ。
対する居付き型は、黄色味の強い体色と高い体高が特徴で、身が多く脂もよく乗っている。
つまり黒と黄色なら黄色を選べば間違いないというわけだ。
アジの捌き方
大名おろし
大名おろしとは、身残りを気にせず、一気に半身にスライスする三枚おろしの方法。
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頭を落とした断面から包丁を入れ、尾に向かって一気にスライスするだけ。アジなどの小魚は、通常の三枚おろしだと細かい作業になるし、数を捌く場合が多いので、効率重視のこの方法が便利。
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皮引き
この作業が苦手という人も多いだろう。皮は剥ぐのではなく引く。そう心掛ければ上手くいく。
まず尾の前で皮と身の間に切れ目を入れる。包丁を身と皮の間に入れて、刃で皮を押さえる。そして包丁を動かすのではなく、皮を引っ張るのがコツ。
マアジのレシピ ①
南蛮漬け
目安
一番出汁をとって三杯酢を作る
アジは唐揚げにして三杯酢にじっくり漬け込む
材料(1〜3人前)
- マアジ 3〜4尾
- 片栗粉 1/2カップ
- サラダ油 適量
- 昆布 約20g
- 鰹節 約70g
- 砂糖 80g
- 酢 200cc
- しょう油 少々
- 玉ネギ 1/2個
- カイワレ大根 少々
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一番出汁をとる
昆布を入れた鍋を火にかけ、沸騰寸前で昆布を取り出す。鰹節を入れてひと煮立ち。
出汁が出たら鰹節をこし取る。 -
三杯酢を作る
出汁汁400㏄に酢200㏄と砂糖80gを合わせ、強火にかけてひと煮立ち。香り付けにしょう油をたらして味を調整。
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アジに衣を付ける
大名おろしにしたアジの身に片栗粉をまぶして衣付け。薄くまんべんなく。全てをビニール袋に入れて振り混ぜると簡単。
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アジを揚げる
揚げ油を約170℃まで熱してタネを投入。泡の出方がおとなしくなり、浮いてきたら油から上げて余分な油を切る。
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三杯酢に漬け込んで寝かす
玉ネギの薄切りをタッパーに敷きつめ、その上に唐揚げを乗せる。三杯酢で浸して1日程冷蔵庫で寝かせればでき上がり。
マアジのレシピ ②
梅じそフライ
目安
アジの切り身に大葉を乗せ
刻んだ梅肉をくるんでじっくりフライ
材料(2〜3人前)
- マアジ 3〜4尾
- 梅干し 大3個
- 大葉 3〜4枚
- 卵 2個
- 薄力粉 1/2カップ
- パン粉 1/2カップ
- サラダ油 適量
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アジを3枚におろす
大名おろしでアジを3枚におろす。尾が残っていると巻きにくいので、このときに落としておく。
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梅干しをたたく
種を抜いた梅肉を包丁でたたいて刻んでおく。面倒なら市販の練り梅で代用しても良い。
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アジでタタキ梅をくるむ
半身の切り口に大葉を敷き、その上に梅のタタキを薄く万遍なく塗る。尾側から巻いてくるんだら、楊枝を刺して固定。
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衣を付ける
まず薄力粉をまぶし、つなぎの卵に絡め、それからパン粉を付ける。これも全体に薄く万遍なくが基本。
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油で揚げる
強火で油を約170℃まで熱してからタネを投入。じっくり火を通したいので中火で。キツネ色になって浮いてきたらOK。
マアジのレシピ ③
なめろう
目安
細引きのアジにミソと薬味を和え
あとは軽めにたたいて混ぜるのみ
材料(2人前)
- マアジ 2〜3尾
- 長ネギ 白い部分
- 細ネギ 1〜2本
- 味噌 アジの1/5程度
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薬味のネギを刻む
万能ネギも長ネギも小口切りに。あらかじめ長ネギは白い部分を半分に切って水にさらして辛味を飛ばしておく。
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アジを細引きにする
身をあらかじめ細く引いておく。大体5ミリ幅ぐらい。こうすることでたたきを軽めにして身の食感を残すことができる。
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アジとネギを和える
刻んだネギと細切りにした身をまな板に乗せ、包丁でたたきながら混ぜ合わせる。あまりたたき過ぎないように注意。
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味噌を加える
ミソを加えて味を調える。味噌は少なめで。アジの1/5ぐらいの分量が◎。お好みでミョウガやシソを加えても良い。
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軽くたたいて混ぜる
ここでもたたきは軽めで。具材は包丁の峰でこねる感じで混ぜ込んでいくと良いだろう。ほどよく混ざったら完成。
マアジのレシピ ④
姿造り
目安
頭と尾を残した中骨を皿に見栄えよく飾り
大振りに切った身をドーンと乗せる
材料(1〜2人前)
- マアジ 2〜3尾
- 大根 1/4本
- 爪楊枝 2本
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三枚におろす
姿造りなので飾りとしておかしらと尾が必要。頭と尾は落とさず中骨に残したままで三枚におろす。
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大根で台座を作る
大根を3〜5cm厚で輪切りにして楊枝を挿したものを2つ作る。この2つを中骨を固定する台座として皿の両端に置く。
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台座に中骨を飾り付ける
左に頭、右に尾がくるように中骨を配置し、頭と尾のそれぞれを台座の楊枝に刺して固定する。
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身を引く
身は厚めに引いて、食べ応えと共に見栄えも良くしておく。切り口を広く見せるべく、斜め切りにすることも忘れずに。
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美しく盛り付ける
残った大根でツマを作り、台座・背骨が隠れるように乗せていく。あとは身を盛り付ければ立派な姿造りのできあがり。
マアジのレシピ ⑤
一夜干し
目安
家庭でも簡単に作れる極上の一夜干し
焼き始めるときは必ず身から火を通すのが極意
材料(1〜2人前)
- マアジ 3〜4尾
- 粗塩(水870ccに対して) 130g
- 酢 適量
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アジを腹開きにする
内臓を取ったアジは、腹から中骨沿いに切れ目を入れて腹開きにする。
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漬けダレを作る
干物は塩加減が重要!約13%の塩水が黄金比。水870ccに対し130gの塩を混ぜてつくる。この塩水に漬けることで全体に味が回るのだ。
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30分程度漬け込む
塩水の中への漬け込み時間は30分が目安。この時間と塩の量とを調整することでお好みの塩梅になった干物が出来上がる。
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冷蔵庫で一晩干す
簡単に作るならザルに乗せた開きを、そのまま冷蔵庫で一晩干す。冷蔵庫で干した後に3時間程度、天日に当てるとより旨味が増す。
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サッと焼いて、召し上がれ!
干し上がりの目安は、表面を触って指紋が付かないぐらい。シットリと弾力があるぐらいが美味しい。焼き網には酢を塗ることで焦げ付きを防止出来る。